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シリコンバレーという土地の優位性 by ICT総研

UC Berkeleyの情報学大学院長であるアナリー・サクセニアンは、シリコンバレーの優位性を次のように分析している。

● 資本市場:VCがリスクマネーを旺盛に提供する。
● 水平分業体制:新興企業が得意分野に特化し、CPU、OS、周辺機器を手分けして開発する。いわゆるネットワーク型の製品開発。
● 民間企業のR&Dに対する政府の巨額援助(政府)
● カリフォルニア州政府による大学への資金援助(政府)
● 労働市場の流動性の高さ:テクノロジー、スキル、ノウハウの伝播が容易になる。
● 移民の積極的な受け入れ(政府):グローバルで優秀な人材を獲得できる。そして、台湾、イスラエル、中国、インドに戻ったエンジニアたちがシリコンバレーの企業と協力する。

これらの要因が複合的に重なり合って、シリコンバレーという土地が優位性を発揮している。

6要因のうち3つまでが、政府によるものである。サプライズといってよい。

アメリカは、リセッションでひどい状況だが、リカバリーの起点はやはりシリコンバレーだという。
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IBCSのスイートスポット

日本IBMがIBMビジネスコンサルティングサービス(IBCS)を2010年4月1日付けで統合すると発表した。

結局、ビジネスの変化するスピードがこのような形を求めたのだろう。かといって利益相反の問題がなくなるわけではない。プライオリティ的に後退しただけだ。

ワールドワイドでは、すでにPWCコンサルティング部門はIBMのグローバルビジネスサービス部門になっていた。

日本だけイレギュラーな形だったのを是正したともいえる。

PWCコンサルティング日本法人の買収当時の社長が、IBMから転出した倉重氏であったこともひとつの要因だったと思う。

先輩に敬意を表したともとれる。それぐらいの礼儀をHQに主張する力を当時の日本IBMはもっていた。

時間は流れたけれど、IBCSは収まるところに収まった感がある。

IBCSというと、新聞の一面広告を思い出す。PWCコンサルティングがMondayという社名に変更して、まさに活動を開始しようとしていた。

2002年の夏だ。

その広告にのっていたポエムが印象に残っている。たしか、こんなだった。

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早起きする

感覚を研ぎ澄ます

ひらめきを大切にする

出会いを期待する

核心をみつける

驚きをあたえる

ぐっすり眠る

新しい明日を始める

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これは、コンサルティング会社の一日の仕事のメタファーでもある。朝をテーマとしたポエムとしては、谷川俊太郎の「朝のリレー」に匹敵するほどいい。

結局、IBMに買収されてIBCSになり、この話はなかったことになるのだけれど。

IBCSの発表を読んでいて、そんな回想にひたっていた。
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