私的メモ(他人は見るべからず)

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名古屋商科大学 栗本先生

2005年07月20日 | 事例

入学時に一人一台のiBookPowerBook G4を無償譲渡 ― 情報教育に力

を入れていることで知られる名古屋商科大学

経営企画室長の栗本博行氏

エンロールメント・マネジメント(4年間の学習や学生生活を一貫してサポートするシステムのこと)に早くから取り組んできた同大学は、昨年9月より新しいシステムを導入し、より効率的な“e-エデュケーション”を進めています。アップルのテクノロジーを中心に、最先端の情報教育環境を構築する同大学の最新事情をお聞きするために、昨年に続き、再びキャンパスを訪ねました。

年内にはAirMacベースステーションを300台に

コンピュータセンターの青木雄一氏

名古屋商科大学の学内には、以前から光ファイバーによるギガビットネットワークが完備されていましたが、それに加え、現在では220台のAirMacベースステーションが設置されています。学内のいたるところに無線LANが使用できることを示す「WIRELESS READY」のステッカーが貼られています。例えば、管理棟西側1階にあるハンバーガーショップの中であっても、食事をしながら、あるいは友人と語らいながら、インターネットにアクセスできるという環境になっています。

「現在は、校舎、食堂等のどこからでもアクセスできるようになっています。年内にはAirMac Extremeベースステーションをさらに80台増設(合計300台以上)して、キャンパス内にいればどこからでもアクセスできるようにしたいですね」と、経営企画室長の栗本博行氏は語ります。

名古屋商科大学日進キャンパスの現在の無線LANカバーエリア


入学時に学生に支給されるiBookには、初めからAirMacカードが装着され、Microsoft Officeがインストールされています。この時点ではセットアップは行っておらず、4月の講習会でMacの使い方やセットアップの仕方を教えているとのこと。そこで新入生たちは、初めて自分のiBookの電源を入れることになります。



徹底したワイヤレス化がもたらすノートマシンの真価
コンピュータセンターの青木雄一氏によると「現在の3年生以降の学生のマシンには、入学時からAirMacカードを標準装備してありますが、4年生の入学時にはまだAirMac製品そのものがなかったので、AirMacカードを無料で貸し出すことで対処しています。AirMacがAirMac Extremeに変っても、IEEE802.11bとの互換性を残してくれたので、投資がムダにならず助かりました(笑)」とのこと。


「まだAirMacが出てくる以前に、Ethernetカードを全員に渡そうかと思って買ってみたんですけど、結局あまり使わなかったですね。ケーブルで(ノートマシンを)つなぐというのはムリがあります。ややこしいし、何回も抜き差しするんですぐに壊れてしまうんですね。AirMacになって本当によかった。それにiBookはバッテリーが長時間持つところもいいですね。教室の各テーブルに電源はあるんですが、学生はバッテリーだけで使っているみたいです」と栗本氏が語るように、学内のいたる所で、学生がiBookを開き、学内のネットワークにアクセスする姿が見られました。

学生生活の一部になったMac
こうした充実したインフラ整備の結果、Macは学生生活の一部として溶け込んでいます。入学時にはマシンと一緒に、学生一人一人にネットワークアカウントを発行されます。このアカウントを使ってログインすれば、自分のマシンはもちろん、学内に設置されたどのマシンからでも、同じ環境で作業できるようになっています。また、学生全員に650MBのネットワークディスクスペースとWebメールアドレスが配付される、“名商大版.Mac(ドットマック)”と言えるサービスも用意されており、インターネットに接続しているコンピュータさえあれば、VPNを通じて学外のどこからでも自分宛のメールを確認できます。一人一台体制以外にももちろん、学内の各所にはさまざまな授業や目的に対応するPower Mac G4iMacなどのデスクトップ型Macが設置されており、学生が自由に利用しています。

「学校にいる頃には当たり前だと思っていた環境がいかに恵まれていたかと、卒業して初めてありがたみが分かるようです。卒業生がたまに遊びに来ると、学生の時にもっと使っておくべきだった、とよく言っています」と、青木氏は語ります。



Macが変える、学生と教職員のコミュニケーション
学生と教職員のコミュニケーションもMacを軸に行われています。例えば、キャンパスのイメージを代表する掲示板も、ここではより高度なシステムがネットワーク上に構築されています。学生がいたるところでMacを操作して、授業の出席数を確認している姿も日常的な光景。「従来ならセミナーに入って担当の教員と親しくなって、といったコミュニケーションが一般的でした。それはそれで重要なことですが、それ以外にもメールを使った質疑応答を行うなど、学生と教職員がMacを介してより綿密なコミュニケーションが図れるようになっています。」(青木氏)


