Imachoの旅日記

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東京 2016.3 (ボッティチェッリ展&カラヴァッジョ展)

2016年04月17日 | 日本
2カ月前にローマとナポリで素敵な絵を見て感動したばかりなのに~
今度は日本で、大好きなボッティチェッリとカラブァッジョの絵が
見れるなんて、なんて贅沢なんでしょう~
感動ですよね
ものすごく、じっくりゆっくり見てきたので
作品の紹介と感想をなんとなく書いてみました


3月12日(土)~13日(日)の週末東京へ
土曜日の午後東京に着いて、2時頃上野に向かいました。
ダウンを着る程寒い日だったのに上野公園では桜が咲いてました



たくさんの観光客が写真を撮ってました~
桜を見ると心が明るくなりますよね



今回は、「日伊国交150周年記念」ということで
1月~3月まで東京都美術館で「ボッティチェッリ展」
3月~6月まで国立西洋美術館で「カラヴァッジョ展」
が開催されてます

なので、両方見るため3月に見に来ることにしたんです。
土曜日の午後と日曜日の午前中・・まずはどっちを見ようか・・・
イタリアではカラヴァッジョの方が断然人気があるんですが
日本ではボッティチェッリの方が知名度が高いので人が多いはず。
と判断して土曜日の午後はボッティチェッリ展に行くことにしました


今回の目玉はこの「書物の聖母」です
ミラノの美術館に展示されている絵で私も見るの初めてです



今回は結構ボッティチェッリが単独で描いた絵がたくさん来てるので
パンフレットでもこんなに紹介してます



イタリアと違って日本では撮影禁止なので、
写真はパンフレットや絵ハガキです。



東京都美術館に入ると人がいっぱい
ロッカーは空いてなかったので
かばんを下げたまま入館することに・・・
もちろん、音声ガイドを聞きながら、スタートです


入ってすぐに展示されているのが、「ラーマ家の東方三博士の礼拝」



初期の作品ですが、中央の聖母のヴェールも金の刺繍ももうキレイです

この作品の注目すべきは、周りにいる人達です。
右側の人々中央でこちらを向いて自分を指さしているのがこの絵の注文主ラーマ
一番右端で茶色の服を着てこちらを向いているのがボッティチェッリ
三博士と白い服の三博士の横で黒い服を着て立っている男、左端の若者、
が時の権力者メディチ家の人達です
時の人気画家の絵に、権力者と一緒に自分も描かせて
ラーマさんは自分の力をアピールしたかったのか、ミーハーだったのか
羨ましいですよね~

ウフィッツィ美術館の絵なんですが、
ボッティチェッリがいっぱい展示されている部屋にあるので、
他の素晴らしい絵に釘付けで
この絵をものすごくじっくり見てなかったので、
今回初めて目の前で
じっくり見ることが出来てよかったです




左上の「バラ園の聖母」
師匠のフィリッポ・リッピから独立した頃の初期の作品です。
これもウフィッツィ美術館の絵ですが、
今回初めてじっくり見ました


真ん中上は「書斎の聖アウグスティヌス」
フィレンツェのオニサンティ教会の壁に飾ってある絵で
教会では高い位置に上を見上げるように見ていたので
今回目の前で見れたのは良かったです~
この絵は「聖ヒエロニムスへの手紙を書いていたら
部屋に光が満ちてきて突然ヒエロニムスの声が
・・・この奇跡を知性で理解するのは無駄なことだ・・・と」
という瞬間です。
この絵は壁画だったんですが壁を剥がして
持ち運びが出来るようにしたものなんですよ。



中段右は「オリーヴ園の祈り」
これは、初めて見たのですが
ボッティチェッリがサヴォナローラの影響を受けた後の
素敵な絵を描かなくなった時代の作品です。
確かに・・遠近法も無いし繊細さも無いし・・・


一番下は「パリスの審判」
これは、ボッティチェッリが一番乗りに乗っていた時代の作品で
実際には構想をボッティチェッリがして弟子が描いたものです
でも、女神達の服はボッティチェッリが描いたと言われているようです。
そう言われると、お得意のしなやかさと襞が際立っている感じがしますね。



日本にある唯一のボッティチェッリ作品
「美しきシモネッタの肖像」



ジュリアーノ メディチの愛人と言われ当時の女神的存在だった女性で
「ヴィーナス誕生」「春」のモデルになったと言われています
写真ではわかりにくいですけど、
袖は赤い布の上に白いレースがあってきれいです。
顔の背景は窓で、赤い服の背景は黒なので
どちらも美しく映えるように描かれていますよね



今回の目玉作品「書物の聖母」



ボッティチェッリにしては以外と小さい絵です。
彼の黄金時代の作品だけあって、全てが素敵です
きれいだけれども憂いのある聖母の表情は
この先イエスに起こる受難を暗示していて
イエスの左手には棘の冠と三本の釘が握られています。
この絵の注文主は不明のようですが
絵に使われているのがラピスラズリや金箔等の豪華なもので
絵の完成度も高いので裕福で重要な人物だったと言われています。



サヴォナローラの影響を受けた後の50歳頃の作品
「アペレスの誹謗」


古代ギリシャで活躍した画家アペレスの誹謗を復元したもので
真実、後悔、無実、欺瞞、嫉妬、憎悪、誹謗、猜疑、無知、不正
を擬人化したものです。
背後の柱や彫刻、金の飾りはとてもキレイなんですが、
人物の美しさや魅力が以前より無いですよね~



今回の美術展、ボッテイチェッリだけではなく、
彼の師匠フィリッポ リッピと
その息子フィリピーノ リッピの作品も何点か来ています。


フィリッポ リッピの「聖母子と天使達および聖人たちと寄進者」
彼の作品にはチョイチョイ注文主が不自然に登場するんですよね。
これも、一番下の天使に手を引かれている黒い服を着た注文主が
一番目立ってます



