伊方原発の廃炉のために

2006年から「伊方原発のプルサーマル問題」として続けてきましたが、伊方原発の廃炉のために、に15年に改名しました。

愛媛県知事の発言-1.昨年9月の住民説明会が終わるまで

2005-11-19 23:27:04 | 関係資料
 愛媛県知事による月一回の定例記者会見の記録から、質疑を一部抜粋して、この間の動きを紹介してみたいと思います。
 論旨を明確にするための抜粋ですので前後の切り落とし箇所でニュアンスが異なる危険性があるということを認識して、元の文章も含めてお読みください。


●平成16年度5月知事定例記者会見

「Q:伊方3号機でのウラン・プルトニウム混合酸化物燃料の採用について、安全性・経済性を疑問視する声も聞こえるが、県として、県民に対する説明責任をどのように果たしていくのか。」

 「安全確保ということを第一的な主眼といたしまして、地元の意見や県議会の議論を踏まえながら、慎重に対応すべき」「これまで以上に詳細で分りやすい情報を県民に提供する必要がある」「併せて、事業主体であります四国電力や、我が国のエネルギー政策を所管する原子力委員会及び経済産業省の方から、直接に県民に対する説明の機会が設けられ、不安の解消や理解促進が図られることが望ましい」
 ※コメント:ここでは、「県民に対する説明」と言っていますが、以降は、県民という言葉が消え、地元住民ばかりと後退した姿勢になっています。

「Q:プルサーマルの導入に向けてのスケジュール(案)という書類を県が作成していたと報道されたが、これはどういった性格のものか」

 「配られました後に、県政与党の一部の方から、これはプルサーマル計画を容認することを前提に作られた資料との誤解を招くんではないかという指摘がございまして、指摘があった後に、共産党の方からの資料要求がありましたので、…手続的にこういう順序でいけばこうなりますよという日程のプロセスを載せない、また、書き直したといいますか、作り直した資料を共産党に提供したということだと理解」「内部的に作られた資料が県政与党にそのまますっと行ったというのがどうかなという、ちょっと安易だったかなという点がありますし、また、誤解を招いたことも事実だし、そこのところはお詫び申し上げたい」
 ※コメント:議会対策としての事前根回しの悪風があることと、与党は県民に対してなんにもしてくれないということの二つが分かります。こういう情報が出てこないということは議会としてのチェック機能を果たしていないと言えます。
 
「Q:今の段階で、県として、プルサーマル計画導入を受け入れるという考えを明確に持っているのか」

 「安全性の問題として、具体的な問題としての、その確認なり検証をしなきゃいけない。…安全性についての住民の理解が得られるかどうかという、今後の道行等もあります。様々な前提条件がありますから、当然のことながら、その道行の中で適否の判断を常にしていく」


●平成16年度7月知事定例記者会見の要旨について

「Q:核燃料の処理費に関し、経済産業省、原子力委員会、電気事業連合会等が再処理と直接処分によるコスト試算を…公表していなかったことに批判が出ているが、…プルサーマル計画に与える影響があるのか」

 「今回まで公表していなかったことは、原子力政策全体に対する国民の不信を招きかねないもので、大変残念」「直ちに影響するものとは考えておりません。」
 ※コメント:民間企業が行う前提になっているはずの再処理事業が実際には国策として進められ、本来の株主の利益に反する形で高価なMOX燃料を使うことを推進するというのはおかしなことです。株主総会で問題にならないはずがないのに、一体どうやって各電力会社は総会を乗り切っているんでしょうね。

「Q:プルサーマルの最終的な判断をする時期というのは、国の安全審査が終わった後、かなりまだ先のこと…か」

 「新たな原子力長期計画の策定状況というのが、どういう形で、…状況の変化等は、当然その時点で見極めていく必要がある」

「Q:国の安全審査を申請することを認めるかどうか…いつ頃になるか」

 「四電の方も、…住民説明会のような形で、質問を受け、答えるという形での住民理解を求めていってもらいたい」

「Q:コストは国が考えることで、県としては、安全面と住民理解があればいい、住民理解が最優先だと捉えてよいのか。」

 「そのとおりです。」

「Q:委員の任期が確か今月末。国の原子力長計の策定会議では反対派も加えて徹底議論しているが、…反対の立場の人を入れて議論する考えはないのか。」

 「専門分野での庶民の主婦的な感覚とか、そういうものを反映する余地のない委員会でありますので、公募委員は考えておりません。」
 ※コメント:別に公募であることが主眼点ではありません。MOX燃料に反対の立場から活動している専門家の大学教授などを呼んでくることができるはずです。そういう反対派の専門家を加えた議論をすれば推進の合意には達することができないと思っているから入れていないということでしょう。なんのための委員会でしょうか。委員の構成が間違っています。


●平成16年度8月知事定例記者会見の要旨について

「Q:9月4日に、四国電力と国による地元説明会が予定。終わった後に…申請を認めるかどうかの判断をするタイミング。美浜原発のあのような事故…との関連も含めて、どのように考えていくのか。」

 「肉厚の問題等々既に異常がないということの結果を示していただいておりますので、そのこととの直接関連は伊方原発に関してはない」「説明会に対しての、説明会における質疑応答等で地域住民の理解がどの程度進んでいくのかという全体的な状況の中にありまして、県としての事前協議に対する考え方を取りまとめていきたい」
 ※コメント:「2度あることは3度ある」といったことわざは世間の智恵です。実際には電力会社の体制については何を点検したのでしょうか。


「Q:今の時点では特に考えてないと、それを見極めたいということか。」

 「今まで粛々と対応してきたベースの上に立ちまして、安全性の確認並びに地元の理解の程度というのを踏まえて、対応すべき」

「Q:福井県の西川知事が美浜の事故を受けて、関西電力のプルサーマルに関しては先送りという姿勢を見せているが、愛媛県知事としては」

 「正常事態以外の事項について、全ての報告を求めて以来、少なくとも、信頼関係の揺らぐようなことはなかったと思っておりますので、四国電力に関しては、少なくとも信頼していきたい」
 ※コメント:「信頼する」のはきちんと懐疑的な調査をした後で言えることでは?


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