伊方原発の廃炉のために

2006年から「伊方原発のプルサーマル問題」として続けてきましたが、伊方原発の廃炉のために、に15年に改名しました。

小松正幸愛媛大学元学長による中央構造線って何だ?これだ!の解説

2016-08-13 22:04:15 | 真の中央構造線って何だ、これだ
10月9日追記:
9月28日の「小松正幸さん大分講演会」ツイキャス中継・録画しました。大分の裁判の会で、本訴訟を提訴した日の晩に開かれました。
10月9日の「伊方原発をとめる会」での小松さん講演会もツイキャス中継・録画しました。

9月16日追記:小松先生から戴いた資料、6月に規制庁へ提出した要請文、の添付パワーポイント資料の中から、一部綺麗な図を、相当する写真のところに一緒に貼り付けました。
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中央構造線って実はこうなんですって。 大洲「目指せ脱原発!」講演会(8月10日) 小松正幸先生(地質学)講演 ①前半54分  ②後半 計41分 http://twitcasting.tv/togura04/movie/295704222

 小松氏の講演を聴いてしばらく腰を抜かしました(精神的に)。そもそも審査されている敷地前面海域の活断層帯はフェイクのものであり、本物の中央構造線は岸から1kmくらいのところで海底に上がっている、それをまずは調査せよ、との旨の話でしたね。

 3号機再稼働直前の10日夜、大洲で小松正幸氏と木村真三氏講演会があり、ツイキャス録画をしました。小松先生の話は驚天動地の内容につき、テープ起こしをしたい、と思います。準備、複数回にわたって以下の部分をアップデートしていきます。

 こちらはシャワリンさんによるツイキャス。こちらも音量が小さいですね。

http://twitcasting.tv/showering00/movie/295691744

 まずはラジオモードでツイキャスをした時に撮った写真をガンガン、アップしておきます。テープ起こしをした文章は、順次写真の間にはさんで追加していきます。

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司会「小松先生は、1971年、北海道大学大学院理学部博士課程修了・・学長を務め、現在は愛媛大学名誉教授になられています。この間学会では、日本地質学会会長を期、…勤められた。」

小松「私、地質学専門なんですがこの話をするのは初めてでありまして。

 7月の中頃に熊本に2回調査に行って熊本地震の実態を観て参りました。なかなか難しくてですね、熊本地震、非常に複雑で、未だによく私は判りません。今日は、一般的に中央構造線が佐田岬半島をおよんで来るんじゃないか、という怖れを皆さん、抱いておられるんじゃないか、それについてほんとにそうか、ということを検討いたしました。そこの話も交えてお話したいと思います。」

「今日は込み入っているんで、まず基礎的な話から。」

「地震というのは断層が滑って起こるわけで、断層の種類というのは3つあります。一方の上に押し上がる衝上(しょうじょう)断層。なんで起こるかというと、水平方向から圧縮を受けてる。もう一つは正断層という。正断層はずり落ちる。なぜそうなるかというと、水平に引っ張られる。こちら側にずりおちるのと、2種類ありますが一緒に起こること、ここにできるこれを地溝(グラーベン)といいます。実際の例を、これはチベットの##ですけれども堆積ができる。3つめのタイプは横に滑る、横滑り断層。こちら側に引っ張る2つの作用が働いて。」

「ずり落ちる、正断層型の断層で、もう一つ非常に特徴的な断層がありまして、それはこの正断層が、奥へ行くと水平になる。こういうタイプの断層。こちら側がずるずると下がっていくそういうタイプですね、そこにへんな形の溝ができる。これをハーフグラーベンという。この話後にも出てくる。」

(このハーフグラーベン構造というのが、伊方沖でも成立する、という主張でした。)

「基礎知識の第2は重力異常ということです。地球表面を仮想して、ある標準的な岩石を想定してそれが地球全体を覆っていると。それと比較して、重いものをプラスの異常、軽いものをマイナスの異常として観た。それがこのブーゲー異常図というもの。これは阿蘇のカルデラのブーゲー異常図ですけれども、これがカルデラの回りの断層、そしてこれが外輪山です。カルデラは、内部が軽い物もあるんですが、ブーゲー異常マイナスで。これが形から復元したカルデラ内部の構造です。

