知っていて御得!常陸の国気象・地震見聞録

茨城県の気象・地震に関する記事を紹介!
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6日の関東大雪について、冬型気圧配置の置き土産

2022-01-17 12:19:29 | 日記
①1月6日21時までの12時間降雪量日最大値一覧画像 気象庁HPより引用



去る1月6日、関東地方は南部東部中心に予想反して大雪となりました。降雪量最大は東京都心で4年ぶりに10㎝、
横浜、つくばで8㎝、千葉や水戸で7㎝を観測、鉄道ダイヤ乱れや首都高速道路の入り口閉鎖など、都心部のインフラ
は大混乱となりました。

気象庁さんには悪いですが、当初、前日5日の予報では、降雪は予想されるものの、関東南部で3㎝程度、都心辺りまで1㎝程度の降雪とされていたものの、前記のような大雪となってしまい、東京23区や千葉県、茨城県南部には大雪警報も出されたほどの結果となってしまいましたが、
それはなぜか?といいますと。

まず、5日から6日にかけて、引用図にはありませんが、本州付近、九州南部辺りまで上空-3℃以下の寒気に覆われて、関東地方では、降水あれば雪となるような状況でした。

②1月5日21時と9時の雲画像図(赤外)ⅰ;21時 ⅱ:15時と ア:21時の全国ウインドプロファイラー風向風速上空1000メートル画像
雲画像は高知大学HPより引用 ウインドプロファイラー風向風速画像は気象庁HPより引用 ※画像内 低 は地上天気図上の低気圧の位置
を示します。
ⅰ:

ⅱ:

ア:

引用図②より、前日5日は、北日本東日本は冬型気圧配置画が続いていたため、関東~東海沖にまで冬型気圧配置に伴う筋状雲が分布していたところ、東海沖の筋状雲aが当該筋状雲の南から下層の南寄りの暖気の補給受けて擾乱として発達し、伊豆諸島近海から東海道沖でナマコ状の形になっております。筋状雲からナマコ状雲になったこと、これは、擾乱として発達途中で、低気圧としてまとまりつつある証左なのです。
また東シナ海から日本海西部の広範囲にわたり、お椀をかぶせた形の雲集団(中層といわれる上空3000㍍~4000㍍の上昇流が3つほど見られ、本州は深い気圧の谷に入りつつある
様子です。



1月5日21時、1月6日9時、15時の日本付近レーダー画像図 日本気象協会HPより引用
ⅰ;5日21時 

ⅱ;6日9時 

ⅲ;6日15時 

画像内には、地上天気図の低気圧位置を 低 別の低気圧とまとまっている降水域 a としていますが、降水域の様子、地上天気図上の低気圧の北東側の、aで、お椀を逆様にしたような形まとまり、関東南部や東部に広がり、当該降水域内には一部発達した部分もあります。
反対に地上天気図上の低気圧周辺では、次第に降水域が減少しつつあり、a に 降水域を明け渡すような格好ですね。


以上、6日の関東地方南部や東部、東海道沖周辺の冬型筋状雲が南からの暖気の補給受けつつまとまった a の影響で時ならぬ大雪になったわけですね。

勿論、前記 a は、低気圧として解析するべき ですが、気象庁発表の地上天気図には、低圧部 として表現されておりません。
と言いましても、前記したように、雲画像図の形状から、本州付近が深い気圧の谷内に入りつつあるときは特に、前記したような、地上天気図の低気圧とは別に、スケールの小さい低気圧
が発生することを肝に銘じてください。

改めて合掌!!東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)から10年

2021-03-11 01:37:32 | 日記
今回も、この東北地方太平洋沖地震、どのように引き起こされたのか振り返ってみましょう。

一昨年、昨年同日の本ブログ記事の一部を再度引用しますが

①㍻23年東北地方太平洋沖地震発生させた地殻変動の時系列図 防災科学技術研究所HPより引用


◇引用図①より、

宮城県牡鹿半島東約130㌔東で発生した変動(震源)は、発生後90秒までは、プレート間内陸部に近い部分で一部発生するものの、
殆どの変動は、震源より東側、宮城県沖でのプレート間の海底の近い部分(比較的軟らかい地層)主体に変動しており、この変動のずれは、一部で50㍍以上に
及んでおります。



