(C)Yellow Bird Millennium Rights AB, Nordisk Film, Sveriges Television AB, Film I Vast 2009
今回の記事は『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』(2009年、監督:ニールス・アルデン・オプレヴ)です。
世界的ベストセラーとなったスティーグ・ラーソンの傑作ミステリー『ミレニアム』3部作の映画化第1弾。
緻密に伏線が張られスリリングに展開していく巧みな物語は重厚で見ごたえたっぷり。
かつてない個性的なヒロインを演じているノオミ・ラパスにも注目大!
■内容紹介 ※goo映画より
敏腕ジャーナリストとして鳴らしたミカエル・ブルムクヴィストは、大物実業家のスキャンダルを暴いたばかりに名誉棄損で有罪判決を受けてしまう。
そんな矢先、40年前の少女失踪事件の真相解明を大企業グループの重鎮ヘンリック・ヴァンゲルから依頼される。
早速、ヴァンゲル一族の住む孤島で調査を開始したミカエルのもとに、天才ハッカーにしてパンキッシュな出で立ちの若い女リスベットが貴重な情報を持って訪れる。
彼女だけが知っている
■感想
2010年、劇場鑑賞1作目。
内容はそうとうに重厚な本格ミステリーでした。
それもそのはず、この映画の原作は故スティーグ・ラーソンの世界的ベストセラーとなった「ミレニアム」シリーズです。
作者の急死後、2100万部を突破して社会現象にまでなった伝説的ミステリーです。
21ミリオン(こんな言い方はしない?)です。すごすぎる!
国内のミステリー賞でもそうそうたる賞を独占。
・週刊文春ミステリーベスト10:第1位
・このミステリーが読みたい!(早川書房):第1位
・このミステリーがすごい!:第2位
こいつはすごい!
これは期待せずにはいられない。
映画を観て率直に感じた印象は、古風かつ重厚。
『シャイニング』(1980年)を観た時に感じたような、少し古風だけど重厚な演出を随所に感じた。
こいつは濃い!
また、緻密に伏線が張り巡らされ、徐々に真相へと迫る展開はスリリングで目が離せません。
ただ1点。
旧約聖書の引用を絡めた謎解きには若干馴染めなかった。
これは海外ミステリ作品だとわりとよく使われる手法なのですが、日本人にはあまりピンとこないような気がする。
登場人物もなかなか良かった。
主人公のジャーナリスト、ミカエルを演じたのはミカエル・ニクヴィスト。
(役名と名前が一緒だ)
頑固者でも激情的でもない、何と言ってよいか少しわからない、けど不思議な魅力を纏った主人公を演じています。
かなり人が良く、込み入った事情などは詮索せず、偏見も持たない彼は、なかなかの癒し系中年かもしれない。
けど、今作でミカエル以上に存在感を放っていたのが、異色のヒロイン、リスベットを演じたノオミ・ラパス。
小柄で細身な体格ながら全身黒ずくめでピアスだらけの風貌。そんなパンクな出で立ちがとにかくインパクト大。
そんな彼女は天才ハッカーであり超優秀な推理力を発揮。
かつてないほどアウトローなヒロインをクールに演じています。
映画で描かれる描写には、かなり凄惨かつエロくてエグいものがけっこうある。
出てくる男どもがまた最悪すぎて酷い。
リスベットに性的強要をしてくる後見人、人として最悪過ぎ。
その後見人に対するリスベットの反撃がまたエグい。「うわぁ~」って思ってしまった。
これはR15+制限がされているのも納得かも。
とてもじゃないけど中学生以下には見せられない。
映画で描かれるとても重厚で緻密な物語は見ごたえたっぷり。
きっと本格ミステリとして破格に面白いに違いない。
けれど、もう少しエンタメ要素があった方が僕としては好みだなという感想も正直あります。
(こういう本格作品にエンタメ要素を求めるのは間違っているかもしれない)
好き嫌いが別れそうな映画だと思います。
『ダ・ヴィンチ・コード』シリーズが面白かったと感じた方はこの作品もきっと気に入ると思う。
ちなみにこの映画、エンドロールの後に次回作の特報があります。
見たい方は最後まで席を立たないように。
映画データ | |
---|---|
題名 | ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女 |
製作年/製作国 | 2009年/スウェーデン=デンマーク=ドイツ |
ジャンル | ミステリー/サスペンス |
監督 | ニールス・アルデン・オプレヴ |
出演者 | ミカエル・ニクヴィスト ノオミ・ラパス スヴェン=ベルティル・タウベ イングヴァル・ヒルドヴァル レナ・エンドレ ステファン・サウク ビヨルン・グラナート ペーター・ハーバー マーリカ・ラーゲルクランツ グンネル・リンドブロム エヴァ・フレーリング ゲスタ・ブレデフォルト ミカリス・コウトソグイアナキス トマス・ケーラー ヤコブ・エリクソン、他 |
メモ・特記 | R15+指定 原作:スティーグ・ラーソン |
おすすめ度 | ★★★☆ |
■Link
+⇒公式HP(Japanese)
+ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女 - goo 映画
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