伊方原発の廃炉のために

2006年から「伊方原発のプルサーマル問題」として続けてきましたが、伊方原発の廃炉のために、に15年に改名しました。

ストレステスト事前勉強会用の資料を紹介

2012-01-21 21:56:49 | 関係資料

@togura04 2012/01/08 23:08:51

12年最初は、1/10EUストレステスト講演会 http://t.co/gniCJ6Eq 、なんですが、それに先立ち、勉強会用に資料を作ってます。 http://t.co/Uc4IpIhL ご笑覧を。(pdf版)

 以下テキスト資料として紹介します。コメント歓迎。


 

ストレステストとは

 12/1/8 原発さよなら四国ネットワークMtg 資料

 

ストレステスト(耐性調査)は
・EUが始めた。
・電力会社(実際はメーカー)が保安院の指示に基づきテスト(当初は1次のみ)を行い、
・原子力安全・保安院と原子力安全委員会が提出結果をダブルチェックし
・その合格に基づいて政府が運転再開のお墨付きを出し、
・その政府のお墨付きを地元が認めれば、
・定期点検後停止している原発を再稼動させられる、その関門。
・2次のストレステストは運転しながら評価。(EUは一次も運転しながら)

 

 
テストプロセスの疑問は、運転再開時期の疑問と直結
・中村県知事の運転再開の3条件:
国の個別原発の安全性に関わる明確な指針と対応/
電力会社の自主、追加的対策/
地元の同意
・地元は国に明確な意思表明を求めている⇆国は地元の同意が大前提、
この「お先にどうぞどうぞ」状態をどう変えていくのか?
・もし変わらなければ、少なくとも春から夏に掛けて政府のエネルギー政策の方針が決まるところまで、運転再開問題は先送りとなる。
・野田首相国会答弁のそもそも論では、原因を究明した後に再開へ
・「地元」の定義が大きく拡大する過程も並行して起こっている

 

 
ストレステストの中身
 

 

 
日本版ストレステスト1次とは
・「安全上重要な施設・機器等について、設計上の想定を超える事象に対して、どの程度の安全裕度が確保されているか、(許容値等に対する裕度の比で表し)評価する。」
自然現象:地震、津波
安全機能の喪失:全交流電源喪失、最終ヒートシンクの喪失

 

 
日本版ストレステスト2次とは
・「設計上の想定を超える事象の発生を仮定し、原子力発電所がどの程度の事象まで燃料の重大な損傷を発生させることなく耐えることができるか、安全裕度(耐力)を評価する。」
1次と違うのは、全交流電源喪失と最終ヒートシンクの喪失の複合ケースを想定

 

 
導入の経緯ー1.外圧
・11/6/24:IAEA閣僚級会合「議長総括」ー福島事故報告書提出を受け、1年後日本開催の会議で世界の原発の安全性評価を報告することに(海江田経産相が出席)
・EU(欧州連合)では6月から年末まで域内の全原発でストレステストを先行実施。
・米NRCも3月に特別チームを編成、7月までに緊急チェック済み。
・9/16:国連16機関による、原子力安全に関する報告書提出
・9/22:国連の特別会合で3年間の原子力安全強化「行動計画」採択。(野田首相出席、福島事故の原因究明が最大の国際貢献とも語る)

 

 
導入の経緯ー2.綱引き
・7/6:菅首相/海江田経産相:追加のストレステスト提案…数日間掛けて意味付けを調整。7/4の玄海の運転再開地元同意は、国への不信とヤラセメール事件も重なり撤回へ。
・7/12:政府「統一見解取りまとめ」ー1次、2次の区分けなどストレステスト概要確定
・7/6に原子力安全委員会が保安院に求めた「23安委決第7号」に基づき、7/21に保安院がストレステストの「評価手法および実施計画」をまとめ、22日には8電力+2社1機関に指示

 

 
*泥縄で導入したことから起こりうる問題1
・これまでやったことがないもの   ー試行錯誤
・原因究明が不完全な段階で、テストが企画されたーピント外れ、科目外の恐れ
・急ぎ全原発で実施の必要性がある?
ー個別特殊要因の軽視、見落とし。
ー同じ誤りが同一メーカーの同型炉の全原発に起こりうる

 

 
*泥縄で導入したことから起こりうる問題2
・今回の震災を受けた耐震安全性、耐津波性などの再評価は後回し
ー古い評価基準、合格基準がまだ無い、正解の定まらないテスト
・原子力安全庁に組織再編される前の、
ー評価機関の透明性、独立性が疑問視されるままの、
・原子力安全・保安院と原子力安全委員会によるダブルチェック
ー消える組織では無責任

 

 
*日本的総動員体制の問題
・独立第三者の機関が無い。規制機関が推進部門から独立していない問題をIAEAが以前から指摘
・下請け検査機関もメーカーの出向者(当事者)が実務を担当し、空気を読まさせられる(藤原節男氏の例)
・審議会も事務局が恣意的に選任した操り人形学者を委員に据え、事務局が振付けたシナリオで動く
・パブリックコメントも形式的で、結果には反映されず

 

