ろぐろぐ音楽ブログ

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アルバム感想。⇒栗林みな実「miracle fruit」

2011年03月18日 07時56分13秒 | 感想・レビュー(アルバム)

栗林みな実「miracle fruit」(★9点)
1. miracle fruit  2. secret moment  3. 氷の結晶  4. one drop  5. stage  6. 静寂の腕輪  7. Luminous Beat  8. 虹色の永遠  9. 空のこたえ  10. Beautiful Blaze  11. planet earth
青文字はお気に入り楽曲、青太文字は超お気に入りの楽曲
公式サイト   一部楽曲試聴はコチラ(アルバム特設ページ)


栗林みな実、通算6枚目のアルバム。
基本はアニメなどに合わせて作った曲をシングルとしてリリースして、曲が貯まってきたら新曲と合わせてアルバム発表、というスタンスで活動を続けてきた栗林さんですが、今作にはタイアップ曲は一切なく、全曲、シンガーソングライター栗林みな実の、オリジナル楽曲。
(一応、タイトルチューンである「miracle fruit」は『アニソ~ンぷらす』エンディングテーマにはなっていますが、これは後付けタイアップということでノーカウントでいいでしょう。)

全曲の作詞作曲を手がけたオリジナルアルバムという点では、3rdアルバム「fantastic arrow」以来ではありますが、これには『舞-乙HiME』EDテーマ曲としてシングルリリースされた「Crystal Energy」が入っていたので、全曲オリジナル曲で構成されたアルバムはこれが初めて。

というわけで、かねてからこのブログで「シンガーソングライターとしての栗林みな実の良さ」をアピールしてきた自分にとっては、これ以上無いくらい待望のアルバム!

なので存分に語らせていただきます!w
もう盲目ファン的な書き方しか出来ないけど、それくらいの魅力があるアルバムなんだもん!w

今作ならではの特徴として、栗林さんのメロディーセンスを存分に味わえるのはもちろん、栗林さん作曲にしてはちょっと意外な曲調もちらほらあったりして、オリジナルアルバムならではのチャレンジ精神を感じる所も大きいかな、と。
特に1,2曲目あたりはそれがよく表れている感じがして、自分で作れる部分が多い全曲オリジナル楽曲な今作ならではの楽曲だなーと思います。

あと歌詞。今回は全曲オリジナルということで、アニメのタイアップに合わせたりとかそういう制約のない、全てが栗林さん自らから生まれた言葉で紡がれた歌詞。なので、いつもより心にグッと迫る歌詞や、内面を歌った歌詞、純粋なラブソング…などなど、様々なタイプの歌詞があるんですが、どの曲にも、すごく栗林さんらしくメッセージが込められているように感じます。
(各曲についてのコメントは後述しますけど、例えば「Luminous Beat」は、全体的には「君がそばにいれば輝けるよ」という恋愛ソングっぽい歌詞なのですが、そんな中にも「闇が終わらなくても 光は無くならない」というフレーズがあったり・・・とか)

栗林みな実のファンなら、このアルバムをじっくりと噛みしめて聞いたらもっと栗林さんのことが好きになると思うし、シングル曲は無いけど、栗林みな実ってどんな感じなの?というライトリスナーさんにもオススメできるかなってくらいに、栗林さんの魅力がぎゅっと詰まったアルバムになっているんじゃないかと、個人的には思っちゃいます。


それではさらに思いのたけをぶつけるためw、全曲感想いきまーす。


1. miracle fruit
(作詞・作曲:栗林みな実 編曲:菊田大介)
1曲目からちょっと意表を突かれました。いや、曲調としてはそこまで異色というわけではないんですが、サビが2つあるような曲構成が特殊で。栗林さんは基本的に構成はオーソドックスな曲を書くことが多いので、こういう曲も書くんだなーとちょっと驚きました。タイアップに縛られないオリジナルならではの楽曲ですね。で、構成はちょい複雑ながらも、メロディはキャッチーなので聴き終わった後には爽やかな印象が残るのが栗林さんらしさかなと思います。「君と出逢い すべてが今、始まる…」という、アルバム1曲目に相応しいアップナンバー。

