今回の記事は『大いなる西部』(1958年、監督:ウィリアム・ワイラー)です。
ハリウッド映画界の巨匠ウィリアム・ワイラー監督が手がけた大作西部劇で二家の抗争を中心に詩情豊かに大いなる西部を描いた名作。
主演のグレゴリー・ペック、共演にまだ若き日のチャールトン・ヘストン。二人の男くささ全開の演技に注目!
第2回午前十時の映画祭上映作品。
■内容紹介 ※午前十時の映画祭ウェブサイトより
婚約者のパトリシアを訪ねるために東部から西部にやってきたジェームズ(G・ペック)は、荒くれ者が集う西部には似つかわしくない非暴力主義の紳士的な青年。
ジェームズがパトリシアの実家であるテリル家につくと、パトリシアに恋するスティーブ(C・ヘストン)の敵意の目が向けられる。
さらに、水源の土地を巡る大騒動が巻き起こり、ジェームズは否応なくそれに巻き込まれてしまう。
偉大な戦い! 壮大な愛!
大いなる西部の物語!
■感想
第2回午前十時の映画祭西部劇シリーズのラストバッター。
4作続いた西部劇レビューも今回でいったんひと区切りです。
今作『大いなる西部』で主役のジム(=ジェームズ)を演じているのはグレゴリー・ペック。
どこかで見た顔だと思っていたら、『ナバロンの要塞』で主役の大尉を演じていた人だった。
この人はホントに人間として器の大きい紳士な役がよく似合います。
また野性味たっぷりの牧童頭リーチ(=スティーブ)を演じているのはチャールトン・ヘストン。
アカデミー賞歴代最多の11部門を受賞している『ベン・ハー』で主役のジュダを演じていた人です。
『大いなる西部』ではあまり印象の良くない役ではありますが、強烈な男臭さがグレゴリー・ペックに負けないぐらいのインパクトを残します。
監督のウィリアム・ワイラーは『ローマの休日』(グレゴリー・ペックはアン王女の相手役となるジョーを演じています)や『ベン・ハー』の監督です。
こうした作品外での映画の繋がりを見てみるとちょっと面白い。
少しずつだけど名作と言われる作品に監督・俳優を通してリンクが貼られていくのは嬉しいものだ。
さて映画の感想を。
当作品はタイトル(と言っても邦題ですが)が示している通り西部劇もの。
対決がメインの殺伐としたアクションものではなく、『シェーン』と同様のどこか穏やかなイメージが感じられる大作ドラマです。
主人公のジムは心優しくそれでいて勇敢なる紳士。
紳士という点がポイントで従来の西部劇モノの主人公たちとはやや一線を画した主人公像かもしれない。
ジムは落ち着いた大人な印象があってかっこ良かった。
基本的には自分自身の能力や勇敢さを誇示するということを極端に嫌う性格で、自身の達成したことを内に留めて誰にも話さない。それに加えて争いごとを嫌い避けて通るため他人からはとんだ腰抜け野郎に見えてしまい、婚約者のパット(パトリシア=キャロル・ベイカー)には誤解を与えてしまう。
まぁ確かに突然2日間も勝手に家を空け、パトリシアに本気で心配をさせた挙句に留守にしていた理由を一切話さず、リーチには侮辱されるがまま気にする素振りを見せやしない。
何という器の大きさだと関心してしまうという点もあるにはあるが、失意を募らせていくパトリシアの気持ちも分かるような気もする。
大好きな人や尊敬する人が侮辱されるのを見ることはけっこう辛いことなのだ。
とは言ってもこの二人、やっぱり合わないのかなーとも。
人は自分にないものを持った人に惹かれるとは言うけれど、プライドが高く勝気で顕示欲のあるパトリシアと、名誉なことでも人目につくことを嫌うジムだと正反対過ぎるのかもしれない。
(何だか西部劇の感想を書いているとは全く思えない感じのレビューになってる…)。
悪人ぽい印象だけど意外と理性的で筋が通っているヘネシー一家のボスが妙に魅力的だった。
こういう自分なりの信念を強く持った人はやはりかっこいい。
あまりにも情けなくどうしようもない息子なんだけれど親心としてはやはり愛情があったんだなぁーと感じるシーンが後半にあり切なくなった。
テリル家の長、パトリシアの父親である少佐はどうにも偽善者に見えて仕方なかったのですが、最後に一人で対決に向かう勇敢さがあったり、それに部下がついて来たりと、ひとかどのカリスマ性があったんだなぁーと。
ヘネシーとテリルとの抗争の結末はシンミリするものがあった。
終盤戦の人間ドラマの数々はなかなか見ごたえがあり心に沁みます。
テーマ曲もとても有名でCMやテレビ番組に使われたこともあるのでどこかで聴いたことがあるかも。
興味ある方はぜひご一聴下さい。
↓The Big Country Theme
↓貼り残しIMG
⇒img1(グレゴリー・ペックとジーン・シモンズ)
(★は最高で5つです。★:1pt, ☆:0.5pt)
■Link
+⇒公式HP(Japanese)※午前十時の映画祭特設ページです。
+⇒大いなる西部 - goo 映画
+⇒第2回午前十時の映画祭レビュー記事一覧
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ハリウッド映画界の巨匠ウィリアム・ワイラー監督が手がけた大作西部劇で二家の抗争を中心に詩情豊かに大いなる西部を描いた名作。
主演のグレゴリー・ペック、共演にまだ若き日のチャールトン・ヘストン。二人の男くささ全開の演技に注目!
