風来人の日記

風来のkazrinの日記です。
現在、乳がん治療中。
そんな日々のあれこれを綴っています…。

大病院は時間がかかる その3

2006年03月05日 17時47分27秒 | 発覚~治療開始まで
またまた続きです。

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やっと呼ばれたと思ったら、「中の待合室」だったのにはやられました^^;
でもそこではそれほど長く待たずに済み、
6時20分くらいにようやく診察室に入ることができました。
先生は男性で、30代半ばくらい、市川染五郎さんをあっさりめにした感じです。
「ずいぶん待たせてしまってゴメンナサイ」
私もずいぶん待ったけど、この先生もずーっと患者さんを診続けていたんですよね。
先生も大変だな、と思ったら、ちょっと気持ちが軽くなりました。

診察では、まずエコー検査をしました。
診察台(ま、簡易ベッドですが)に上半身を脱いで横になり、
「タイタニック」の中で、ローズがジャック(レオ様)に
スケッチしてもらった時のようなポーズを…(⌒▽⌒;)アララ~
で、しこりがあったのは右側なのですが、左側もきちんとエコー検査をします。
必死に首をそらしてモニター画面を見ていたのですが、
右胸と左胸では明らかに画像が違いました。
左側は割合均一な横しまに画像が流れていくのですが、
右側のしこり部分に来ると、くっきりと黒いカタマリが島状に見えるのです。

しかし、先生いわく、
「確かになんらかの異常(カタマリ)があるのは確かですが、
これだけでは両性か悪性かの判定は出来ないんです」という。
えー?そうなの??
しこり=全て乳がん、としか考え付かなかった私としては、
ちょっと意外な気がしました。
よく聞くと、「線維腺種」や「乳腺症」という、
良性の(というか、ガンではない)しこりの場合も多いのだそうです。
「それを判断するのには、針生検をお勧めします」という。

普通サイズの注射器で、微量の細胞を採出する、という検査は、
前に別件で体験したことがありましたが、
それだと「細胞に変形が見られるかどうか」くらいの異変しか確認できません。
それに対して今回お勧めの「針生検」は、それよりもかなり大きな注射器で、
採出する細胞量も格段に違うので得られる情報量も多く、かなり明確になるそうです。
もし採取した組織が悪性(ガン)の場合には、そのがん細胞の持つ性質や、
どんなタイプの薬が有効(または無効)であるかまで分かるというのです。
スゴイなぁ…。

しかし…注射器がデカイ。
注射器というよりは、機械修理に使うちょっとした電気ドリルくらいの大きさです。
針も、まるでボールペンの替え芯くらいの太さに見えます。
「針を打ち込む時に、音もちょっとするんですが…」と先生。
試しに…と言って聞かせてくれましたが、
ピアス・マシンガンを使った時の様な、バツン!という音。
先生、それ逆効果だと思うんですけど…^^;
それでも、ここまで来て検査をしないわけにはいきません。
「・・・・・・・・・・お願いします・・・・・・・・」

一応、患部には軽い麻酔をして、痛みはないようにしてくれるとのことでした。
以前、部分麻酔をしての外科手術で、麻酔がほとんど効かず、
切り刻まれる痛さに苦悶した経験があったので心配しましたが、
バツン!バツン!!と2回針を刺したけど、痛みは感じませんでした。
よかった、よかった^^

針生検も終わり、服を着て、先生の話を聞いてみました。
しこりはエコーで確認できたのは約2センチちょっと。
良性なら問題はないけど、悪性の場合だと少々大きいので、
つい最近の発症というよりは、もっと以前からあったと思われる…と。
マンモグラフィーのことを聞いてみると、
私の年代ではまだ乳腺が活発なので、乳房全体が白っぽく写ってしまい、
乳がんの発見は難しい状態だったといいます。
もう少し年をとって、乳腺が枯れて(?)くると、
黒っぽく写る乳房の中に、乳がんの部分が白く写ってくるそうです。
実際、自分の写真を見せてもらいましたが、
確かに「ここにしこりがある」と分かっていればこそ、
白く網目状に広がる乳腺の中に、
かすかに密集した白い塊が見えるような、見えないような…。

針生検の結果は1週間くらいで出るそうなので、
次回の予約は1月5日になりました。
「次は予約になるから、こんな時間になることはありませんよ」
診察室を出たのは7時20分頃。1時間かかっていたんですね。
1人1人の診察にこれだけ時間がかかるのなら、
待ち時間が長いわけです。ああ疲れた。
すでに病院内はほとんど真っ暗で、
ブレストセンターのスタッフだけが残業しているみたいでした。
「会計も閉まっていますので、お会計は次回来院の際にお願いします」
ああ、ホントにビリッケツだったんだなぁと実感しました。