2. secret moment
(作詞・作曲:栗林みな実 編曲:飯塚昌明)
これまた意表を付かれた楽曲。切迫感というか緊迫感というか。そういうのをひしひしと感じるロックっぽい楽曲。これまでもロックな楽曲はいくつか歌ってきた栗林さんですが、だいたいは作曲家さんから提供された曲だったり(「unripe hero」など)、それかアレンジでロックにしている楽曲(「Yell!」など)が多かったので、メロディからもロック感を感じる楽曲を栗林さん自身が作曲したのは意外でしたねー。メロディアスな曲が得意な栗林さんにとって、ここまで音符が細かく上下するメロディって珍しいかも。しかしこれがまた良いんだよなぁ。シンガーソングライター栗林みな実の新たな引き出しを開けた曲かも。ただアレンジはもうちょいロック寄りというか、重めのサウンドでも良かった気もする。

3. 氷の結晶
(作詞・作曲:栗林みな実 編曲:増田武史)
シリアスで切ないけれど、力強さも感じるミディアムテンポの楽曲。栗林さんらしいメロディアスさが良く出ている楽曲ですね。サビ終わりのハイトーンボイスが聴き所。ストリングスアレンジがより冬っぽさを演出していていい感じ。歌詞は栗林さんがオリジナル曲でよく書くタイプの失恋ソング、かな。結構重めです。タイトルが秀逸。

4. one drop
(作詞・作曲:栗林みな実 編曲:藤田淳平)
王道キターっ。アップテンポでデジタルトランシーな楽曲。シングルっぽい曲でもあるかな?メロディアスさとキャッチーさが同居するメロディは、さすが栗林さん。曲調的にはカッコいいアニソンらしい曲ですが、歌詞はラブソング。もう自分が自分に嘘をつかないであなたを信じていく、という感じでしょうか。インタビューによると、この曲はアレンジが仕上がってきてから歌詞の内容を変えたらしいですが、元はどういう歌詞だったんだろうか。もう少し迷っている感じだったりしたのかなぁ。

5. stage
(作詞・作曲:栗林みな実 編曲:藤田淳平)
これまた栗林さん的にはちょい新機軸かも? R&B的な要素といいますか、リズム感重視的な要素をほんの少し混ぜ込んだようなアレンジが栗林さんにしては珍しいです。大人っぽいというか、このアルバムの中では少し地味な印象もありますが「one drop」と「静寂の腕輪」との橋渡しとしては十分すぎる楽曲。個人的にはこの曲は特に歌詞がキモだと思う。「人はね、記憶で息をしているの」というフレーズにちょっとドキッとしました。

6. 静寂の腕輪
(作詞・作曲:栗林みな実 編曲:虹音)
ここでやっと待望のバラード!…ってもこれは既発曲ですが(シングル「あんりあるパラダイス」のC/W)。しかし、アルバムに収録されるだけあって名曲なのですよー!これは希望の光が差し込む系(?)のミディアムバラード。メロディの運び方なんかはメロディアスな栗林さんらしいメロディなのですが、栗林さんのこういうバラードって「ある冬の日の午後」(これも名曲!) みたいな、切なさ一辺倒の曲が多いように思っていたので、こういう曲は何気に新鮮だなぁと感じた記憶がありますね。虹音さんの丁寧なアレンジもよりメロディアスさを引き出してくれていて良いです。

7. Luminous Beat
(作詞・作曲:栗林みな実 編曲:菊田大介)
スーパーキャッチーなサビメロが印象的な楽曲。サビの聞き心地の良さは特筆モノ!爽やかなんだけどしっかり耳に残るキャッチーさと、サビの終わり方の一筋縄では行かない感じのメロディが栗林さんクオリティ。菊田さんの軽快なデジタル成分多めのアレンジも良いです。個人的には、アルバムの中で一番スキな曲。あと先程も書きましたが歌詞も凄くイイ。全体的には君がいるから頑張れる、輝ける、って歌詞なんだけれど、その中で「闇が終わらなくても 光もなくならない」ってフレーズが入っているのが凄く好きです。あと1番Bメロの歌詞は特にmind touchライブに行った人には心当たりがある人もいるのではないかと。

8. 虹色の永遠
(作詞・作曲:栗林みな実 編曲:虹音)
来ましたーっ!栗林さんらしさ全開の必殺メロディアスバラード!本当に栗林さんはこういうバラードを作るのが上手いよなぁ。で、この曲、雰囲気としてはちょっと切なさ成分がある感じなのですが、歌詞は要約すると「ずっと一緒にこれからもいられたらいいね」というシアワセっぽい歌詞になっていて。それでも違和感がない、この絶妙なさじ加減がウマイ。幸せすぎでも切なすぎでもない、このバランスというか、この要素を両立させるのって結構難しいと思うんだけど、栗林さんは見事に成立させております。

