拙速に手軽な“解答”に至ったとしても、それは往々にして浅い理解にとどまり、そのことに自分でも気付かない……。
つまり、「ネガティブ・ケイパビリティ」の本質とは、“理解したつもり”という「思考停止状態」と戦うことにある。
私たちの現実は、「白か黒か」と二分できないことばかり。
それなのに簡単に白黒をつけてしまうのは、その「間」にあるものを見逃す、非常に表面的な思考である。
だから、その「間」を見つめるために、「答えのない事態」に耐えるネガティブ・ケイパビリティが大事。
:精神科医 帚木蓬生(ははきぎ・ほうせい)
新たな成長は“理解したつもり”という「思考停止状態」と戦うことから始まる。