連続ドラマ 2003年10月~2004年3月放送
ストーリー 国立大学の医学部第一外科助教授・財前五郎(唐沢寿明)。食道噴門癌の手術を得意とし,マスコミでも脚光を浴びている彼は,当然,次期教授に納まるものと自他ともに認めていた。しかし,現教授の東(石坂浩二)は,財前の傲慢な性格を嫌い,他大学からの移入を画策。産婦人科医院を営み医師会の役員でもある岳父・又一(西田敏行)の財力とOB会の後押しを受けた財前は,あらゆる術策をもって熾烈な教授選に勝ち抜こうとする。
出演 唐沢寿明,江口洋介,黒木瞳,矢田亜希子,水野真紀,上川隆也,及川光博,片岡孝太郎,伊武雅刀,若村麻由美,西田尚美,野川由美子,池内淳子,かたせ梨乃,伊藤英明,石坂浩二,西田敏行他
財前教授の天才的な腕に,里見先生のような患者に対して真摯に向き合う性格を持つお医者さんが理想だなぁ。
昨年秋から半年にかけて,フジテレビの開局50周年記念として同じく唐沢さん主演で『不毛地帯』が放送されましたが,私は断然こちらの『白い巨塔』のほうがドラマとしても,また山崎豊子さんの数ある名作の映像化作品の中でもいちばんスキです。
山崎豊子さんの映像化作品はこの『白い巨塔』をはじめ『華麗なる一族』とか『沈まぬ太陽』とか『大地の子』とか近年映像化が立て続けに続いていますが,こんなに夢中になり,考えさせられた作品は他にないですもん。
唐沢版を見るまで田宮二郎さんの『白い巨塔』を見たことがなかったので,ドラマと並行して原作も読んでいましたが,前半の教授選から後半の医療裁判へ繋がる展開,医療に対して相対する考えを持つ2人の医師の結末等,もう圧巻です。実際,原作を先に読み終えてしまったので最終回を迎える大分前に結末を知ってしまったのですが,なんだかなんともいえない気持ちになってしまったなぁ。手段を選ばず死に物狂いで頂点に上り詰めた結果がこうだったなんて・・・。
唐沢さん演じる財前教授はこの作品ではいわば“悪”のような描き方の人物で,対する江口さん演じる里見先生は“善”というような人物の描き方をしているけど,私はどうしても財前教授を悪者のようには思えなかったなぁ。
たしかに財前は人一倍野心が強く,若くして天才外科医と呼ばれていることもあって,師である東教授をさしおいてスタンドプレーに走ったり,自らの腕に過信しすぎているところもあって,教授になった途端,いきなりのあの傲慢な態度の変わりようで,患者の立場から見たらやっぱりかなり脅威を感じる存在ではあると思います。
だけど,私は里見先生よりもよっぽど人間らしいと思うんですよね。嫉妬や妬み,欲望は人間なら誰しも持っているもので,たまたま財前はそれらが他の人間よりも強かっただけだと思うんです。
だから常に“イイ人”で描かれる里見先生とか医療裁判になってから急に“イイ人”になっちゃった東教授なんかはどうもスキになれませんでしたあんなに財前と後任の教授選の際に火花をバチバチちらしていて確執もあったはずなのに,そんなに急に変われるものなの?って。
でも,やっぱりいちばんいいのは財前教授が持つ天才的な腕に,里見先生の常に患者に対して真摯に対応する性格を持った医師だよなぁこんなお医者さんがほんと理想だよなぁ
で,これって夫だけじゃなくて妻たちの戦いもあちらこちらで見受けられるので,このドロドロ感が面白い反面,とってもリアルで怖かったりするのよね
やっぱりなんといっても東教授の妻を演じた高畑淳子さんのキャラの濃さがとにかく放送当時は注目されて,その後,高畑さんはバラエティにもよく出られるようになったけど,今見てもあの早口で捲くし立てるような喋り方はインパクト強すぎだもんなぁ
あとは財前を巡る妻と愛人のやりとりはコワかったし,迫力あったね~教授選の際に若村麻由美さん演じる妻が黒木さん演じる愛人の部屋に乗り込んじゃったり,財前が教授になった際に,妻と愛人が2人だけで乾杯しちゃったり(で,とにかくこのときの2人の会話が火花バチバチでコワかったなぁ)となんかすごい関係だったけど,夫の死期を悟った妻が自ら愛人に連絡をして財前に会わせてあげるっていうのがなんかスゴイなぁって。このシーンでの若村さん,カッコ良くてスキです。
財前が死を迎える最終回は結構グッときちゃうシーンが多々あって,里見先生に財前が自分が末期の肺癌だということを知って“無念だ・・・”って言葉を詰まらせながら吐き出すシーンとか,財前が“自分の生き方は間違っていたのか”ってケイ子に問いかける夜の屋上でのシーンとかは何度見てもウルッときちゃいますね涙なんか見せたことのないケイ子がボロボロ涙を流しながら財前に寄りかかるところなんかほんとヤバイ。このシーンを見て“黒木さん,上手いなぁ”って久々思ったもん(笑)
で,結局この登場人物の中でいちばん腹黒かったのは鵜飼学長と奥さまだと私は思うのですが・・・
去り際に鵜飼学長が舌打ちするところ,伊武さん,さすがの演技です。