 もう一つ大事なのが、ブーゲー異常の急変帯というのがある、これがあまり図がよくないんですが、急変帯の一つですが、これが大分ー熊本構造線というやつ。これがこういう風に、ブーゲー異常図、重力異常図というのが地球の表面に近いところの構造を観るために非常に役に立つ。」

「これは四国の西側、伊予灘のブーゲー異常図。ここが重力異常のプラスの異常からマイナスの異常になる急変帯が、この真っ黒になっているのはものすごく異常が強いね、急変するところをこういう風に現しているわけですね。

伊予灘の海岸すれすれに重力の急変帯があるんです。これは何かというと、これが中央構造線なんです。ここまでは中央構造線が広く知られているんですけど、ここ(伊予市)からは、海岸すれすれを重力の異常帯が走っている、ここからみても、中央構造線はここを走っているということよくわかる。だから重力をやっている人は、中央構造線が海岸すれすれを走っていること知っているんです。そういうことを念頭に置いて。」

(一般的には伊予灘の中央構造線は8-10km沖の活断層を指すが、これは正しくない、と書いてます。)

「これは四国西部愛媛県西部の地質図です。一般に伊予灘の中央構造線というのはこの海岸の8-10km沖を走る活断層、これを中央構造線活断層系と言っているんですけどね、これのことを指している。この東側は伊予断層ですね、こういう断層に繋がっていて、そして沖合に中央構造線活断層帯これをいわゆる中央構造線だ、とこういうふうに言っている。

 しかしさっきの重力の異常図から見ると重力の異常図が示す中央構造線は海岸すれすれを走っている。なぜこういうふうになるのか、というと」

「伊予灘、ここが長浜ですが、東側の旧双海町これが上灘下灘、串というところ、ここにですね、串の沖合にほとんど1km以内に、ここに活断層がある。これがさっき言った中央構造線活断層。」

「更に、今の話もっと西側、三崎の先端、佐田岬半島、詳しい調査なされています。(次お願いします。)」

「それでこんな活断層が沢山見いだされていて、三崎沖この2、3キロ沖、いわゆる中央構造線活断層、もっとくわしく、この先の別府湾どうなるか、というと。」

「あ、その前に今までの調査を踏まえて、これは四国電力の原子力規制委員会に出した申請書の中のある部分、原発の敷地は活動度の高い中央構造線断層帯の南方に位置する、しかし、伊方原発の立地点は半径5kmくらいには活断層を有しない、と言っている。8−10キロであって、5km以内には活断層がない、とこういうふうに言っている。これが地震の規模、揺れによる震動と構造を、基準地震動を計算するすべての基準となっている。」

「それで別府湾ではですね、非常に細かい層、ここに京大グループが非常に重要な構造を発見した。豊後水道の」

 「これを観ると、こういう反射面あります。図よくないんで、これを分析した物理的ないろんな方法で、ハッキリした、三波川変成帯この先端部分が上に出ているのがずっと北側に沈んでいる、その上にあるのは、領家変成帯。両方の溝に溜まったものは、注目している、これは最初に話をした、典型的なハーフグラーベン構造。これを発見した。つまり別府湾で堆積物が厚い堆積物が集まっている、この境こそが中央構造線で、三波川と領家の岩。これが従来の中央構造線の定義ですね。境界をそう言っている。いわゆる内帯の岩石と外帯の岩石の境界断層これが中央構造線。今回、領家が、三波川変成帯を覆っていたのがずり落ちて。」

 「それで、こんど断層を東西断面にみると、非常に浅い精々領家変成岩を切るくらい、堆積物の中で留まっている。活断層であるけれども、地震を起こすいわゆる震源断層ではない、と彼らは結論づけている。これは非常に重要なことです。」

