先週末もシネマヴェーラに行ってきました。今回見たのは『ラブ&ポップ』(監督:庵野秀明)と『リリイ・シュシュのすべて』(監督:岩井俊二)です。
前者は私が中学生だった時期に時代設定を置き、後者は私が高校生だった時期に時代設定を置いているので、私としては当時を思い出しながら見ることができました。ただ、「重さ」という点では後者の方が上であるといわざるを得ないかもしれません。前者は浅野忠信の変則的な「お説 . . . 本文を読む
先週末、シネマヴェーラで『カナリア』(監督:塩田明彦)と『ディスタンス』(監督:是枝裕和)の2本立てを見てきました。この2作を組み合わせたのは今年で地下鉄サリン事件から12年が経つからなのでしょうが、それにしても「重い」組み合わせでした(笑)。私としては、『カナリア』でだいぶ疲労させられたので、『ディスタンス』での是枝監督の穏やかな撮り方にかなり救われた気がします(『ディスタンス』も実はそん . . . 本文を読む
先週の『ポケット』で唐沢俊一氏と半田健人君が「昭和40年代の捉えにくさ」の話をしていました。
この「捉えにくさ」については私も大いに同感なので、放送終了後、大澤真幸氏の①『虚構の時代の果て』や②『戦後の思想空間』を読みつつ、その「捉えにくさ」の理由について考えてみました。
①②の冒頭に書いてあることは以下のように要約できると思います
①「見田宗介によれば、日本の戦後史は理想→夢→虚構の三段階に区 . . . 本文を読む
中学入試真っ盛りの昨日、『ユメ十夜』を見てきました(そういえば、11年前の昨日も木曜だった・・・)。
私の当初の目当ては監督:実相寺昭雄の「第一夜」だったのですが、見終わった今では「第三夜」「第四夜」「第六夜」あたりが印象に残っています。そもそも本作は夢の話なのでしっかりしたストーリー性を求めるのはお門違いなのですが、上記の3つは一応の起承転結がしっかりしていた点に好感が持てました。特に「 . . . 本文を読む