 
参考:東電福島原発事故原因調査の経緯と進捗
・6月:IAEA来日調査報告書:政府提出資料より構成
・12/2:東電自身による事故中間報告 津波説による   12/15初めて小LOCA試算公表
政府「事故調査・検証委員会」ー失敗学の畑村教授を中心に再発防止用の教訓を汲み取ることを目指す。12/26中間報告 吉岡斉、柳田邦男 http://homepage3.nifty.com/sustran-japan/datafile/jikocho_111226.pdf
・国会「事故調査委員会」、行政府からの独立性を重視、12月に委員確定、12年6月報告書提出を目指す。 石橋克彦、田中三彦、崎山比早子
・民間の福島事故独立検証委員会も、2月末報告書公表を目指して9月から活動中。

 

 

12月19日 運転再開に反対する政府交渉

”政府交渉の確認事項:
  福島原発事故で地震によって配管が破損した可能性は否定できない
  原発の運転再開については、安全協定が結ばれる地域への説明と理解が必要
 12月19日、衆議院第一議員会館多目的ホールにて、原発の運転再開に反対する政府交渉を行った。全国125団体が共同で質問・要請書を提出した。北海道、青森、宮城、新潟、静岡、佐賀・福岡の立地県からの参加者を含め110名が参加した。服部良一議員、福島みずほ議員も出席された。政府側は、原子力安全・保安院と原子力安全委員会事務局から8名が出席した。交渉は、午後2時半から約3時間にわたった。
 保安院は、ストレステストの評価を早ければ年内にも出し、来年2~3月に運転再開を強行しようとしている。福島原発事故の実態も原因もまだ解明されておらず、福島事故の調査とは切り離し、ストレステストで運転再開しようとしている。
 しかし、今日の交渉では、以下のような重要な点が確認された。運転再開を止めるため、最大限活用してこう。これらを地元や周辺自治体、人々に広めていこう
[地震による配管破損等について]
●解析の結果、地震直後に0.3cm2のひび割れが入った可能性は否定できない。
●福島第一原発1号のモニタリングポストMP3の「HiHi警報」は、放射能が敷地に放出された可能性を否定できない。
●17:50に、原子炉建屋内に放射能が放出された可能性を否定できない。
福島原発事故の実態と原因は「まだ分からないことが多い」。
ストレステストの判断基準はいまも持っていない。なんらかのものが必要。
[原子力防災計画の見直しと原発の運転再開について]
●30~50㎞圏内では、原子力安全協定が結ばれべき。
運転再開については、安全協定が結ばれる地域への説明と理解が必要。
●スピーディの情報等、国が持っている情報は可能な限り提供すべき(安全委員会事務局)
 国会の事故調査委員会は今後半年かけて事故調査報告書をまとめる。保安院は、国会の事故調査委員会とは関係なく運転再開の準備を進めると語った。国会の調査を重視するよう声を強めていこう。
2011年12月19日
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン
国際環境NGO FoE Japan
福島老朽原発を考える会(フクロウの会)
グリーン・アクション
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)”

 

 
保安院のストレステストに関わる意見聴取会11月~
関電大飯3、4号と伊方3号機+4機が並行して結果を提出、検討中
井野博満氏(柏崎刈羽原発…科学者の会代表)と後藤政志氏が継続して出席

 

 
*専門家とカネ問題
【再稼動の条件「ストレステスト」のいい加減さ】テストは原発メーカー自身が行い、「メーカーが提出するのはテストの結論のみで、使用した計算プログラムや詳細な生データは、クライアントである電力会社にさえ提出されない」「ストレステスト委員が三菱重工から献金」 http://d.hatena.ne.jp/byebyegenpatsukyoto/20120102/1325453236
 ”とりわけ重大なのは、現在経産省・保安院が原発再稼働のための手続きと位置づけて進めている「ストレステストに係る意見聴取会」の委員であり、司会進行役(保安院が一方的に指名)を務めている【岡本孝司・東大教授】に三菱重工業から200万円が寄付されていたという事実です。 この間、ストレステスト報告書があがってきたのは、ほとんどが三菱重工業製の加圧水型原子炉(PWR)です。これでは、利益相反の疑念を払拭することは出来ません。”

 

 
*四電伊方としての文脈は何か?
・新たな耐震性再評価が必要ー新たな想定南海5連動地震は深部直下に震源域が延長
・原子力防災ー松野安全文化論への評価
・以前の中央構造線活断層帯地震の想定地震動評価批判
・地元の定義拡大ー大分県を含む?地元合意

 

 
ネット動画解説
12月15日 CNIC Ust 後藤政志氏によるストレステストと配管破断 http://www.ustream.tv/recorded/19157130
12月22日 意見聴取会(経産省本館、保安院)「発電用原子炉施設の安全性に関する総合評価に係る聴取会」CNIC vimeo http://vimeo.com/34137834(204分)
12月26日(11アクション実行委員会主催、たんぽぽ舎にて)学習会「ストレステスト評価による危険な再稼働への道」IWJ CH5 http://www.ustream.tv/recorded/19393973(130分)

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