 「それでさきほどの断面はこれ領家変成岩と、三波川変成岩が、交わっている、測線から、三波川が海面と接する面を求める、これが中央構造線そのもの。中央構造線がずっと走っていて、ずるっと領家変成岩が北側にずれる。接しているところと、それが上面に海底面に出ているところが並行になっている。これは非常に重要な発見です。

これは佐田岬半島ですけれども、すぐ沖、1.6kmの所に、中央構造線活断層。ハーフグラーベンを作った一番上のところがある。

これは重力の異常図、急変帯ですね、ずっとマイナスが強く出ている、というふうにハーフグラーベンの形の重力異常でも表される。」

「もう少し解りやすく、新期堆積物、非対称の漏斗状、これがハーフグラーベンの特徴。旧い中央構造線が再活動して堆積物ができたんだということ。旧い断層ですが、再開した、現在活断層であるということを京都大学グループが発見した。」

「伊予灘ではどうか。先ほどの解析の、佐田岬の方では、大野さんという重力をやっているグループが非常に細かく、構造をどうなっているか。佐田岬半島すれすれに重力異常。」

「これが断面です。これが重力の急変帯です。急にプラス異常からマイナス異常に変わる。ここが断層の出口です。ここが三波川帯、ここが領家帯、間に新しい断層が新期、ここの形をみていくと、これもハーフグラーベン、重力異常図から見事に。ですから境界、ここが北側に領家帯がずれることによって出来た断層帯。全く同じだといえる。この部分は古い中央構造線なんですが、これこそが再活動した活断層であるというわけです。いわゆる中央構造線活断層帯ここに活断層あるんですが、活断層であることは確かなんてすが、これがずれることによって出来た随伴断層であって、主要な断層ではない、ということ。」

「それでは四国電力がどうなっているか、ということを少し観ていきます。これは四国電力が非常に細かいエアガンの調査をやった。しかし海岸に到達していないんです。最初に話したように、串沖には、1キロ以内の沖合に活断層、と話しました。ここまで到達していない。三崎でも海岸に到達していない。いつも2,3キロ沖合に止めている。」

「5本の測線、詳細に。これが新しい堆積物。ここに断層下に三波川、領家花崗岩など、残念ながらここで切れている。測線はここまでしか行っていない、海岸まで到達していません。しかし明らかなんですね、これこそが中央構造線なんですね。」

「これは伊方沖。これが三波川と領家の境界線。これもハーフグラーベン非常によくわかる。そしてその中に活断層が一杯できている。これは深くは到達していない。この深さは精々2キロなんです、だから地震を起こす断層ではないんです。」

「これが三崎沖です。三波川と領家。これがいわゆる中央構造線活断層帯。」

「それで、資料はここまでしかありませんが、海岸までどうなっているか、を推定しました。断面をここまで引いて補いました。そしてエアガンで得られたこの境界線をそのまま上げると、そうすると海底とぶつかるところを求められる。串沖の場合、下灘ではほとんど海岸と一致します。これが中央構造線、陸地と海底の接点。」 

「これは保内沖です。保内沖も同じように、これをそのまま延長します。」 

(一枚写真を取り損ね) 

「これは伊方沖、少し、海岸から離れます。500mくらい距離がある。」

「これは瀬戸。」

「これは三崎沖です。三崎沖の場合、これを伸ばすと、海岸との距離が少しある。別府湾から中央構造線を別府湾の方へ引っ張ってくるとぴったり一致する。ですから三崎沖では、0.5キロくらい離れる。」

「そういう風にして求めると、下灘、保内沖、伊方、瀬戸沖、そして三崎、それをつないでこうなる。これが中央構造線の断層の出口。これは重力急変帯と全く一致している。こちらのデータを併せると。」

「そうすると、串沖で海岸に活断層があると解っているのと一致する。これが中央構造線なんです。この沖合にあるいわゆる「中央構造線活断層帯」というのは、これが動く度に副次的に出来た活断層、地震を起こす断層ではないことが解りました。」

