元陸上競技選手の為末大氏が30日、自身のツイッターを更新。五輪への思いをつづった。
為末氏は2000年シドニー、04年アテネ、08年北京と3大会連続で五輪に出場した。
ツイッターで「初めてペルーに行った時に、オリンピアンだと自慢したらそもそもオリンピックを知らなかった。
アメリカに行ったらオリンピアンは尊敬されつつも、主なアスリートと言えば四大スポーツのプロアスリートを指していた。
オリンピックで染まった人生の前半だったけれど、誰にとっても重要なわけではなかった」とつづった。
さらに連続ツイートし「北京五輪で敗退し落ち込んでいる時、一緒に敗退した選手が競技場から帰りのバスの中で、明日一緒に万里の長城観に行かない?と話しかけてきた。
ああ、僕にとっては競技が人生そのものだったけれど、彼に取っては人生の一部が競技なんだなと感じた」と記した。
続けて「引退し外の世界の空気を吸って、自分がどれだけ五輪に没頭していたかよくわかった。
それは素晴らしい時間だったし幸福だった。
けれども、とても偏った価値観の世界でもあった。
五輪で活躍することが人生の全てだったしそう思っている人ばかりが周りにいた。
それを話してもわからない人とは距離ができた」とし、
連続ツイートで「表彰式に移動する最中にロイヤルボックスがちらりと見えたことがある。
太ったスーツを着た人たちが、シャンパンを飲みながら全力疾走する選手たちを眺めていた。
引退して招致のプロセスに少し関わり、同じような人たちと会うことも増えた。
私が勝ちたかった五輪の舞台は誰かの思惑で作られていた」とつづった。
最後に「五輪は素晴らしい。
けれどもそれが人生の全てではない。
世界は広く、人生は長い。
引退したあとたかが五輪と言われて怒っていたが、今はそう言われても笑いながらでも僕は好きだからと言えるようになった」と明かしていた。
為末大は、もしドラが流行った時にアスリートでありながらドラッカーの特集に出ていて、いいことを言っていたので気にしていた。
たまたま読んだ記事だが、人としての成長過程が分かりやすく記述されていて非常に参考になる。