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他製品/OCRシステムとの機能比較 |
●他製品との機能比較
デジタルペンは手書き情報を電子化する「電子ペン」の一つです。この「電子ペン」は仕組みの違いによって大きく次の2種類に分けることができます。
一つは「内部記憶型ペン端末」です。デジタルペンもこのタイプで、Anoto社の技術では、デジタルペン対応用紙に印刷されたドットパターンを読み取ってペンのメモリにデータを蓄積した後、一括してデータをパソコンに送ることができます。
もう一つは「ペン型入力装置」で、こちらは主にパソコンに接続された文鎮型の受信機を使用して、ペンの軌跡をリアルタイムでパソコンに取り込んで行きます。
それぞれ、手書き内容をパソコンに取り込めるという点では同じ機能を持っていますが、その実現方法や使用方法の違いにより、適用可能な分野が異なってきます。
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また、ペンを用いた入力方法を実現している電子ペン以外の製品として、PDAやタブレットなどがあります。
これらの製品と電子ペンの大きな違いは、紙が不要であるという点です。入力されたデータのみが重要で紙は必要ないというような場合には、非常に有効な手段と言えます。
図 各製品のポジショニング |
このように、手書き情報を電子化する手段としてはいくつかの製品がありますが、紙とペンを使用する業務に対して、業務内容を変えることなく手書き情報を電子化できるという点ではAnoto社の技術を用いた「内部記憶型ペン端末」、デジタルペンが最も適していると私たちは考えております。
なお、2004年1月現在、Logitech社と日立マクセル(株)からAnoto社の技術を利用したデジタルペンが発売されています。
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●OCRシステムとの機能比較
手書き情報を電子化する手段としては、デジタルペン ソリューション以外にOCR(光学式文字読取装置)システムがあります。OCRシステムでは記入された紙の全体イメージを読取り、読取ったイメージ上の指定した範囲を文字認識することができます。OCRによって読取り可能な紙質や筆記具は多少異なりますが、通常は普通紙やボールペンなどの一般的な紙やペンを使用することができます。
一方、デジタルペン ソリューションでは専用の紙とペンを使用しますが、システムへの入力に対して必要となるのは紙ではなくペンの中に蓄えられた情報です。このことを利用して、紙は控えとして記入者に渡し、ペンだけを用いて業務処理を行うといった運用も可能となります。その他にも、デジタルペンでは筆圧や記入時間などの筆跡情報を取得することができますので、それらを利用して署名認証等の新しいサービスを実現することもできます。
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このように、デジタルペン ソリューションでは専用の紙とペンを使用することで、さまざまな分野へ、適用の幅を広げることが可能となっています。