◇変動発生後90秒後になりますと、これまでとは異なり、プレート間でも、陸地に近い部分での変動が発生、比較的古い堅固な地層が変動したことで、比較的
周期の短かい地震波を発生させて、



◇発生100秒後になりますと、福島県沖でも変動が発生、この変動も、プレート間の陸地に近い部分での
変動が広がり、やはりこの地域特有な比較的古い堅固な地層が変動したことで、これまた比較的周期の短かい地震波を形成させながら、プレート間での変動は次第に
茨城県沖へと広がった。

というシナリオを描きました。

②平成3年東北地方太平洋沖地震での宮城県築館、塩竃、茨城県日立 と、平成7年兵庫県南部地震での、兵庫県鷹取と葺合での地震波速度応答スペクトル図
(東京大学地震研究所HPより引用)



引用図②より東北地方太平洋沖地震、前記のように、比較的周期の短い地震波が多く発生したことで、
建造物の深刻な被害を与える地震波は多くなかったことがわかります。

しかしながら、前記のように、プレート間の海底に近い地層の変動が甚大であったことで、未曽有の大津波を引き起こす結果
となりました。

③平成23年東北地方太平洋沖地震で、いずれも震度7を観測(防災科学技術研究所観測)した、
ⅰ:宮城県築館 ⅱ:茨城県日立 ⅲ:栃木県芳賀 での地震波形図(防災科学技術研究所HPより引用

ⅰ:


ⅱ:


ⅲ:


④平成23年東北地方太平洋沖地震での最大加速度観測分布図 防災科学技術研究所HPより引用





引用図③ⅰより、築館では、変動発生後およそ90秒後発生した、宮城県沖での陸地に近いプレート間が変動したことでの
比較的周期が短かい地震波が最大の揺れを引き起こしましたが、周期が短い地震波のため、最大の揺れはすぐにおさまっています。

引用図④より、最大加速度1000GAL以上を観測した、マゼンダ色の観測地点が、宮城県内、福島県内と、関東地方の広範囲にまで
及んでおりますが、今回の地震が、宮城県から福島県、そして、茨城県沖でのプレート間の変動が、陸地に近い比較的深い地域の境界部分で発生したため、
変動した地殻が比較的固く、地下の比較的深い箇所であったため、内陸部の広範囲にまで、比較的周期の短い地震波が発生拡散していったといえる証左ですね。


日立では、変動発生凡そ110秒に最大の揺れを観測、これは、当初発生した宮城県沖の変動に伴う地震波と、福島県沖から茨城県沖に変動が及んで発生した地震波との収束の賜物で、
芳賀(栃木県)での最大の揺れは110秒から120秒にかけて発生しております。


最大の揺れの発生時刻が、ⅰ→ⅱ→ⅲと時系列で変化していることがわかりますが、これは、福島県沖から茨城県沖での変動の伴う地震波と、最初に発生した
宮城県沖での変動で発生した地震波が、福島県中通り地域に広がる、地形的鞍部を伝播して、収束した結果と思われます。

さらに、気象庁HP内、強震観測データの項目をひも解くと、東北地方太平洋沖地震発生時の、各観測地点の波形や、加速度、震度などが閲覧できますが、と以外強震観測データより、地震波の加速度(瞬間的な揺れの強さ)に地域性があり、総じて、加速度が高かった地震といえそうです。

地震波は、加速度は高くなるほど、当該地震波の周期は小さくなり(比較的がたがたと揺れる)加速度が低くなるほど、当該地震波の加速度は大きくなる(比較的ゆさゆさと揺れる)ようになる性質があります。

一つの地震の中には、様々な周期加速度の地震波が含まれてはいるものの、おおまかに地震波の加速度と周期の間には次のような関係があります。(引用画像は気象庁HPより)


東北地方太平洋沖地震では、震度7を観測した宮城県栗原市(栗原市築館)での最大加速度(南北、東西、上下3成分合成)で、2933ガルなのに対し、20年前の兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)発生時の、
震度7と推定される地域の最大加速度(3成分)は、おおむね700ガル〜800ガルでした(気象庁等調べより)同じ震度7でも、栗原市は、周期0・1秒程度だったのに対し、兵庫県南部地震での震度7観測地域では、
地震波の周期は0.8秒~0.9秒程度だったことになります。

地震波とその周期との関係として(筆者調べ)