9. 空のこたえ
(作詞・作曲:栗林みな実 編曲:菊田大介)
シングル「sympathizer」のカップリングだった曲。人を好きになること、それって凄く楽しいことだよね。という恋のワクワク感を楽曲で表現したような曲と言えばいいかな。軽快ポップでキャッチーな明るい楽曲。確か栗林さん自身も当時、この曲について「闇ゼロ運動って感じの曲」って類のことをブログで書いていたような記憶が。
特設ページの試聴で、肝心のサビが試聴できないのはなんとかならないのかなぁw

10. Beautiful Blaze
(作詞・作曲:栗林みな実 編曲:中山真斗)
ラストに向けてもう一度奮い立つ!ってイメージのブレイブリーなポップロックナンバー。雰囲気的にはアルバム「dream link」に入っていてもおかしくない感じ。「負けたくないと思うなら 誰より強くなれ」というサビの歌詞とメロディに栗林さんの強いメッセージが込められているように思いますね。ラストをAメロでシメる構成は栗林さんにしては珍しいかも。ちなみにアルバム中で唯一の生ドラム使用楽曲。そしてギターソロがかっちょいい。

11. planet earth
(作詞・作曲:栗林みな実 編曲:虹音)
アルバムラストに相応しい、とても美しいスローバラード。三拍子バラードは栗林さんの必殺技(?)のひとつでして。「pregare」「海から始まる物語」「硝子の小瓶」etc.とあるんですが、その中でもこれはかなり良いぞっ。栗林さんならではの浮遊感とメロディアスさが存分すぎるくらいに発揮されたメロディに、さらに虹音さんのキラキラと粒子が宇宙に舞っているようなアレンジがバッチリと組み合わさっていて、凄くいいです。あざとい仕掛けが無いにもかかわらず、しっかりとスケールの大きさを感じられるのはさすが。
「pregare」「静寂の腕輪」「虹色の永遠」と同じく、作曲:栗林みな実×編曲:虹音 の組み合わせで作られたバラードですが、虹音さんのアレンジと栗林さんのメロディって凄く相性いいかも。栗林さんの持つメロディの良さをさらに引き出してくれる、そんな丁寧なアレンジを虹音さんはやってくれています。

 

というわけで、今回はアレンジャーさんが割とばらけていることもあって、デジタルだったりロック調だったりバンドサウンドだったり珠玉のバラードだったりと結構いろいろな曲調が入っているんだけれど、統一感はこれまでのアルバムで一番。そしてアベレージの高さもこれまでのアルバムで一番。全曲の作曲を手がけておきながらこのクオリティには驚愕せざるを得ないです。
前回のオリジナルアルバム「fantastic arrow」と比べると、曲が全曲耳に残る適度なキャッチーさを持っていることと(「fantastic~」は地味な印象のアルバム曲もいくつかあったのです)、アルバム全体にまとまりがあって より オリジナルアルバムらしい感じになっています。確実に進化しているというか。

個人的には、「mind touch」のようなシングル級の必殺のアップテンポ楽曲があればなー、とか、栗の子バラード好きとしてはもう1曲くらいバラードの新曲があればなー、という思いもありますが、前者に関してはせっかくのオリジナルアルバムだしあえてそういう曲はやらなかったのかな、という気もしますし、後者に関しても入ってるバラード曲は全部良い曲なので、これも贅沢な注文ですかね。


というか、CDが売れない売れないって騒いでいるこのご時世に、シングルも無くアニメタイアップも無い、完全オリジナルアルバムを出してくれたってだけで凄く贅沢ですよね。そういうアルバムをリリースする!って決めてくれたレコード会社にも感謝だし(栗林さん自身も、最初はタイアップ曲が入るものだと思っていたらしい)、それに全力で応えてくれた栗林さんにも大感謝。ファンやってて良かったと心から思える、そんなアルバム。



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2 コメント

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Unknown (ゆう)
2011-03-30 12:50:02
11/04/13 北乃きい「心」
07.浮間舟渡 作曲:木下智哉 編曲:ats-
10.トドカナイ 作曲:鈴木大輔 編曲:ats-
12.ずっと、いっしょだね 作曲:木下智哉 編曲:清水武仁

清水武仁ってHΛLのあの人でしょうか? 脱退したんですかね? ats-さんのついったーで現在HΛLは梅崎さん一人でやってるらしいですが...
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Unknown (a-ki)
2011-03-31 16:46:51
木下さんにats-さん期待ですねー。「トドカナイ」も期待通りのクオリティでしたし。

HΛLブログや公式サイト見る限りではもうHΛL=梅崎俊春さん、ということになっている感じですし、清水さんは脱退したってことになりそうですね。どんなサウンドになっているか楽しみです。
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