今回の記事は『アメリカン・グラフィティ』(1973年、監督:ジョージ・ルーカス)です。
懐メロ青春群像劇の原点とも言われる青春映画の金字塔。
ハイスクールを卒業し、ひとつの岐路へと立つ若者たちの最後の一夜を、当時のヒットナンバーにのせ軽やかに描く。
監督はあの“スター・ウォーズ”シリーズのジョージ・ルーカス、製作は映画界の超巨匠フランシス・F・コッポラ、さらに主人公の親友役としてロン・ハワードが出演しているという現在では絶対に叶わない豪華な布陣は大注目です。
第2回午前十時の映画祭上映作品。
■内容紹介 ※午前十時の映画祭ウェブサイトより
カリフォルニアの小さな町。若者4人がそれぞれの愛車に乗り、いつもの溜まり場に集う。
高校を卒業して東部の大学へと進学するカート(R・ドレイファス)とスティーヴ(R・ハワード)は、町を去る前にいつもの仲間たちと最後の夜を明かそうというのだった。
4人それぞれの夜が語られ、そして、決意の朝がやってくる。
俺たちの青春がここにある!
■感想
ジョージ・ルーカスというとスターウォーズシリーズの監督という大看板を持っていますが、この映画はそのスターウォーズが製作される前に撮られた映画であり、ルーカス監督の商業向け映画作品の2作目だという。
ジョージ・ルーカスにはSF作品やアドベンチャー作など派手な作品の印象が強いので、この作品のようなやや地味に抑え気味に描かれている青春群像劇には驚きを感じます。
この映画は懐メロ青春群像モノの原点とも言われる作品です。
その当時のヒット曲に乗せて青春時代のエピソードを描くといった作品体系の元祖というわけで、その後の青春映画に多大な影響を与えたと言われています。
映画の注目点としては、今や監督として有名になっているロン・ハワードや、若かりし頃のリチャード・ドレイファスが主演している点でしょうか。
主演じゃないので彼らに比べるとグッと出演時間は短いけれど、若かりし頃のハリソン・フォードが出演している点にもぜひ注目して観てもらいたい。カウボーイハット姿でジョン・ミルナーにスピードレースを挑んでやっちまった彼です。
製作もフランシス・F・コッポラだったんですね。何とも豪華なビッグネームが連なる映画だ。これは凄い。
さて、映画で描かれているのは、1962年のアメリカの田舎町を舞台に、高校を卒業した若者たちが大学進学などそれぞれの進路へと向かう前の最後の一夜の物語を当時のヒットナンバーにのせ陽気に描いています。
脚本は青春群像劇の王道を地で行く内容で、タイトル通りに落書き(グラフィティ)のように主人公達4人の高校最後の一夜が散りばめられている。
今の青春群像ドラマの定番は、“繊細な”という形容詞がつく若者の内面を描いたものが多いけれど、この映画では悪ぶりたい年頃の無鉄砲な若者たちのドラマが豪快に描かれている。
シナリオに対する捻りというものは薄い。当時を懐かしむことができるのであればきっと心地よい気持ちに浸れるには違いないのだけれど、懐かしさに浸れない人には共感しずらく退屈に感じてしまう内容かもしれない。
『スタンド・バイ・ミー』など少年時代のエピソードには、世代を問わず誰しもが共感できる所がきっとあるのだと思う。けれど高校生(17~18歳代)ともなると、世代や性別(さらには国柄)が違ってしまうと、だいぶ自分とは異なる時代の物語に感じてしまいそうだ。僕も残念ながらこの映画では懐かしいという気持ちにはなれなかった。
名作であることは間違いないのだけれど、観る世代を選ぶ映画なのかもしれない。
4人の主人公の中で一番好きになったのは、チャーリー・マーティン・スミスが演じたテリーです。
何というか彼が4人の中で一番愛すべき人柄に思えた。
テリーは冴えない外見で体型も小っちゃい。(女の子と並んだ時は彼の方が身長が低い)
一人だけ車を持ってなく、強がってはいるけれど性格も気弱。
しかも彼の最後の一夜は不運に次ぐ不運という始末。友人に借りた車は盗まれ、酒を買おうと四苦八苦した挙句に悪酔いし吐きまくり、車を盗んだ不良達に絡まれる…。
「ちょっ、やめてあげて!」と思うぐらい可哀想である。
とにかく情けないのだけれど、たとえ失望したとしてもどこか嫌いにはならない魅力というものをテリーはもっている。
だからデビー(キャンディ・クラーク)が何だかんだで最後までテリーに付き合ってくれたことは嬉しく感じてしまいます。
ちなみにテリーは、エンドロールの前にテロップされる卒業後の将来で、一番過酷な運命が待っていることが明かされます。(テリーには幸せになって欲しかった)
主役の位置的には4人の主人公のうち、4人目という末席の扱いなのだろうけれど、正直、カートやスティーブよりもテリーの方がよほど良い。
あ、ジョン・ミルナー(ポール・ル・マット)はかっこ良かったので好きです。
↓予告編・字幕なしオリジナル版
(★は最高で5つです。★:1pt, ☆:0.5pt)
■Link
+⇒公式HP(Japanese)※午前十時の映画祭特設ページです。
+⇒アメリカン・グラフィティ - goo 映画
+⇒第2回午前十時の映画祭レビュー記事一覧
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懐メロ青春群像劇の原点とも言われる青春映画の金字塔。
ハイスクールを卒業し、ひとつの岐路へと立つ若者たちの最後の一夜を、当時のヒットナンバーにのせ軽やかに描く。
監督はあの“スター・ウォーズ”シリーズのジョージ・ルーカス、製作は映画界の超巨匠フランシス・F・コッポラ、さらに主人公の親友役としてロン・ハワードが出演しているという現在では絶対に叶わない豪華な布陣は大注目です。
第2回午前十時の映画祭上映作品。
■内容紹介 ※午前十時の映画祭ウェブサイトより
カリフォルニアの小さな町。若者4人がそれぞれの愛車に乗り、いつもの溜まり場に集う。
高校を卒業して東部の大学へと進学するカート(R・ドレイファス)とスティーヴ(R・ハワード)は、町を去る前にいつもの仲間たちと最後の夜を明かそうというのだった。
4人それぞれの夜が語られ、そして、決意の朝がやってくる。
俺たちの青春がここにある!