◆地震波の周期が1秒程度であると、建造物と共振して揺れが大きくなり、建造物にかかるダメージは大きくなってしまいますが、周期0・1秒~0.4秒の短周期の地震波は、山がけ崩れや、
建造物の外壁破損や屋根瓦のずれ・落下などは発生しやすくなるものです。

◆地形的に、台地や丘陵などの比較的固い地盤では、周期の短い地震波(周期0・3秒以下)が共振しやすく、三角州や埋め立て地などの軟弱地盤では、
比較的周期に長い地震波(周期0・6秒以上)が共振しやすくなります。

◆さらに、周期の短い地震波ほど、崖の周辺や硬軟が不均一な地質を伝番する際に、地震波が屈折、反射して、より周期な短く、加速度が高い地震波を
発生しやすくなります。


まさに、東北地方太平洋沖地震、比較的周期の短い地震波が多かった地震といえますね。東京都内でも、山の手地域の観各観測地点が、下町地域の観測地点よりも加速度は高く観測されております、

山の手地域の属する、杉並区や中野区、千代田区の一部では、加速度が、300ガル台〜400ガル台を観測しており、被害状況(総務省消防庁)見ましても、一部破損家屋の戸数は山の手地域でもまんべんなく発生しており、杉並区で956棟も発生していることからも、このことが伺えられますね


続いて、全被害のおよそ90%をもたらしたといえる 津波 ですが

◇プレート間の変動と、変動に伴う地殻変動との双方で津波を発生させ、双方が合体し、大津波を引き起こした!!⑤岩手県沖~宮城県沖~福島県沖のかけてのGPS波浪計の観測結果(港湾航空技術研究所HPより引用)
※引用図内メートル表示数字は、観測地点の水深です。


引用図⑤より、地震発生直後から、プレート間の変動に伴う海面の変動が見られ、引用図内矢印で示す第1波の峰は岩手南部沖と宮城北部沖で比較的大きくプレート間の変動が、これらの地域の沖合で大きかった所作ですが、
岩手中部沖や岩手北部沖、それに、福島県沖には、第1波の峰のあと、それ以上に極めて短時間に急な海面の変動が見られます。

この急な海面の変動ですが、
岩手北部沖では15時19分に約4・0㍍上昇、岩手中部沖では、15時12分に約6・3㍍上昇、岩手南部で、ほぼ同時刻の15時12分に、約6・7㍍上昇福島県沖でも、15時15分頃、約2・6㍍上昇 となっており、
各々の地点で、ほぼ同じ時刻頃に、急な海面の上昇が見られます。

なお、宮城北部沖と宮城中部沖でも、津波の第一波の峰自体高いところへ、前記の各地点と同様な短時間での海面の上昇が見られるものの、測定機材が津波の影響で測定不能となってしまい、正確な値は測定不能です。

これら、第1波の峰の後の、短時間の急な海面の上昇は?それは、地震を引き越したプレート間の変動の後、岩手県沖から福島県沖にかけて、プレート間変動とは別の地殻の変動があったといえ、当該地殻変動は、引用図④より、岩手県沖と、もう一つ、福島県沖でも発生したものといえますね。

そして、この地殻変動が発生した原因ですが、引用図➀より、今回の東北地方太平洋沖地震、岩手県沖から茨城県沖にかけて、プレート間の変動は、陸側の直下に近い箇所からプレート間の境界の日本海溝の海底に近い箇所まで広範囲に変動が生じましたが、とりわけ変動した面積が大きい箇所は、岩手県沖から宮城北部沖の部分と、もう一つ、福島県沖沖にもみられます。
どうも、この、変動の面積が大きい ア:岩手県沖から宮城県北部沖 と イ:福島県沖で、海溝側に堆積している比較的柔らかい地層が、プレート間変動に触発されて、大規模にかつ、急激に崩壊移動したためではなかろうかと私は考えております。

今回の東北地方太平洋沖地震のように地震を起こすプレート間の変動が、海底近くの箇所が広範囲に大きくなった場合、2次的な地殻変動が海底で発生しやすく、大津波をひこ起こす。このことは今後の教訓となるでしょう!!

改めて合掌!!、台風19号(東日本台風)上陸より1年!

