前回から続いています。
「松の木にのぼって手入れをしてたときなんだけどね、横をくるっと振り向いたら、ちょうと松の葉っぱがこっちを向いてて、あの針みたいなのが左眼にグサッ!」
「うえ~、うえ~!」
カエル顔のAちゃんはなぜか片膝を浮かせて、おばあちゃんのように背中を丸めています。
「それで『痛え!』とか言いながら、思わず顔を横に向けたら、針みたいなのが刺さったまま、スーッとナイフみたいに横に移動して黒眼が切れちゃった!」
「うえ~、うえ~!」
「だいじょうぶ? 具合悪そうだけど」
「そんな話するからでしょ!で、どうしたの、そのあと!」
やっぱり聞きたいくせに。
「一瞬は痛かったんだけど、目薬つけてそのままにしてたらなんでもないって言うから、ほおっておいたのよ。でも、次の日になったら「目が重くなってきて、なんだか視界もぼんやりする」とか言い出して救急病院で診てもらったの。ふつうの病院やってなかったから、お盆かなんかのときだね」
「どうなってたの?」
「化膿してるっていわれてさ、たしか目薬をつけて抗生物質を飲んでたね。でもさ、先生にいわれたんだって。『あんた、今が夏でよかったね。冬の松は枯れて先に毒をもってるからね、その毒は失明するくらい強いんだよ』だって」
「うえ~、うえ~!」
「だいじょうぶ?なに想像してるの?」
「そんな話するからでしょ!うえ~、うえ~!私さ、そういうの、ほんとダメなのよ!自分では認めたくないけど!認めたくないんだけど!想像しちゃうのよ~!うえ~うえ~うえ~!」
Aちゃんの鳥肌はしばらくおさまりませんでした。Aちゃん、ごめんね~。
The End
「松の木にのぼって手入れをしてたときなんだけどね、横をくるっと振り向いたら、ちょうと松の葉っぱがこっちを向いてて、あの針みたいなのが左眼にグサッ!」
「うえ~、うえ~!」
カエル顔のAちゃんはなぜか片膝を浮かせて、おばあちゃんのように背中を丸めています。
「それで『痛え!』とか言いながら、思わず顔を横に向けたら、針みたいなのが刺さったまま、スーッとナイフみたいに横に移動して黒眼が切れちゃった!」
「うえ~、うえ~!」
「だいじょうぶ? 具合悪そうだけど」
「そんな話するからでしょ!で、どうしたの、そのあと!」
やっぱり聞きたいくせに。
「一瞬は痛かったんだけど、目薬つけてそのままにしてたらなんでもないって言うから、ほおっておいたのよ。でも、次の日になったら「目が重くなってきて、なんだか視界もぼんやりする」とか言い出して救急病院で診てもらったの。ふつうの病院やってなかったから、お盆かなんかのときだね」
「どうなってたの?」
「化膿してるっていわれてさ、たしか目薬をつけて抗生物質を飲んでたね。でもさ、先生にいわれたんだって。『あんた、今が夏でよかったね。冬の松は枯れて先に毒をもってるからね、その毒は失明するくらい強いんだよ』だって」
「うえ~、うえ~!」
「だいじょうぶ?なに想像してるの?」
「そんな話するからでしょ!うえ~、うえ~!私さ、そういうの、ほんとダメなのよ!自分では認めたくないけど!認めたくないんだけど!想像しちゃうのよ~!うえ~うえ~うえ~!」
Aちゃんの鳥肌はしばらくおさまりませんでした。Aちゃん、ごめんね~。
The End