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鼻緒匠 はな壱 ~鼻緒職人の世界~

全国的に鼻緒を作る職人の数は減少の一途を辿っています。鼻緒職人の仕事内容や鼻緒についてなどをブログに載せていきます。

鼻緒匠はな壱 感謝祭 スプリングセール2017

2017年04月21日 13時34分26秒 | コスメ・ファッション
毎年、定期的に開催しております「鼻緒匠はな壱 スプリングセール2017」のお知らせです。

本セールはお取引をいただいております各社様に対し、日頃の感謝を込めて弊社が毎年定期的に開催しているもので、格安にて鼻緒をご提供させていただいております。









今回も三越本天を使った福林タイプをご用意しました。
ほんの一部ですが画像をUPしました。
いかがでしょうか!?
画像からもクオリティーや質感が伝わるのではないでしょうか。

このような機会を年に数回開催しております。
ご提供価格や足数などご遠慮なく弊社へお問い合わせ下さいませ。


東京都足立区関原3-8-7
鼻緒匠 はな壱
03-3880-1584
suchanz@crocus.ocn.ne.jp




手織り佐賀錦 二石鼻緒 製造過程 特別注文

2017年02月13日 16時05分51秒 | コスメ・ファッション
今日は手織り佐賀錦生地を「内玉二石鼻緒」に仕立てるまでを写真でご紹介したいと思います。二石鼻緒とは2本重ねて鼻緒を形作っているものを言います。つまり4本で1足が出来上がる、とても贅沢な鼻緒なのです。

実はこの佐賀錦生地、なんとなんと弊社ブログをご覧になったお客様が趣味で織られた代物なんです。とてもキレイに織られていると思います。まさにプロ顔負けですね。私は鼻緒職人になって今年で23年目になります。このような経験は初めてで、とっても緊張しますがいつもの平常心で鼻緒作りをしたいと思います


① 裁断



まずは佐賀錦生地を裁断します。オンリーワンの生地を裁断するときは絶対に失敗が許されないので本当に緊張します。裁ち包丁をよく研いで裁断に集中です!
今回の二石鼻緒には重なる上の段の内側に通称「玉」と呼ばれる幅3mmのレール状のパーツを取り付けました。この鼻緒の名称を弊社では「内玉二石鼻緒」と呼んでいます。



無地に裁断終わりました


② 前坪の縫製



弊社では前坪の縫製を手縫いではなくミシンで縫製しています。ミシンで縫製した方が曲がらずキレイに仕上がります。弊社では30年程前から手縫いはしていません。



ナイロン製の麻ひもを通して前坪の完成です。


③ 佐賀錦生地(上の段)縫製



上の写真はレール状の「玉」を縫製しているところです。幅が3mmと狭いため難しい縫製作業の一つです。縫製作業を数回繰り返し、筒状のものを4本作ります。


④ 引き通し



縫製作業が終わった筒状の中にナイロン製の麻ひもや厚紙などを入れます。この作業を弊社では「引き通し」と言ってます。中に入れる材料や硬さ等によって鼻緒の手触りや履き心地が決まります。とても経験のいる作業です。



4本すべての引き通しが終わりました。こうなると鼻緒らしくなってきます。


⑤ 坪付け



上の写真のように2本重ねて前坪を縫い付けます。弊社ではこの作業を「坪付け」と言ってます。坪付けの糸が目立たないように、前坪と同系色の糸で坪付け作業をしています。



前坪は履いていて一番緩む箇所です。坪付けはきつめに付けなくてはなりません!地味な作業ですが熟練を要する作業です。


⑥ 根留め



この作業は二石鼻緒のみの作業です。2本重ねているので両端がバラバラになってしまいます。そのため1足あたり4か所を糸で縛って留めます。この作業が「根留め」です。


⑦ 仕上げ



いよいよ仕上げの作業です。前坪を付けたところを金属の棒に引っ掛けて曲げます。曲げる角度や力加減がとっても重要です!キレイに曲げられるようになるまでには相当の時間を要します。この作業が一番職人さんの特徴が現れる箇所だと思います。


⑧ 完成







前坪に白い紙を巻いて鼻緒の完成です。終始緊張の連続でしたが、いつもと同じクオリティーの鼻緒が出来上がったと思います。お客様に喜んでもらえると嬉しく思います

弊社では上記のような特別注文の鼻緒を1足から承っております。裏生地の素材や色の指定など、出来る限りご要望に応じた鼻緒を製作いたします。お気軽にお問い合わせ下さいませ!