「それでなぜどういうふうにハーフグラーベンができたのか。どうしてここを、おそらく礫が海岸線にそって礫が硬い、、礫と認定したんだと思いますが私はこれは上から落ちてきた礫や砂と。そういうものを除いていきますと、ハーフグラーベンに一致する。」

「こういう形、整理してみますと、中央構造線活断層がこうあって、地域の堆積物が溜まる。この形が」

「下側にずれる。これこそ伊方原発の沖合すれすれ数百メートルを、中央構造線活断層が走っている。」

「今も動いているか。死んでるんじゃないか、とこれを検討。断面を観てみますと、元々は内帯の領家帯、八幡浜の大島の、元々が覆っている。これが古い中央構造線、今から、4百万年前それ以前、ずっと上にあったが削られてしまって、三波川が現れる。それが3百万年前以降新しくなって、これは地質学からみるとほんの昨日というくらい、これを一度上を覆っていた断層がずるっと下がる、ずれる正断層、そしてここにハーフグラーベンが形成される。

こういう運動を反転テクトニクス、といいます。最初は衝上断層ですね、それが正断層に転換する。こういうのを反転テクトニクスといいます。まる1としている。第一回目。

現在はさらに応力場は反転している。まる2です。 ハーフグラーベンを作る運動はもう終わっている。

 「なぜこういう反転テクトニクスが起こったのか、南海トラフ、フィリピン海プレートが沈み込むこの方向が変わったと彼らは言っている。300万年からこれは250万年前、この時にはフィリピン海プレートはこちらの方向に沈んでいたんですが、九州側では反対に海側に引っ張る、こういう運動が起こっている。そして引っ張られる、正断層の引っ張るのはフィリピン海プレート、一部は押しているところは圧縮になります。ここでは引っ張る、こういうことが起こっている。それが、200万年前から150万年になると全体がこう押すような条件になっている。そこで今度は正断層から圧縮テクトニクス、縮まる衝上断層を作る方向。」

「この時期に終わっていると言っている。それでは現在はどうなっているか、というと、全体を西側に押すというようになっている、だから強い圧縮の場はなくなった、というわけですね。中央構造線がどちらかというと横滑りの断層に転化していく。これが彼らの説です。正しいかどうかわかりませんが地上で見られる水平運動と一致。勿論現在の圧縮応力場からこういう風に推定したんですけどね。押す力が強い。ですからもうここでは、別府湾では、ハーフグラーベンを作るような正断層の運動はもう終わっているんですね。大きく見ると、ハーフグラーベンを作るような引っ張りから、圧縮テクトニクスに変わっていると。こういうのをインバージョンと言っています反転テクトニクス。」

 「これは日本海の例。古い時代、ハーフグラーベン、そして正断層が今度逆断層になる。こういうのを反転テクトニクスと言います。応力場は伸張から圧縮へ。これが最初ですね。非常にこれはよく分かる。一度できるとこういう断層ここが弱勢になる。中央構造線というのはまさにそう。非常に弱勢になる、何回も反転する。応力場が変わる度そこが戻っていく。」

「また四電のデータですけれど、四電のデータを見ますと、海岸線のデータについてはいつも、避けるということをやっている。これは海底の地形図ですが、海底が急に深くなっている。これは断層であることを意味するが、示さないということをいつもやっている。」

「それで我々は、四電は海岸線の調査を全部やっていない。四電の人に聞きましたけれども、エアガンの操作が非常に難しい接岸できない、ということを言っている。

こちら側から、私は宇和海側から音波を探査をやれ、ということを原子力規制庁に申し入れした。6月末に規制庁に、海陸統合地震探査というのをやるように要求いたしました。まあほとんど役人が5人くらい出てきてなしのつぶて、ほとんど門前払い。

 それでもっと広く問うことをするために、9月に地質学会ありますんで、私たちのグループはまたこの問題を提起するとしております。」

(ここでひとまずの結論。ここからは別論に入ります。熊本地震を調べて判ったことについて。)

 

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