第2回午前十時の映画祭上映作品。
■内容紹介 ※午前十時の映画祭ウェブサイトより
婚約者のパトリシアを訪ねるために東部から西部にやってきたジェームズ(G・ペック)は、荒くれ者が集う西部には似つかわしくない非暴力主義の紳士的な青年。
ジェームズがパトリシアの実家であるテリル家につくと、パトリシアに恋するスティーブ(C・ヘストン)の敵意の目が向けられる。
さらに、水源の土地を巡る大騒動が巻き起こり、ジェームズは否応なくそれに巻き込まれてしまう。
偉大な戦い! 壮大な愛!
大いなる西部の物語!
■感想
第2回午前十時の映画祭西部劇シリーズのラストバッター。
4作続いた西部劇レビューも今回でいったんひと区切りです。
今作『大いなる西部』で主役のジム(=ジェームズ)を演じているのはグレゴリー・ペック。
どこかで見た顔だと思っていたら、『ナバロンの要塞』で主役の大尉を演じていた人だった。
この人はホントに人間として器の大きい紳士な役がよく似合います。
また野性味たっぷりの牧童頭リーチ(=スティーブ)を演じているのはチャールトン・ヘストン。
アカデミー賞歴代最多の11部門を受賞している『ベン・ハー』で主役のジュダを演じていた人です。
『大いなる西部』ではあまり印象の良くない役ではありますが、強烈な男臭さがグレゴリー・ペックに負けないぐらいのインパクトを残します。
監督のウィリアム・ワイラーは『ローマの休日』(グレゴリー・ペックはアン王女の相手役となるジョーを演じています)や『ベン・ハー』の監督です。
こうした作品外での映画の繋がりを見てみるとちょっと面白い。
少しずつだけど名作と言われる作品に監督・俳優を通してリンクが貼られていくのは嬉しいものだ。
さて映画の感想を。
当作品はタイトル(と言っても邦題ですが)が示している通り西部劇もの。
対決がメインの殺伐としたアクションものではなく、『シェーン』と同様のどこか穏やかなイメージが感じられる大作ドラマです。
主人公のジムは心優しくそれでいて勇敢なる紳士。
紳士という点がポイントで従来の西部劇モノの主人公たちとはやや一線を画した主人公像かもしれない。
ジムは落ち着いた大人な印象があってかっこ良かった。
基本的には自分自身の能力や勇敢さを誇示するということを極端に嫌う性格で、自身の達成したことを内に留めて誰にも話さない。それに加えて争いごとを嫌い避けて通るため他人からはとんだ腰抜け野郎に見えてしまい、婚約者のパット(パトリシア=キャロル・ベイカー)には誤解を与えてしまう。
まぁ確かに突然2日間も勝手に家を空け、パトリシアに本気で心配をさせた挙句に留守にしていた理由を一切話さず、リーチには侮辱されるがまま気にする素振りを見せやしない。
何という器の大きさだと関心してしまうという点もあるにはあるが、失意を募らせていくパトリシアの気持ちも分かるような気もする。
大好きな人や尊敬する人が侮辱されるのを見ることはけっこう辛いことなのだ。
とは言ってもこの二人、やっぱり合わないのかなーとも。
人は自分にないものを持った人に惹かれるとは言うけれど、プライドが高く勝気で顕示欲のあるパトリシアと、名誉なことでも人目につくことを嫌うジムだと正反対過ぎるのかもしれない。
(何だか西部劇の感想を書いているとは全く思えない感じのレビューになってる…)。
悪人ぽい印象だけど意外と理性的で筋が通っているヘネシー一家のボスが妙に魅力的だった。
こういう自分なりの信念を強く持った人はやはりかっこいい。
あまりにも情けなくどうしようもない息子なんだけれど親心としてはやはり愛情があったんだなぁーと感じるシーンが後半にあり切なくなった。
テリル家の長、パトリシアの父親である少佐はどうにも偽善者に見えて仕方なかったのですが、最後に一人で対決に向かう勇敢さがあったり、それに部下がついて来たりと、ひとかどのカリスマ性があったんだなぁーと。
ヘネシーとテリルとの抗争の結末はシンミリするものがあった。
終盤戦の人間ドラマの数々はなかなか見ごたえがあり心に沁みます。
テーマ曲もとても有名でCMやテレビ番組に使われたこともあるのでどこかで聴いたことがあるかも。
興味ある方はぜひご一聴下さい。
↓The Big Country Theme
↓貼り残しIMG
⇒img1(グレゴリー・ペックとジーン・シモンズ)
映画データ | |
---|---|
題名 | 大いなる西部 |
製作年/製作国 | 1958年/アメリカ |
ジャンル | ドラマ/西部劇 |
監督 | ウィリアム・ワイラー |
出演者 | グレゴリー・ペック チャールトン・ヘストン ジーン・シモンズ キャロル・ベイカー バール・アイヴス チャールズ・ビックフォード チャック・コナーズ アルフォンソ・ベドヤ、他 |
メモ・特記 | 第2回午前十時の映画祭上映作品 原作:ドナルド・ハミルトン アカデミー賞:助演男優賞(B・アイヴス)受賞 ゴールデン・グローブ:助演男優賞(B・アイヴス)受賞 |
おすすめ度 | ★★★★ |
■Link
+⇒公式HP(Japanese)※午前十時の映画祭特設ページです。
+⇒大いなる西部 - goo 映画
+⇒第2回午前十時の映画祭レビュー記事一覧
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完全に感情移入できる登場人物はいなかったんですが、見ごたえある作品でした。
音楽も壮大で素晴らしかったです!
大いなる西部は見ごたえのあるドラマでした。
主人公のジムは好き嫌いがありそうな感じがします。
器の大きさは確かにすごいけど、少々謙虚過ぎかなぁという印象もありますね。