■感想
ジョージ・ルーカスというとスターウォーズシリーズの監督という大看板を持っていますが、この映画はそのスターウォーズが製作される前に撮られた映画であり、ルーカス監督の商業向け映画作品の2作目だという。
ジョージ・ルーカスにはSF作品やアドベンチャー作など派手な作品の印象が強いので、この作品のようなやや地味に抑え気味に描かれている青春群像劇には驚きを感じます。
この映画は懐メロ青春群像モノの原点とも言われる作品です。
その当時のヒット曲に乗せて青春時代のエピソードを描くといった作品体系の元祖というわけで、その後の青春映画に多大な影響を与えたと言われています。
映画の注目点としては、今や監督として有名になっているロン・ハワードや、若かりし頃のリチャード・ドレイファスが主演している点でしょうか。
主演じゃないので彼らに比べるとグッと出演時間は短いけれど、若かりし頃のハリソン・フォードが出演している点にもぜひ注目して観てもらいたい。カウボーイハット姿でジョン・ミルナーにスピードレースを挑んでやっちまった彼です。
製作もフランシス・F・コッポラだったんですね。何とも豪華なビッグネームが連なる映画だ。これは凄い。
さて、映画で描かれているのは、1962年のアメリカの田舎町を舞台に、高校を卒業した若者たちが大学進学などそれぞれの進路へと向かう前の最後の一夜の物語を当時のヒットナンバーにのせ陽気に描いています。
脚本は青春群像劇の王道を地で行く内容で、タイトル通りに落書き(グラフィティ)のように主人公達4人の高校最後の一夜が散りばめられている。
今の青春群像ドラマの定番は、“繊細な”という形容詞がつく若者の内面を描いたものが多いけれど、この映画では悪ぶりたい年頃の無鉄砲な若者たちのドラマが豪快に描かれている。
シナリオに対する捻りというものは薄い。当時を懐かしむことができるのであればきっと心地よい気持ちに浸れるには違いないのだけれど、懐かしさに浸れない人には共感しずらく退屈に感じてしまう内容かもしれない。
『スタンド・バイ・ミー』など少年時代のエピソードには、世代を問わず誰しもが共感できる所がきっとあるのだと思う。けれど高校生(17~18歳代)ともなると、世代や性別(さらには国柄)が違ってしまうと、だいぶ自分とは異なる時代の物語に感じてしまいそうだ。僕も残念ながらこの映画では懐かしいという気持ちにはなれなかった。
名作であることは間違いないのだけれど、観る世代を選ぶ映画なのかもしれない。
4人の主人公の中で一番好きになったのは、チャーリー・マーティン・スミスが演じたテリーです。
何というか彼が4人の中で一番愛すべき人柄に思えた。
テリーは冴えない外見で体型も小っちゃい。(女の子と並んだ時は彼の方が身長が低い)
一人だけ車を持ってなく、強がってはいるけれど性格も気弱。
しかも彼の最後の一夜は不運に次ぐ不運という始末。友人に借りた車は盗まれ、酒を買おうと四苦八苦した挙句に悪酔いし吐きまくり、車を盗んだ不良達に絡まれる…。
「ちょっ、やめてあげて!」と思うぐらい可哀想である。
とにかく情けないのだけれど、たとえ失望したとしてもどこか嫌いにはならない魅力というものをテリーはもっている。
だからデビー(キャンディ・クラーク)が何だかんだで最後までテリーに付き合ってくれたことは嬉しく感じてしまいます。
ちなみにテリーは、エンドロールの前にテロップされる卒業後の将来で、一番過酷な運命が待っていることが明かされます。(テリーには幸せになって欲しかった)
主役の位置的には4人の主人公のうち、4人目という末席の扱いなのだろうけれど、正直、カートやスティーブよりもテリーの方がよほど良い。
あ、ジョン・ミルナー(ポール・ル・マット)はかっこ良かったので好きです。
↓予告編・字幕なしオリジナル版
映画データ | |
---|---|
題名 | アメリカン・グラフィティ |
製作年/製作国 | 1973年/アメリカ |
ジャンル | 青春/音楽 |
監督 | ジョージ・ルーカス |
出演者 | リチャード・ドレイファス ロン・ハワード ポール・ル・マット チャーリー・マーティン・スミス キャンディ・クラーク シンディ・ウィリアムズ ウルフマン・ジャック ボー・ホプキンス ハリソン・フォード ケイ・レンツ マッケンジー・フィリップス キャスリーン・クインラン スザンヌ・ソマーズ、他 |
メモ・特記 | 第2回午前十時の映画祭上映作品 PG12指定 製作:フランシス・フォード・コッポラ ゴールデン・グローブ:作品賞(コメディ/ミュージカル)・有望若手男優賞(P・L・マット)受賞 全米批評家協会賞:脚本賞受賞 NY批評家協会賞:脚本賞受賞 |
おすすめ度 | ★★★☆ |
■Link
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