飄評踉踉

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人間と人形のあいだ

2009-10-17 19:10:51 | 映画
(cache) ペ・ドゥナ主演映画『空気人形』の是枝裕和監督(聯合ニュース) - goo ニュース

先週、私も『空気人形』を観てきました。今世紀に発表された是枝監督の劇映画をすべて観てきた私は、是枝作品だという理由だけで本作を観たのですが、観終わった今となっては、本作は本当に是枝作品といえるのだろうかという違和感を禁じ得ません。かかる違和感の源は、ひとえに主演女優ペ・ドゥナの存在にあるといえます。彼女の生じさせる磁場は、是枝監督の力だけでは「リアル綾波レイ物語」または「付喪神ホラー」にしかならなかったはずの本作を、美しい絵本であるかのように変容させてしまいました。つまり、本作は是枝作品というよりもペ・ドゥナ作品というべきなのでしょう。
この点、最近の是枝監督は、子役を自然な形で演出することに定評があります。是枝監督に演出された子供たちは、何かに憑かれたかのような本質を突く振る舞いをし、作品に斬新な切り口を与えてきました。本作でも、2000年生まれ(!)の女優がなかなかの好演を見せています。しかし、本作で最も是枝的なこの少女の演技は、ペ・ドゥナに喰われてしまった感があります。ペ・ドゥナは「空気人形」という「あらゆる天然物よりもnaturalな人工物」を演じるという神業で、この小さな女優に格の違いを見せつけていました。
ところで、このように現役小学生よりもchildlikeなペ・ドゥナが今年30歳になるというのは容易には信じがたい事実です。貴女、歳をとるの


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