このパンフレット一番右端上段がフィリッポ リッピの「聖母子」
下段がその息子フィリピーノ リッピの「幼児キリストを礼拝する聖母」



息子のフィリピーノ リッピは最初ボッティチェッリに似た作風でした。
この絵の聖母の顔、色もボッティチェッリに影響を受けた絵です。
がその後、ローマに出て活躍して人気画家となります。


気が付けば、5時半
2時半に入館したのに3時間もここに居たなんてビックリ
ウフィッツィ美術館でも3時間見たことないのに~
やっぱり、ウフィッツィ美術館は素晴らしい作品が
あまりにも有り過ぎて目がおかしくなるんでしょうね。
日本で見る美術展は少ない数なので
ウフィッツィ美術館で流し見してしまった
作品も改めてじっくり見れるので


大満足で、美術館を出て国立西洋美術館の前を通ると
お~っ「バッカス」がライトアップされています
明日の朝来るからね~



にしても、バッカスの絵をこんなに大きく看板にして、
カラヴァッジョ好きの人はテンション上がりますけどね
カラヴァッジョを知らない人が「見に行こう!!」て思うのかなぁ~


な~んて余計な心配をしながら
夕食は日本橋三越のイータリーで「生ハムとルッコラのピザ」です。




翌朝、9時頃国立西洋美術館に到着
思ったより人が並んでなく、9時半の開館を待ちました。



今回、カラヴァッジョの作品が11点も来てるんです。
よくこんなに集まったなぁ~と驚きです
イタリアではすっごい人気の画家ですが、
日本での知名度はほとんど無いのに、
結構有名作品が来てるんですよね~
しかも、世界初公開の作品まで
何で日本で で感じなんですよね


最初に展示されているのが上段の「女占い師」

初期の作品でまだ貧乏画家だったからか、
聖母マリアの絵の上に再利用して描いた絵なんです。
ロマの女(ジプシー)が占いをすると言って
お金持ちの若者の手から指輪を抜き取ろうとしているところです
当時、ローマは治安が悪く身近な題材をテーマに描いたようです。





そして、パンフレット表紙にもなっている
「トカゲに噛まれる少年」



この絵は二つあるんですが、今回はフィレンツェからのものです。
初期の作品で、爪が汚れていたり、花瓶の水に窓が映ったりと
細かいところまで描いてるんですよ~
又、難しい痛がる表情の顔を描いたあたり
自分の腕をアピールしてるんでしょうね
初めて見れたので良かったです


パンフレットの裏表紙になっている「ナルキッソス」
1月にバルベリーニ美術館で見ましたよね



続いて、1月にボルゲーゼ美術館で見た「果物籠を持つ少年」
看板になっていたウフィッツィ美術館の「バッカス」と
初期の作品が続きます。
「バッカス」は下の方に描かれている果物が
本領発揮とばかりにすごくリアルです。
又、ワイングラスの波紋とか、
ワインの入った瓶の表面中央に
カラヴァッジョの顔が映っているという
細かいところまでスゴイです



今回、私の中で一番のヒットがこれです。
「マッフェオ バルベリーニの肖像」



長い議論の末にカラヴァッジョの若かりし頃の作品と
認められた絵です。若かりし頃の作品でまだ未熟だからか
袖の皺がなんかチョット変です・・・
このモデルの人は教皇ウルバヌス8世が
28歳の教皇庁書記官だった頃の肖像画です。
ウルバヌス8世と言えばベルニーニを寵愛した教皇ですよね。
この展覧会に、ベルニーニの描いた、
35年後の63歳のウルバヌス8世の肖像画も
一緒に来て展示されてるんです~
ベルニーニの絵は1月にバルベルーニ美術館の3階が工事中で
見れなかったんですが日本に来てたんですね。 
カラヴァッジョとベルニーニが35年の時を越えて
同じ人を描いたって面白いわぁ~


ローマで殺人を犯して逃亡生活を始めたカラヴァジョが描いた
「エマオの晩餐」です。



同じテーマの絵を逃亡生活を始める5年前にも描いていて
その絵と比べると、全体的に絵が暗いし粗い感じです。。
光と闇の、闇の占める部分が圧倒的に多くなっていて
後期カラヴァッジョの画風になってきてます。





他に、盾に描かれた「メドゥーサ」、「洗礼者ヨハネ」
このパンフレット下の「エッケホモ(この人を見よ)」があります。


最後に、世界初公開の「法悦のマグダラのマリア」
急に出典が決まったからか、パンフレットも絵ハガキの無いんですよね~
2014年にカラヴァッジョの絵だと認定された
個人の方が所有している絵で
見れるのも最初で最後かもしれませんね。
この絵はカラヴァッジョが最後、
ボルゲーゼ枢機卿に恩赦を求めてローマに向かう時に
手にしていた3枚の絵の内の1枚と言われています。

マグダラのマリアの顔が法悦の瞬間の表情をしているので
なんか・・スゴイです・・・
絵の左上の暗闇の中にうっすらと十字架と棘の冠が描かれてます。
写真で撮れる絵を見つけたら貼り付けます


カラヴァッジョの絵だけじっくりゆっくり見たので
1時間半の鑑賞で終了~良かった良かった



んでもって・・
近いうちに、又東京に来ないといけないんです・・



なんと、三の丸美術館が所蔵して普段見ることが出来ない
伊藤若冲の展覧会が東京都美術館で1か月だけ開催されるんです~
1か月なんて・・・ケチ過ぎる・・
という不満は置いといて
5月に来なくては・・・



鶏さん待っててね
あっ、もう一度カラヴァッジョ展も見れるわね~





















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