2020-10-13 23:31:17 | 日記
令和元年台風19号(東日本台風)上陸から1年経過しました。

1年経過した現在でも、東北や関東甲信といった台風の被害が甚大であった地域では、土砂崩れや浸水痕が生々しく残り、未だに応急仮設住宅住まいの方々が立つ海受けられます。
復興未だ半ばといったところでしょうか。

今回は、令和元年台風19号(東日本台風)を改めて振り返ってみたいと思います。


①令和元年10月12日12時、15時、18時、21時の天気図aと全国レーダーエコー図b天気図は気象庁HPより引用、レーダーエコー図は国土交通省川の防災情報HPより引用
※レーダーエコー図凡例
12時
a:

b:


15時
a:

b:


18時
a:

b:


21時
a:

b:

日本の南海上で、一時猛烈な勢力にまで発達した台風19号、各方面とも厳戒態勢の中、12日19時過ぎに、静岡県伊豆市付近に上陸、その後、神奈川県西部から東京と町田市付近を通過し、関東平野を北東へ進んで13日未明に福島県沖へ達しました。

台風の進路に当たった地域では猛烈な暴風に見舞われ、東京都心では、12日21時14分に最大瞬間風速41.5㍍毎秒(戦後最高)を観測しました。

さらに、台風19号の規模は大型だったためと台風の進行方向前側には前線もあったため、引用図①より、関東地方山間部や甲信越地方、東北地方の太平洋側には発達した雨雲がかかり続けてしまい、引用図②の各画像ご覧のように、あちこちで24時間雨量が500㍉以上と記録的な豪雨となり、関東、東北、甲信越、静岡県の1都11県に一時、大雨の特別警報が発表されて、東北や関東、甲信越では
、河川の氾濫、土砂災害が相次いでしまいました。

②令和元年10月12日の24時間雨量日最大値画像 気象庁HPより引用
岩手県周辺:

東北南部周辺:

関東北部甲信北部周辺:

関東南部甲信南部周辺:

引用図②各画像図より、

24時間降水量日最大で、
岩手県では、沿岸地域で150㍉~200㍉程度、

宮城県では、牡鹿半島東側と仙台湾沿岸沿い~南部地域でおおむね200㍉~300㍉、南部では一部600㍉超えた地点もあります。
さらに
福島県では浜通り地域や中通り地域山間部で200㍉以上、一部で300~600㍉程度。、

関東地方甲信越地方では、千葉県や甲府盆地、長野県東部地域の一部を除き、おおむね200㍉以上、関東北部西部山間部や甲信越山間部では、軒並み400㍉以上を観測して、
神奈川県の箱根では942・5㍉を観測しております。

筆者調べですが、
一級河川程度の河川で

源流地域で

おおむね総雨量200ミリ以上で、河川沿線洪水注意、内水氾濫発生し始める。
おおむね総雨量300ミリ以上で、河川沿い洪水警戒、氾濫危険水位達する箇所で始める。内水氾濫多発。


でありますから、これらの地域にこのような記録的な降水量を観測したため、当該地域に源を発する、阿武隈川、信濃川、那珂川、多摩川などの、一級河川の氾濫につながったわけです。

さらに今回の台風19号、台風自体及び周辺部の風の吹き方に、以下のような特性が見られました。

③引用図①と同時刻の、令和元年12日12時、15時、18時、21時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図※気象庁HPより引用

12時:

15時:

18時:

21時:

引用図③各時刻とも、北陸西部地域では、上空2000㍍、3000㍍よりも、上空1000㍍での風速が強めとなっており、この傾向は、15時、18時と、台風が本州へ接近とともに、
新潟付近から東北南部地域へと広がっています。

このように、上空2000㍍、3000㍍よりも、下層(上空1000㍍)での風速が強い地域は、寒気移流が強まっている証拠!で、併せて、下層や地上付近での風速が強まりやすい状況下にある と言えます。山越え颪風が強ま誌やすい状況下でもあるわけです。

事実、当該状況下にあった、12日昼頃からは、東北南部、北陸、近畿北部中部、山陰、九州北部にかけて、台風の中心から比較的離れているのにかかわらず、20㍍毎秒を超す暴風があちこちで観測されております。

東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)から9年!

