伊方原発の廃炉のために

2006年から「伊方原発のプルサーマル問題」として続けてきましたが、伊方原発の廃炉のために、に15年に改名しました。

愛媛県議会での論戦(H17年度12月議会その1)

2006-04-20 15:15:23 | 関係資料
県議会のホームページに掲載されている議事録
http://www.kensakusystem.jp/ehime/
より、2年近く前からのプルサーマル問題に関する愛媛県議会本会議での質疑内容を紹介しておきます。

●平成17年 第295回定例会 (第4号12月 6日)No.56 佐々木泉議員(日本共産党)
 第2に、伊方原発のプルサーマルについて尋ねます。
 県民の安全にとって重大なこの問題で、県は、県民の立場に立ち、県独自の見識を持って是非を判断し、県民の疑問に答える義務があります。ところが県の責任ある対応は、皆無と言わなくてはなりません。
 振り返れば昨年5月、四国電力が事前協議を申し入れたとき、県は四電の思惑どおりプルサーマルが認可される筋書きの予定表をつくって配るという大失態をやらかしました。また、昨年11月には、四国電力の許可申請書に目を通してもいなかったなど、国や電力会社任せの姿勢をとってきました。
 去る9月議会では、今井久代議員が、原発の地震への耐震性について、国にお任せではなく本県独自の見識を持つよう質問したのに対し、国が安全確保すべきだという、まさにお任せ答弁を行いました。
 県民の疑問に答える討論会、シンポジウムの開催も国任せで、他県との違いが歴然としています。玄海原発を抱える佐賀県では、既に公開討論会を九電が2月に、国が10月に開きましたが、佐賀県知事は、安全性について理解が深まったとは言いがたいとして、県主催の討論会を12月25日に予定しています。募集定員も、伊方町で開いた国の講演会250人に対して、佐賀県の討論会は600人となっています。県民の多くはプルサーマルについて不安を抱いています。だからこそ反対署名が県内外を含め前後12万人を超えて集まりました。愛媛弁護士会もプルサーマル反対を決議しています。
 こうした多くの不安、疑問、批判に県は答えていないではありませんか。そうは思いませんか。答弁を求めます。
 これまで県に質問して返ってきた答弁は、国や四国電力の見解と何ら違いません。プルサーマルは必要だ、各国に実施経験がある、地球温暖化防止のために必要だなどなど。違うところがあるんですか。どこが違うんですか。例を挙げて説明していただきたい。
 福島県では、県独自の調査研究を行って判断しています。プルサーマルなど核燃料サイクル政策については、現段階で必要不可欠かと問題を投げかけ、使用済みMOX燃料の処理が明確でないと批判しています。原発は二酸化炭素を出さないから環境に優しいという電力業界のたわ言に対しても、福島県は、原発が放射性廃棄物を排出し、万が一の事故のとき環境に重大な影響を与えるのに、二酸化炭素の排出が少ない点のみを強調するのは妥当かと疑問を呈し、国際的な議論で、原子力は二酸化炭素削減の手法としては認められないことになったとずばり結論しています。
 先ごろ福島県を訪ねてみてわかったのですが、福島県と福島県議会は、プルサーマル白紙撤回なんです。凍結ではないんです。つまり計画が一時的にとまっているというのではなくて、なしになっている。今度プルサーマルをやろうとしたら、手続の一からやり直さなければならない。そういうことです。
 このように全国で最初にプルサーマルを承認した福島県が、現在ではそれを白紙撤回して、プルサーマルだけでなく、国の原子力長期計画、大綱にも正面から批判を行っています。
 さて、伊方原発のプルサーマル計画については、国の原子力安全保安院が一次審査で計画を承認しました。これについて、県はどのような見解ですか。
 私は、この審査は実にいいかげんなものだ、審査の名に値しないものだと考えています。審査といっても紙の上だけで、一例を申しますと、今、伊方原発では、高燃焼度燃料というて、燃焼度の高いウラン燃料を既に使っております。従来よりよく燃える燃料ですから原子炉への負担も大きく危険なので、私どもは反対しました。
 今度もしプルサーマルをやるようなことになれば、この高燃焼度燃料とプルサーマルを一緒にやるという日本全国はもちろん世界的にも初めてのことになると思いますが、そうなんですか、いかがですか。
 初めてのことをやるんですから、紙の上の審査だけで済ませていいはずがない。実験に実験を重ねて安全性を実証しなければなりません。そういうことが一次審査で当然指摘されるべきですが、どうなっていますか、お示しください。
 四国電力の申請書によると、MOX燃料は、当社の使用済み燃料を再処理したプルトニウムを使うとのことである。ところが、イギリス、フランスの再処理工場は、四国電力のものだけを処理しているわけではないから、よそのとまざる可能性があります。ところが、まざったからといってそれを検証することもできない。もしそうだとすると、それだけで申請を却下する理由となり、一次審査のいい加減さを証明することになるので、しっかりお答えいただきたい。
 次に、伊方原発でプルサーマルを実施した結果、使用済みMOX燃料はどこで処分するのか。六ヶ所村で再処理するめどは立っていないし、伊方発電所に保管するとしても、ふえ続ける使用済みMOX燃料は、500年もの間冷却し続けねばならない厄介なものです。テロや地震の危険も増大する。この使用済みMOX燃料をどのように扱うのか、答弁を求めます。
 また、原発運転の結果発生する膨大な高レベル放射性廃棄物をどこに保管するのか。現在、処分場を募集していますが、どこも応募いたしません。
 1988年に動力炉・核燃料開発事業団が選定した四国西部地域の処分場調査というのが、先ごろ公表されまして、本県今治市の山中に3カ所、南予と高知の県境付近の8カ所が適正地区として選ばれています。中でも菊間と大西、越智郡と北条、玉川と東予の境目が最適地とされています。こんなことでは困ります。
 県として、処分地公募をやめるよう国に働きかけるとともに、旧候補地が処分場とならないよう強力に主張する考えはありませんか。
 結論として、やはりこれだけ危険なプルサーマル計画は断念する以外にないと思います。プルサーマル中止を求める声に対して県はどう答えるか、答弁を求めます。

