「人間って、死ぬもんなんだよね……」

私が明日、死ぬとわかったら「自分にも相手にも優しくなる」
人間は、いつ死ぬかわからないんだ…みんなに優しくしよう。

心理学者の加藤諦三さんの「自分に気づく心理学」01

2013-03-11 01:28:00 | 日記
「自分に気づく心理学」p.112~ 【予定がずれると不機嫌になる人】

一時間予定と違った行動をしなくてはならなくなると、それだけでイライラして焦りがなおらないという人がいる。
一時間、いや三十分でもそうである。
時にはたった十分、五分のことで ものすごくイライラしたり怒ったりする人がいる。

三十分間休息するつもりだった。
一時間泳ぐつもりだった。
十分間素晴らしい景色をみる筈だった。
それらの予定がなにかで実現できなくなる時がある。
すると体全体が不愉快になってしまう。
たった五分出発が遅れたということで ものすごく不満になる。

…(略)…
…こういう人は たった五分のすごし方が間違っているから不満になった分けでもなく、たった一日のすごし方が間違っているから不愉快になったわけでもない。

こういう人は 人生全体のすごし方が基本的に間違っているのである。
車で旅行をしている時にたとえれば、路を間違ったというよりも方向を間違って走っているということである。

すべてことが自分の期待通りにいかないとイライラしてくるというのは、期待通りにいかなかったその時がおかしいからイライラするのではなく、全体がおかしいのである。


ロロ-メイが 自分の人生を書いている本がある。
彼は二十一歳の時 ギリシャにいって 英語の先生をはじめた。
その時 淋しさをはじめ、いろいろと心理的な問題をかかえた。

彼は淋しさを やわらげようと必死で働いた。
しかし働けば働くほど先生としてうまくいかなかった。
彼は 神経衰弱になる。

そのことは彼の人生全体の生き方が間違っていることを示していたと彼は書いている。
……something was wrong with my whole way of life.
どこかある部分が間違っているのではなく全体としての生き方が間違っているという時がある。
道を間違えて 十分遅れてしまった。
その時 焦ったり怒ったりする。
もし自分の恋人が運転していれば、その恋人に ひどくあたる。
時には たった十分のことで どなる。

それは 恋人が道を間違えたから どなっているのではない。
その人は 恋人が 間違えたことで 怒っていると思っている。
しかし そうではない。
その人の 生き方 全体が間違っているから その人は怒っているのである。

誰だって 路を間違えたくはないし、十分でも 遅れたくはない。
しかし そうなってしまえば そうなったで仕方ないと思う。
誰も 間違えようとして間違えているわけではない。
しかも その十分が決定的な十分というわけではない。
十分遅れたから 飛行機が飛びたってしまったというのではない。

たんに公園につくのが 十分遅れたというだけの話である。
そんな十分で 自分に近い人を どなりちらして、怒りがなかなかおさまらないというのは、怒りの 真の原因は「十分」ではない。

その十分は、心の中に抑えられていた怒りや 失望などの ひきがねになっただけである。
怒りの原因は 十分間だけの路の間違いではなく、 人生の目的や、考え方、感じ方の 間違いである。

しかし 怒っている本人は 自分の怒りや不満は 正当なものだと信じている。
相手が悪いと思っている。
…(略)…
一口で言えば この人は神経症である。
普通の人には 何でもないような ミスでも この人には許せないのである。

ミスが問題なのではなく、この人の 全体としての生き方が 問題なのである。


ロロ-メイは 自分の人生の生き方が 基本的に間違っていると思った時、新しい人生の目的を見つけようとした。
そして あまりにも堅苦しくものごとを考えるのを やめようとした。
規範意識が 肥大化してしまっている自分の存在を あらためようとした。

I had to find some new goals and purposes for my living and to relinquish my moralistic, somewhat rigid way of existence.

同じように、この人も言わなければならない。
…(略)…


【甘えの欲求を隠しているから不機嫌になる】

この神経症的欲求をかなえる ということは至難のわざである。
なぜなら これは ちょうど赤ん坊や幼稚園児の要求に等しいからである。

小さい子供なら うまくごまかせるということもある。しかし、大の大人は小さい子供ほどうまくごまかせないし、小さい子供ほど あやす方法がないからである。

ところが私はラジオで全国の奥さん方から人生相談の電話を受ける機会を持つようになって、世の奥さん方が、このご主人の 神経症的要求に いかに苦しめられているかを知って驚いた。

とにかく自分勝手なのである。

(つづく)



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