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台風15号千葉県千葉市付近に上陸!実は台風の中心は分裂していた!これも暴風被害増大の一要因か。(9月9日の事例より)

2019-09-11 03:36:56 | 日記
台風15号は9日5時ごろ、千葉県千葉市付近へ上陸しました。上陸時は戦後関東に上陸した台風の中ではトップクラスの勢力であったため、千葉県や神奈川県など、関東地方南部地域中心に記録的な暴風が吹き荒れて、千葉県内では3日経過した11日現在、千葉県中心に停電50万戸以上、水道や電気などのインフラが大きく罹災し、大混乱となっております。

①9月9日3時の天気図 気象庁HPより引用


この台風15号ですが、9日未明に三浦半島通過時、台風の中心がいったん北東方向へ変形して、北東側に中心が飛ぶような形になり分裂しました。台風の中心の、北東方向に分裂したこと、台風前側に分布する強風域をさらに強めてしまい、今回の記録的暴風を引き起こしたといえそうですね。

その様子を、9日2時、3時、4時と時系列で紹介していきましょう

⓶9月9日2時、3時、4時、5時の、レーダーエコー図(国土交通省川の防災情報HPより引用)と関東周辺アメダス風向風速分布図(気象庁HPより引用)


ⅰ 9日2時



9日2時現在、台風は、伊豆大島のすぐ北にあり(中心Aと表示)北上中。台風を取り巻く螺旋状雨雲が、関東地方南部で、幾重に重なり合いように分布していて、房総半島の南西からは、別の螺旋状雨雲が移動中で、千葉県南部地域の螺旋状雨雲と合流しかかっております。

台風を取り巻く螺旋状雨は、気圧傾度の大きい箇所で幾重にも連なる特性があり、螺線上雨雲の外縁部では強風を伴い、螺旋状雨雲同士が合流する箇所付近では、雨雲自体発達して、
その外縁部では強風は一層顕著となります。(筆者確認)


このため、9日2時現在、東京都羽田付近や千葉県安房地区で20㍍毎秒を超えており、館山で2時14分に最大風速28・4㍍毎秒(南風)2時31分に最大瞬間風速48・8㍍毎秒(南南西風)を観測しております。


ⅱ 9日3時




9日3時現在、台風15号の中心Aですが、移動速度から推測すると、神奈川県浦賀付近にあると推定されますが、その形はぼやけ始め、かわって、北東側の千葉県木更津付近に、B で表示する渦が顕著となってきました。この B 発生のため、中心北側の気圧傾度をさらに増大させたと考えられ、北側の螺旋状雨雲は一層発達しています。

このため、千葉県京葉地区や東京23区沿岸部で風が一層強くなり、羽田では30㍍毎秒もの東寄りの猛烈な風を観測!千葉県木更津では、前記時刻に近い 9日2時48分に最大瞬間風速49・0㍍毎秒(東南東風で、観測開始以来最高)2時53分に最大風速23・2㍍毎秒(南東風)を観測しました。



ⅲ 9日4時





9日4時現在、新たに発生した渦 B は千葉市の南西まで移動、中心のすぐ外縁の発達した螺旋状雨雲が千葉県から東京23区の東京湾岸地域にかかり始めてまいりました。千葉県から東京23区までの東京湾岸地域では、おおむね20㍍毎秒を超す北北東から東南東風となっており、千葉で29㍍毎秒(東南東風)東京羽田で25㍍毎秒(北北東風)といった暴風を観測しています。

一方、B の 西側に当たる東京湾上の 海ほたる では 3時25分に南東風23㍍毎秒だったのが、3時55分に風向が西南西風に変化して、風速は9㍍毎秒と一時的に弱まり、B が台風の新たな中心として形成されたといえます。


ⅳ 9日5時



台風15号は、9日5時ごろ、千葉県千葉市付近へ上陸確認されて、上陸後は千葉県北部を北東に移動していきました。

千葉県千葉市では、9日4時28分に 最大風速35・9㍍毎秒(南東風)最大瞬間風速57・5㍍毎秒と、最大風速、最大瞬間風速共に観測開始以来最高の猛烈な暴風を観測しております。さらに、およそ36分後、南西方向と南東方向との螺旋状雨雲が交わる千葉県成田では、最大風速29・6㍍毎秒 最大瞬間風速45・8㍍毎秒と、これまた、最大風速,最大瞬間風速ともに観測開始以来最大の暴風を観測しました。

台風を取り巻く螺旋状雨雲というもの、ご覧のように、一様に螺旋状に分布するものではなく、地形的特性をうけて、その発達具合や、雲の集団の走向具合にコントラストが生じて、台風の中心が分裂することはよくあることです。
なので、当該、台風を取り巻く螺旋状雨雲の分布状況から、台風のとりわけ強風となりやすいエリアを的確に見極めることが重要ですね。





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