No.63 石川勝行県民環境部長
 佐々木議員にお答えいたします。
 伊方原発のプルサーマルについて、県は県民の不安、疑問、批判に答えていないと思うがどうかとのお尋ねでございました。
 プルサーマルに係る一義的な説明責任は、実施主体である四国電力及びエネルギー・原子力政策を所管する国にあると考えておりまして、県の要請により、これまでも四国電力主催の説明会や経済産業省主催のエネルギー講演会が開催されたところであります。
 また、県におきましても、伊方原子力発電所環境安全管理委員会等の議論をすべてオープンにし、県民への公開のもとで議論を進めるとともに、プルサーマル反対の申し入れに対しましても、その都度真摯に回答してきたところでございまして、御指摘のような県民の不安、疑問、批判に答えていないとは考えておりません。
 なお、国に対しましては、慎重な立場の人々も参加する公開討論会の開催を重ねて要請しているところでございます。
 次に、プルサーマル問題で、県の答弁は、国や四国電力の見解とどこが違うのか。例を挙げて説明されたいとの御質問でございました。
 プルサーマルについてのこれまでの議論は、伊方発電所に係る個別具体的な問題ではなく、プルサーマルに関する基本的な必要性や安全性に関するものでありまして、県としては、国の原子力政策は、安全確保と国民の理解が前提ではありますが、基本的に現実的かつ妥当なものと認識していること。また、基本的安全性については、伊方原子力発電所環境安全管理委員会から、国において安全設計が可能であることが確認されているとの審議結果報告がありましたことから、それを受けまして答弁を行ってきたもので、結果といたしまして、同じ見解となっているところでございます。
 次に、原子力安全保安院の一次審査結論に対する県の見解はどうかとのお尋ねでございました。
 原子力安全保安院の一次審査結果につきましては、10月26日開催の伊方原子力発電所環境安全管理委員会において国から説明を受けたところでありますが、県としての評価につきましては、国の二次審査の結果を待って検討することといたしております。
 なお、お話の高燃焼度燃料とMOX燃料の併用につきましては、既にベルギーにおいてステップ2と同等の燃焼度のウラン燃料との併用が許可されており、国の一次審査では、実証試験は行われていないものの、制御棒や硼素の効きがわずかに低下する、燃料間の出力の差が大きくなりやすい等の影響はありますが、MOX燃料の特性を適正に考慮した評価を行い、炉心の安全性を確認したと聞いております。
 次に、MOX燃料に四国電力以外のプルトニウムが混入するおそれはないのか。また、混入しても検証する方法がないのではないかとの御質問でございました。
 四国電力の申請書にありますプルトニウム取得計画の記載は、MOX燃料の製造に必要なプルトニウムの量が計画的に確保できるかどうかを説明したものであり、御指摘のとおり、現実の再処理工程では、他の原発の使用済み燃料が混入することは避けられないと考えております。
 このため、同じ申請書中の原子炉施設の安全設計に関する説明書におきましては、伊方以外のプルトニウムが混入することを前提に安全性の評価を行うとともに、国の一次審査におきましても、このことを踏まえ、安全性を審査、確認したと聞いております。
 次に、伊方原発でプルサーマルから排出される使用済みMOX燃料はどこで処分するのかとのお尋ねでございました。
 本年10月に策定されました原子力政策大綱では、使用済みMOX燃料は、再処理を基本方針としておりまして、その再処理のための施設につきましては、建設、操業が、六ヶ所再処理工場の操業終了に十分間に合う時期までに結論を得ることができるよう、2010年ごろから検討をされることとなっております。
 次に、高レベル放射性廃棄物の処分地公募をやめるよう国に働きかけるとともに、県内の旧候補地が処分場とならないよう強力に主張するよう考えてはどうかという御質問でございました。
 高レベル放射性廃棄物の処分につきましては、我が国が原子力発電を利用していく上で最重要課題の一つでございます。また、その事業は極めて長期にわたり、地元の理解と協力が必要不可欠でございますことから、公募方式により処分地選定が進められているものでありまして、県として国にやめるよう働きかけることは考えておりません。
 また、旧動燃が処分地適正地区を取りまとめた報告書につきましては、これまでにも再三、原子力発電環境整備機構や経済産業省に対し、今後の処分候補地の選定に当たって使用されることはないことを確認済みでありますので、改めて主張する必要はないと考えております。
 次に、プルサーマル中止を求める声に対して県はどう答えるのかとの質問でございました。
 伊方原発のプルサーマル計画につきましては、去る10月24日に、県の集計では総数6万9,413名、県内分としては、本県人口の約1.1%に当たります1万6,429名の方から中止を求める署名が提出されたところでありまして、このような反対意見があることは、真摯に受けとめているところでございます。
 このため、県といたしましては、四国電力の事前了解願に対しまして、県民の声を反映した誤りのない最終判断を下すことができるよう、引き続き四国電力や国に対して、慎重な立場の人も参加する公開討論会の開催等を強く要請し、県民がプルサーマル計画の是非を主体的に判断できる環境づくりに努めてまいりたいと考えております。

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