知っていて御得!常陸の国気象・地震見聞録

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関東記録的大雪から早1年余り経過。関東の降雪の特性について今一度紹介.

2015-02-18 02:16:04 | 日記
昨年2月8日と、2月14日〜15日にかけて、関東地方、甲信越地方中心に記録的な大雪となりましたが、早1年余り経過した昨今ですが、あらためて、関東地方の降雪時の特性を紹介してみました。

①昨年2月8日21時の天気図 気象庁HPより引用

※詳細は本ブログ昨年2月8日記事を参照ください


②昨年2月14日21時の天気図 気象庁HPより引用

※詳細は本ブログ昨年2月15日記事を参照ください。

この、昨年2月に記録的大雪2事例より、関東で降雪になるターニングポイントとなるべき現象として、
千葉県周辺で発生する局地前線(沿岸前線)の存在があるわけです。

この沿岸前線ですが、千葉県の東部沿岸の風向風速によって、発生する位置が変化します。

大まかに言って

⑴銚子や勝浦など千葉県東部沿岸の風向が北東〜北寄り風である場合
                  

沿岸前線は千葉県北東部周辺に発生、北東風と北寄り風〜北西風がぶつかり合って沿岸前線は発生。この場合、千葉県内各観測地点での降水量が周辺地域よりも多めとなり、気温や湿度の如何によって、沿岸前線付近を中心にして、当該沿岸前線の西側を中心に大雪となります。沿岸前線の東側では、降雪になりにくく、気温や湿度にもよりますが、みぞれや雨で終始することも多いものです。(昨年2月8日の事例)


⑵銚子や勝浦など千葉県東部沿岸部の風向が北東〜東より風または、南東風である場合

沿岸前線は、
:千葉県北東部周辺から南部内陸部(東〜南東風と北東風とがぶつかり合って発生) と :東京23区周辺(北東風と北〜北西風都がぶつかり合って発生) に2か所で発生 

沿岸前線の東側では、雨やみぞれ で終始しやすく  沿岸前線の西側から沿岸前線の東側で みぞれ や降雪となっても積雪にはならないことが多い。
沿岸前線の西側で積雪で、大雪になりやすくなる。降水量は、2本の沿岸前線、、の周辺で多くなる。(昨年2月14日〜15日の事例)

関東南部で、雨と雪の境目が形成される気象状態時に、この、⑴、⑵の事象が顕著に露呈される。

以上の特性があるわけです。


さらに降雪となりやすい気象条件として、

◇東北南部から北陸地方周辺で寒気移流の場となること。当該寒気移流の程度が顕著になるほど、降雪となりやすく、降り出しが雨やもみぞれでも、時間の経過とともに、
 雪に変化しやすくなる。
ことですね。

茨城県内では、気温にもよりますが、千葉県種周辺の沿岸沿線の位置が⑴の場合でも、鹿嶋や神栖といった、鹿行地域沿岸部では、降雪になりにくく、みぞれや雨で終始する場合が多いですはが、ほんの数㌔内陸では、駅説となりますから油断なりません。さらん、⑵の場合、降雪をもたらす低気圧の接近とともに、県内海岸部では、雪から みぞれ や雨に変わるケースが多いですが、この場合も数㌔内陸では、積雪となり、北部山間部や筑波山、加波山東側斜面沿い中心に大雪となりやすくなります。

関東周辺では、降雪の時期はまだまだこれから。以上紹介した事象を目安として、降雪対策をなさってください。