2020-03-11 01:14:33 | 日記
11日で、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)から9年が過ぎました。

今回も、この東北地方太平洋沖地震、どのように引き起こされたのか振り返ってみましょう。

一昨年、昨年同日の本ブログ記事の一部を再度引用しますが

①㍻23年東北地方太平洋沖地震発生させた地殻変動の時系列図 防災科学技術研究所HPより引用


◇引用図①より、

宮城県牡鹿半島東約130㌔東で発生した変動(震源)は、発生後90秒までは、プレート間内陸部に近い部分で一部発生するものの、
殆どの変動は、震源より東側、宮城県沖でのプレート間の海底の近い部分(比較的軟らかい地層)主体に変動しており、この変動のずれは、一部で50㍍以上に
及んでおります。



◇変動発生後90秒後になりますと、これまでとは異なり、プレート間でも、陸地に近い部分での変動が発生、比較的古い堅固な地層が変動したことで、比較的
周期の短かい地震波を発生させて、



◇発生100秒後になりますと、福島県沖でも変動が発生、この変動も、プレート間の陸地に近い部分での
変動が広がり、やはりこの地域特有な比較的古い堅固な地層が変動したことで、これまた比較的周期の短かい地震波を形成させながら、プレート間での変動は次第に
茨城県沖へと広がった。

というシナリオを描きました。

②平成3年東北地方太平洋沖地震での宮城県築館、塩竃、茨城県日立 と、平成7年兵庫県南部地震での、兵庫県鷹取と葺合での地震波速度応答スペクトル図
(東京大学地震研究所HPより引用)



引用図②より東北地方太平洋沖地震、前記のように、比較的周期の短い地震波が多く発生したことで、
建造物の深刻な被害を与える地震波は多くなかったことがわかります。

しかしながら、前記のように、プレート間の海底に近い地層の変動が甚大であったことで、未曽有の大津波を引き起こす結果
となりました。

③平成23年東北地方太平洋沖地震で、いずれも震度7を観測(防災科学技術研究所観測)した、
ⅰ:宮城県築館 ⅱ:茨城県日立 ⅲ:栃木県芳賀 での地震波形図(防災科学技術研究所HPより引用

ⅰ:


ⅱ:


ⅲ:


④平成23年東北地方太平洋沖地震での最大加速度観測分布図 防災科学技術研究所HPより引用





引用図③ⅰより、築館では、変動発生後およそ90秒後発生した、宮城県沖での陸地に近いプレート間が変動したことでの
比較的周期が短かい地震波が最大の揺れを引き起こしましたが、周期が短い地震波のため、最大の揺れはすぐにおさまっています。

引用図④より、最大加速度1000GAL以上を観測した、マゼンダ色の観測地点が、宮城県内、福島県内と、関東地方の広範囲にまで
及んでおりますが、今回の地震が、宮城県から福島県、そして、茨城県沖でのプレート間の変動が、陸地に近い比較的深い地域の境界部分で発生したため、
変動した地殻が比較的固く、地下の比較的深い箇所であったため、内陸部の広範囲にまで、比較的周期の短い地震波が発生拡散していったといえる証左ですね。


日立では、変動発生凡そ110秒に最大の揺れを観測、これは、当初発生した宮城県沖の変動に伴う地震波と、福島県沖から茨城県沖に変動が及んで発生した地震波との収束の賜物で、
芳賀(栃木県)での最大の揺れは110秒から120秒にかけて発生しております。


最大の揺れの発生時刻が、ⅰ→ⅱ→ⅲと時系列で変化していることがわかりますが、これは、福島県沖から茨城県沖での変動の伴う地震波と、最初に発生した
宮城県沖での変動で発生した地震波が、福島県中通り地域に広がる、地形的鞍部を伝播して、収束した結果と思われます。

さらに、気象庁HP内、強震観測データの項目をひも解くと、東北地方太平洋沖地震発生時の、各観測地点の波形や、加速度、震度などが閲覧できますが、と以外強震観測データより、地震波の加速度(瞬間的な揺れの強さ)に地域性があり、総じて、加速度が高かった地震といえそうです。

東北地方太平洋沖地震では、震度7を観測した宮城県栗原市(栗原市築館)での最大加速度(南北、東西、上下3成分合成)で、2933ガルなのに対し、20年前の兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)発生時の、
震度7と推定される地域の最大加速度(3成分)は、おおむね700ガル〜800ガルでした(気象庁等調べより)同じ震度7でも、栗原市は、周期0・1秒程度だったのに対し、兵庫県南部地震での震度7観測地域では、
地震波の周期は0.8秒~0.9秒程度だったことになります。

