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経産省が電機メーカーをダメにした by ICT総研

2008年のリーマンショックに端を発したグローバルなリセッションは、あまねく業界に大きな傷跡を残した。ここでは電機業界についてふれたい。

日立、パナ、ソニー……。これを救ったのが、経産省のエコポイントだ。企業によっては、救世主にみえたと思う。今だから断言できるが、これは間違いだ。

人は渦中にあっては、本当の価値評価を下すことは不可能に近いのだと思う。歴史を研究し、学ぶ大きな意義の一つはここにある。

リーマンショックが過去になった今、改めて教訓を考えてみたい。

確かにエコポイントは特需をつくりだした。一方で、電機メーカーを盲目にし、構造改革を遅らせる要因になった。IBMなどのグローバル企業は、いち早くリストラを断行し強靭な企業体質をつくりあげた。

官は需要をつくりだすことはできない。できるのは、需要の先食いといったタイミングを操ることだけだ。

世界経済がリーマンショックから立ち直った後、正対したグローバル企業はスムーズに上昇気流にのった。

一方で、国内電機メーカーは苦境にあえぎ、遅ればせながらリストラに着手した。真のグローバル企業との格差がどうしようもないほど広がった。個別企業の責任も極めて重いのは、いうまでもない。

リーマンショックの前と後では、消費者行動、需要供給のメカニズム、そして世の中の見え方が大きく変わってしまったのではないかと考えている。だからこそ、リーマンショックが過ぎ去ってだいぶたつのに元の地点にさえ戻れない企業が散見される。

明らかにゲームのルールが変わった。洞察力をもって変化に適合し続ける企業が、好調を維持している。

グローバリゼーションは効率化という点で、中途半端な企業の存続を許さない。
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