ひめじょん

　毒が吐きたい。

　たまに、こういう感覚に襲われる。

　マイナスエネルギーがたまるというか、暗黒面に陥りそうになるというか、とにかく口から「プー、プー」と音を出す自分が居る。
　
　原因ははっきりしている。

　わたしの価値観とすれ違う人に出会ったときだ。
　
　大概の場合は「そういう考え方をする人もいはるんやなぁ、そやけど、わたしはそうは思わへんもん。」と受け流せることが多い。
　顔で笑って「こんな価値観しかお持ちやないなんて、お気の毒さん。」と心の中で憐れんだりもできる。

　でも、たまに「お気の毒さん」と思えるまでに時間がかかると、毒が吐きたくなるんだな。
　だれか（わたしと共通の価値観のある人）に、一緒になって「お気の毒さん」と思ってもらいたくなるんだな。

　わたしの毒吐きに付き合ってくれそうな人は、こちらではつれあいぐらいしかいない。
　仕事で疲れてるつれあいに毒を吐くのは少々ためらわれたが、小出しならいいかなと聞いてもらった。おかげで、ちょっと楽になった気がする。