ストーリー 国立大学の医学部第一外科助教授・財前五郎(唐沢寿明)。食道噴門癌の手術を得意とし,マスコミでも脚光を浴びている彼は,当然,次期教授に納まるものと自他ともに認めていた。しかし,現教授の東(石坂浩二)は,財前の傲慢な性格を嫌い,他大学からの移入を画策。産婦人科医院を営み医師会の役員でもある岳父・又一(西田敏行)の財力とOB会の後押しを受けた財前は,あらゆる術策をもって熾烈な教授選に勝ち抜こうとする。
出演 唐沢寿明,江口洋介,黒木瞳,矢田亜希子,水野真紀,上川隆也,及川光博,片岡孝太郎,伊武雅刀,若村麻由美,西田尚美,野川由美子,池内淳子,かたせ梨乃,伊藤英明,石坂浩二,西田敏行他
財前教授の天才的な腕に,里見先生のような患者に対して真摯に向き合う性格を持つお医者さんが理想だなぁ。
昨年秋から半年にかけて,フジテレビの開局50周年記念として同じく唐沢さん主演で『不毛地帯』が放送されましたが,私は断然こちらの『白い巨塔』のほうがドラマとしても,また山崎豊子さんの数ある名作の映像化作品の中でもいちばんスキです。
山崎豊子さんの映像化作品はこの『白い巨塔』をはじめ『華麗なる一族』とか『沈まぬ太陽』とか『大地の子』とか近年映像化が立て続けに続いていますが,こんなに夢中になり,考えさせられた作品は他にないですもん。
唐沢版を見るまで田宮二郎さんの『白い巨塔』を見たことがなかったので,ドラマと並行して原作も読んでいましたが,前半の教授選から後半の医療裁判へ繋がる展開,医療に対して相対する考えを持つ2人の医師の結末等,もう圧巻です。実際,原作を先に読み終えてしまったので最終回を迎える大分前に結末を知ってしまったのですが,なんだかなんともいえない気持ちになってしまったなぁ。手段を選ばず死に物狂いで頂点に上り詰めた結果がこうだったなんて・・・。
唐沢さん演じる財前教授はこの作品ではいわば“悪”のような描き方の人物で,対する江口さん演じる里見先生は“善”というような人物の描き方をしているけど,私はどうしても財前教授を悪者のようには思えなかったなぁ。
たしかに財前は人一倍野心が強く,若くして天才外科医と呼ばれていることもあって,師である東教授をさしおいてスタンドプレーに走ったり,自らの腕に過信しすぎているところもあって,教授になった途端,いきなりのあの傲慢な態度の変わりようで,患者の立場から見たらやっぱりかなり脅威を感じる存在ではあると思います。
だけど,私は里見先生よりもよっぽど人間らしいと思うんですよね。嫉妬や妬み,欲望は人間なら誰しも持っているもので,たまたま財前はそれらが他の人間よりも強かっただけだと思うんです。
だから常に“イイ人”で描かれる里見先生とか医療裁判になってから急に“イイ人”になっちゃった東教授なんかはどうもスキになれませんでしたあんなに財前と後任の教授選の際に火花をバチバチちらしていて確執もあったはずなのに,そんなに急に変われるものなの?って。
でも,やっぱりいちばんいいのは財前教授が持つ天才的な腕に,里見先生の常に患者に対して真摯に対応する性格を持った医師だよなぁこんなお医者さんがほんと理想だよなぁ
で,これって夫だけじゃなくて妻たちの戦いもあちらこちらで見受けられるので,このドロドロ感が面白い反面,とってもリアルで怖かったりするのよね
やっぱりなんといっても東教授の妻を演じた高畑淳子さんのキャラの濃さがとにかく放送当時は注目されて,その後,高畑さんはバラエティにもよく出られるようになったけど,今見てもあの早口で捲くし立てるような喋り方はインパクト強すぎだもんなぁ
あとは財前を巡る妻と愛人のやりとりはコワかったし,迫力あったね~教授選の際に若村麻由美さん演じる妻が黒木さん演じる愛人の部屋に乗り込んじゃったり,財前が教授になった際に,妻と愛人が2人だけで乾杯しちゃったり(で,とにかくこのときの2人の会話が火花バチバチでコワかったなぁ)となんかすごい関係だったけど,夫の死期を悟った妻が自ら愛人に連絡をして財前に会わせてあげるっていうのがなんかスゴイなぁって。このシーンでの若村さん,カッコ良くてスキです。
財前が死を迎える最終回は結構グッときちゃうシーンが多々あって,里見先生に財前が自分が末期の肺癌だということを知って“無念だ・・・”って言葉を詰まらせながら吐き出すシーンとか,財前が“自分の生き方は間違っていたのか”ってケイ子に問いかける夜の屋上でのシーンとかは何度見てもウルッときちゃいますね涙なんか見せたことのないケイ子がボロボロ涙を流しながら財前に寄りかかるところなんかほんとヤバイ。このシーンを見て“黒木さん,上手いなぁ”って久々思ったもん(笑)
で,結局この登場人物の中でいちばん腹黒かったのは鵜飼学長と奥さまだと私は思うのですが・・・
去り際に鵜飼学長が舌打ちするところ,伊武さん,さすがの演技です。