地震波は、加速度は高くなるほど、当該地震波の周期は小さくなり(比較的がたがたと揺れる)加速度が低くなるほど、当該地震波の加速度は大きくなる(比較的ゆさゆさと揺れる)ようになる性質があります。

一つの地震の中には、様々な周期加速度の地震波が含まれてはいるものの、おおまかに地震波の加速度と周期の間には次のような関係があります。(引用画像は気象庁HPより)


◆地震波の周期が1秒程度であると、建造物と共振して揺れが大きくなり、建造物にかかるダメージは大きくなってしまいますが、周期0・1秒~0.4秒の短周期の地震波は、山がけ崩れや、
建造物の外壁破損や屋根瓦のずれ・落下などは発生しやすくなるものです。

◆地形的に、台地や丘陵などの比較的固い地盤では、周期の短い地震波(周期0・3秒以下)が共振しやすく、三角州や埋め立て地などの軟弱地盤では、
比較的周期に長い地震波(周期0・6秒以上)が共振しやすくなります。

◆さらに、周期の短い地震波ほど、崖の周辺や硬軟が不均一な地質を伝番する際に、地震波が屈折、反射して、より周期な短く、加速度が高い地震波を
発生しやすくなります。
まさに、東北地方太平洋沖地震、比較的周期の短い地震波が多かった地震といえますね。東京都内でも、山の手地域の観各観測地点が、下町地域の観測地点よりも加速度は高く観測されております、

山の手地域の属する、杉並区や中野区、千代田区の一部では、加速度が、300ガル台〜400ガル台を観測しており、被害状況(総務省消防庁)見ましても、一部破損家屋の戸数は山の手地域でもまんべんなく発生しており、杉並区で956棟も発生していることからも、このことが伺えられますね


続いて、全被害のおよそ90%をもたらしたといえる 津波 ですが

◇プレート間の変動と、変動に伴う地殻変動との双方で津波を発生させ、双方が合体し、大津波を引き起こした!!⑤岩手県沖~宮城県沖~福島県沖のかけてのGPS波浪計の観測結果(港湾航空技術研究所HPより引用)
※引用図内メートル表示数字は、観測地点の水深です。


引用図⑤より、地震発生直後から、プレート間の変動に伴う海面の変動が見られ、引用図内矢印で示す第1波の峰は岩手南部沖と宮城北部沖で比較的大きくプレート間の変動が、これらの地域の沖合で大きかった所作ですが、
岩手中部沖や岩手北部沖、それに、福島県沖には、第1波の峰のあと、それ以上に極めて短時間に急な海面の変動が見られます。

この急な海面の変動ですが、
岩手北部沖では15時19分に約4・0㍍上昇、岩手中部沖では、15時12分に約6・3㍍上昇、岩手南部で、ほぼ同時刻の15時12分に、約6・7㍍上昇福島県沖でも、15時15分頃、約2・6㍍上昇 となっており、
各々の地点で、ほぼ同じ時刻頃に、急な海面の上昇が見られます。

なお、宮城北部沖と宮城中部沖でも、津波の第一波の峰自体高いところへ、前記の各地点と同様な短時間での海面の上昇が見られるものの、測定機材が津波の影響で測定不能となってしまい、正確な値は測定不能です。

これら、第1波の峰の後の、短時間の急な海面の上昇は?それは、地震を引き越したプレート間の変動の後、岩手県沖から福島県沖にかけて、プレート間変動とは別の地殻の変動があったといえ、当該地殻変動は、引用図④より、岩手県沖と、もう一つ、福島県沖でも発生したものといえますね。

そして、この地殻変動が発生した原因ですが、引用図➀より、今回の東北地方太平洋沖地震、岩手県沖から茨城県沖にかけて、プレート間の変動は、陸側の直下に近い箇所からプレート間の境界の日本海溝の海底に近い箇所まで広範囲に変動が生じましたが、とりわけ変動した面積が大きい箇所は、岩手県沖から宮城北部沖の部分と、もう一つ、福島県沖沖にもみられます。
どうも、この、変動の面積が大きい ア:岩手県沖から宮城県北部沖 と イ:福島県沖で、海溝側に堆積している比較的柔らかい地層が、プレート間変動に触発されて、大規模にかつ、急激に崩壊移動したためではなかろうかと私は考えております。

今回の東北地方太平洋沖地震のように地震を起こすプレート間の変動が、海底近くの箇所が広範囲に大きくなった場合、2次的な地殻変動が海底で発生しやすく、大津波をひこ起こす。このことは今後の教訓となるでしょう!!