学生側からの授業評価も「学生の満足度や理解度などを教職員の方で把握して、次の授業に役立てたり、改善しなければならない、といった暗黙のプレッシャーになっています。学生もその点を理解しているので、まじめに評価するようになっています。『あの先生はこんなに教材(資料やデータ)を用意してくれるのに、この先生はデータすら配付してくれない。ぜひ配付して欲しい』という要望があれば、教職員も対応せざるを得なくなりますよね」と青木氏が説明するように、Macを介して、学生と教職員の“フェアな関係”が築かれています。

学内のコミュニケーションを支えるXserve
こうしたコミュニケーションを支えるインフラの柱となっているのがXserveです。NetInfo(ユーザ認証およびホームディレクトリのマウント設定で利用)、前述の名商大版iDisk、ファイルサーバ、それにWebサーバと電子掲示板にそれぞれ一台づつXserveを割り当てていいる。「アップルが本格的なサーバ事業に参入してまだ日が浅いですが、他社のサーバ製品と比べて遜色はありません。Mac OS X Serverの信頼性も高いですね。」(青木氏)


栗本氏によると、もう1つソフトウェア面で新たに柱となったのが、2002年9月から導入した米Blackboard社の「Blackboard」という、Webベースの教育分野向けソリューションだと言います。Blackboardは、自分のアカウントでログインすると、教員からは自分の担当科目が、学生からは自分の受講科目一覧とその科目に関する情報が確認できる仕組みです。



「教育用インフラを学生と教職員、それにハードウェアとソフトウェアという2軸のマトリックスで分けた場合、学生のハードウェアはMac、教職員のハードウェアは教室ですよね。一方ソフトウェアについては、どの学生がどんな授業を履修して、どれだけ単位を取得して、どんな成績なのかを管理することのできる教職員用ソフトウェアを開発しましたが、全ての学生が毎日使うソフトウェアとして、なかなかいいものがなくて、この部分だけ欠けていたんです。その部分をWebベースでやろうということになって、このBlackboardと出会いました。これで欠けていた部分が埋められた、と思っています。」(栗本氏)

トップダウンの迅速な意思決定と実施が要
青木氏は「次々に新しいものが出てきて、今は入れ替わるスピードも早い。どんどんそれについていかなければならないので、大変なことの方が多いですね」と、常に最新の情報教育環境を整備していく苦労を語ります。

「他の学校の関係者から『よく教授会を通りますね、どうやって説得するんですか?』と聞かれることが多いのですが、他の学校では先生方が(Macを中心としたシステムを導入することに)理解を示さずに、昔からの教授法をベースに精神論的な話になってしまうそうなんです。現場からではなく、トップダウンで一気に進めないと絶対にムリなんだと思います。最近は、他の大学の教職員の方から、ぜひ見学させてくださいと言われることが多くなりました。」(栗本氏)

PCをすべてPower Mac G5に
同大学では、1992年にPowerBook 100を配布して以来、毎年新入生に1人1台のPowerBookもしくはiBookを無償で譲渡してきました。現在の大学として他に類を見ないほどの情報インフラを作り上げることができたのは、この累計1万台にもおよぶネットワーク化されたMacがあったからこそと言えます。しかし、青木氏の言うように、環境整備は常に前進が必要です。

実際、6月にPower Mac G5が発表されるやいなや、主に3D制作に利用するパソコン教室のPC50台を、すべてPower Mac G5にリプレースすることに決定しました。最新のテクノロジーを常に取り入れ、一歩先を行く情報教育を実践している同大学の迅速な行動力には驚かされるばかりです。

「最近では周囲も『なぜMacなの?』と聞いてくれなくなりましたね(笑)。これまでに運用実績があるから、というのが1つですが、Macには目的をはっきりさせたソリューションが多いので、他のものに手を出さなくてよかったな、と改めて思っています」と栗本氏は語ります。



「高校でも情報関連の授業が始まるので、これからの学生はほとんど全員がパソコンを触ってから入学してくることになります。大学側の講義も変えていかなかればならないと思っています。学生にとっても、学校に来てWebを見ているだけでは意味がない。せっかくMacがあるのだから、そこから何をやろう、何ができるか? がますます大事になってきますよね。まさに今のパソコンに求められている部分をより追及して行かなければなりません」と、栗本氏は今後さらに変わっていく情報教育への意気込みを語って締めくくりました。


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