東京都足立区関原3-8-7
鼻緒匠 はな壱
03-3880-1584
suchanz@crocus.ocn.ne.jp


















工業用ミシン ブラザー 日本製

2017年02月08日 16時57分59秒 | コスメ・ファッション
今日は新しく仲間入りした工業用ミシンをご紹介します。





ブラザーの工業用ミシン(日本製)です。写真からお判りのとおりかなりの年代物です。
このミシンは私の亡き父が今から20年前に知人から安く譲り受けたものです。その方はご自宅で洋服の縫製業をされていたようです。譲り受けてから20年の間、全く動かすこともなく今日まで放置したままの状態でした。



鼻緒製作において工業用ミシンでの縫製作業は必要不可欠です。このたび弊社の鼻緒製作のため20年ぶりに電源を入れて稼働させてみることにしました。ところが20年間全くメンテナンスをしていなかったため、モーターからすごい音が
こうなってしまうとプロに任せるしかありません。いつもお世話になっている近所の工業用ミシン専門店に修理の依頼をしました。そこの社長曰く、日本製の工業用ミシンは時間が経過していても修理可能な場合が多いと。日本製はそれだけ作りが良いみたいです。
さすが made in JAPANです。
修理を依頼してから1週間ほどで問題なく稼働できる状態になりました。本当に良かったです。

たとえ古くなってしまったモノでも、なんとか直して使うことって本当に気持ち良いものです。
これからも末永くジャンジャン鼻緒を縫ってもらいたいと思います。

草履修理(オリジナル鼻緒挿げ替え 草履底取替)

2016年10月14日 17時21分12秒 | コスメ・ファッション
ご近所に住むお客様から草履修理のご依頼をいただきました。
草履全体に経年による劣化が見られました。
ご依頼内容は鼻緒の取替と草履の底剥がれの修理です。







まずは草履から鼻緒を引き抜いて、底を丁寧に剝がします。
新しい革製のクローム底に張り替えます。次に踵のゴムを新品に取り替えます。



お客様との打ち合わせで決めた生地で鼻緒を作ります。鼻緒の形は今流行りの福林タイプです。鼻緒の裏生地と前坪には三越本天を使用しました。紫色の前坪がオシャレ上級者を演出してくれています!



出来上がった鼻緒を草履に挿げます。草履の幅が少し狭いタイプなので、鼻緒もやや細めに仕立てました。





いかがですか!?
とてもキレイな草履に仕上がったと思いませんか!
和装草履のスゴイところは、その当時に作った職人さんたちのほとんどが手抜きをしていないため、ある程度の年月を経た草履でも修理可能な状態が多いことです。お手元の古くなってしまったお草履をもう一度甦らせてみませんか!捨ててしまう前に是非弊社にご相談くださいませ。


東京都足立区関原3-8-7
鼻緒匠 はな壱
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鎌倉彫 右近下駄 鼻緒挿げ替え

2016年09月15日 16時29分11秒 | コスメ・ファッション
今日は紳士物桐下駄の鼻緒挿げ替えをご紹介いたします。

台は鎌倉彫の右近下駄です。長い期間、履きこなしている様子で鼻緒がだいぶ傷んでいました。
元々挿げたあった鼻緒は三越本天使用でしたので、ご購入の際はかなり高価だったと推察いたします。





弊社には常時たくさんの鼻緒用生地をストックしてあります。今回はその中からお客様にお好きな生地をお選びいただき、鼻緒の形や裏生地の色などを決めていただきました。鼻緒の形は紳士用の定番「高原」に決まりました。鼻緒の裏生地と前坪には黒色の三越本天を使用しました。台の色が茶色ですので、鼻緒の真ん中に茶色のストライプが出るように裁断して鼻緒を作りました。





お選びいただいたお客様のセンスの良さが光る、鎌倉彫の桐下駄にとっても似合う鼻緒が出来上がりました!
お客様も大満足されておりました。台の状態も良好なので、まだまだ履いていただきたいと思います。


東京都足立区関原3-8-7
鼻緒匠 はな壱
03-3880-1584
suchanz@crocus.ocn.ne.jp