台風19号、関東東北甲信に記録的大雨 他にもこんな特徴が!

2019-10-17 01:36:03 | 日記
①10月12日12時、15時、18時、21時の天気図aと全国レーダーエコー図b天気図は気象庁HPより引用、レーダーエコー図は国土交通省川の防災情報HPより引用
※レーダーエコー図凡例
12時
a:

b:


15時
a:

b:


18時
a:

b:


21時
a:

b:


日本の南海上で、一時猛烈な勢力にまで発達した台風19号、各方面とも厳戒態勢の中、12日19時過ぎに、静岡県伊豆市付近に上陸、その後、神奈川県西部から東京と町田市付近を通過し、関東平野を北東へ進んで13日未明に福島県沖へ達しました。

台風の進路に当たった地域では猛烈な暴風に見舞われ、東京都心では、12日21時14分に最大瞬間風速41.5㍍毎秒(戦後最高)を観測しました。

さらに、台風19号の規模は大型だったためと台風の進行方向前側には前線もあったため、引用図①より、関東地方山間部や甲信越地方、東北地方の太平洋側には発達した雨雲がかかり続けてしまい、引用図②の各画像ご覧のように、あちこちで24時間雨量が500㍉以上と記録的な豪雨となり、関東、東北、甲信越、静岡県の1都11県に一時、大雨の特別警報が発表されて、東北や関東、甲信越では
、河川の氾濫、土砂災害が相次いでしまいました。

②10月12日の24時間雨量日最大値画像 気象庁HPより引用
岩手県周辺:

東北南部周辺:

関東北部甲信北部周辺:

関東南部甲信南部周辺:

引用図②各画像図より、

24時間降水量日最大で、
岩手県では、沿岸地域で150㍉~200㍉程度、

宮城県では、牡鹿半島東側と仙台湾沿岸沿い~南部地域でおおむね200㍉~300㍉、南部では一部600㍉超えた地点もあります。
さらに
福島県では浜通り地域や中通り地域山間部で200㍉以上、一部で300~600㍉程度。、

関東地方甲信越地方では、千葉県や甲府盆地、長野県東部地域の一部を除き、おおむね200㍉以上、関東北部西部山間部や甲信越山間部では、軒並み400㍉以上を観測して、
神奈川県の箱根では942・5㍉を観測しております。

筆者調べですが、
一級河川程度の河川で

源流地域で

おおむね総雨量200ミリ以上で、河川沿線洪水注意、内水氾濫発生し始める。
おおむね総雨量300ミリ以上で、河川沿い洪水警戒、氾濫危険水位達する箇所で始める。内水氾濫多発。


でありますから、これらの地域にこのような記録的な降水量を観測したため、当該地域に源を発する、阿武隈川、信濃川、那珂川、多摩川などの、一級河川の氾濫につながったわけです。

さらに今回の台風19号、台風自体及び周辺部の風の吹き方に、以下のような特性が見られました。

③引用図①と同時刻の、12日12時、15時、18時、21時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図※気象庁HPより引用

12時:

15時:

18時:

21時:

引用図③各時刻とも、北陸西部地域では、上空2000㍍、3000㍍よりも、上空1000㍍での風速が強めとなっており、この傾向は、15時、18時と、台風が本州へ接近とともに、
新潟付近から東北南部地域へと広がっています。

このように、上空2000㍍、3000㍍よりも、下層(上空1000㍍)での風速が強い地域は、寒気移流が強まっている証拠!で、併せて、下層や地上付近での風速が強まりやすい状況下にある と言えます。山越え颪風が強ま誌やすい状況下でもあるわけです。

事実、当該状況下にあった、12日昼頃からは、東北南部、北陸、近畿北部中部、山陰、九州北部にかけて、台風の中心から比較的離れているのにかかわらず、20㍍毎秒を超す暴風があちこちで観測されております。