病院を出て、会社に電話しました。もう7時半です。
上司はまだ残ってくれていましたので、一応会社に戻って、経緯を説明しました。
長い長い一日が、やっと終わったのでした…。疲れた。

大病院は時間がかかる その2

2006年02月28日 22時36分36秒 | 発覚~治療開始まで
前回の記事の続きです。

「マンモグラフィー(乳房撮影)を撮って、その後で先生の診察になります」
ということで、1階の「放射線科」受付へ行きました。
たぶん12時50分くらいだったと思います。
「○番の部屋で呼ばれるので、近くで待っていてください」
廊下にあるモニターに、どの部屋が何人待ちかが表示されています。
自分の順番は3人目くらいでした。
3人目ならすぐかな? と思っていたのですが、これがまた甘かった^^;
他のレントゲン室は次々と呼ばれて進むのに、
MMGの部屋は1人が入るとなかなか出てこないんです。
…結局、40分くらい待って、ようやく呼ばれました。

中へ入ると、4畳くらいの部屋に撮影用の機械がありました。
「上半身の服を全部脱いでお待ちください」と、女性スタッフ。
話には聞いていましたが、マンモは初体験です。
乳房をアクリル板のようなもので挟んで、薄~くのばしたところを撮影します。
片胸ずつ、上下に挟んで1枚、左右に挟んで1枚…と撮っていきます。
かなり圧迫して、引っ張るようにしてのばすので、結構しんどい撮影ですね。
おもちをつぶしたみたい…と表現した友人がいましたが、まさにそんな感じ。
右胸2枚、左胸2枚と撮った後、しこりのある辺りを中心にもう1枚、
全部で5枚を撮影しました。

「現像して渡しますので、着替えてお待ちください」
そうかー。だからこんなに時間がかかるんだな、と納得しました。
1枚1枚の撮影にも手間がかかるし(挟むのが意外と大変)、
現像待ちするのでは待ち時間が長くなるわけです。
結局、MMGには20分くらいかかりました。

渡されたマンモの写真を持って、再びブレストセンターの受付へ…。
時間はその時点ですでに2時になっていました。
「今日は外来の患者さんが多いので、時間がかかると思います」
聞いてみると12人待ちだという。12人って、多いんだろうか…??
風邪などで病院にかかった場合なら、
12人待ちといってもそんなに時間がかかるイメージはないですよね。
私もそんなイメージしか出来なかったので、結構軽く考えてました。
長くても2時間待ちくらいだろう、と。
(その予想が甘かったことは、後で思い知ることになります)
すると受付のお姉さん、電話番号を書いた紙を渡して、
「時間がかかりますから、いったん外出されて構いませんので、
3時半過ぎにこの番号に電話して、状況確認をしてください」
なるほどー。そういうシステムなんですね。

でも1時間半っていうのは微妙な時間です。
近いとはいえ、会社に戻って仕事するには中途半端な感じです。
仕方ないので、会社に電話して今の状況を説明し、
近くの喫茶店で時間をつぶすことにしました。
チッ、チッ、チッ、チッ、チッ、チッ、チッ、チッ、チ…
ようやく3時半。電話を入れてみます。
「まだあまり進んでいませんので、4時半頃にもう一度お電話をお願いします」
ええ~。最初から4時半って言ってくれたら会社に戻ったのになぁ!
と思ったけれど、仕方ありません。
辛抱強く4時半まで待って、再度電話すると、
「5時ごろまでにお戻りください」
やっとだなー、と思い、5時少し前に病院に戻りました。
ブレストセンター前の廊下には、まだ待っている人が何人もいました。
昼間、他の科の周辺には大勢の患者さんがいましたが、
病院内はすでにガランとしていて、
この時間になっても人がたくさんいるのはここだけのようでした。

それにしても、なかなか名前を呼ばれない…。
だんだん辺りの照明も落とされ、
ブレストセンターだけが残されているようでした。
結局、ここまで来てやっと気付いたのですが、
受付時間ぎりぎりで紹介状もなしに外来に飛び込んだ私は、
順番的には一番ビリだったのですね。
ようやく名前が呼ばれ、「中の待合室」に通されたのは、
もう6時を回っていました。(更に続く…)

大病院は時間がかかる その1

2006年02月26日 01時38分31秒 | 発覚~治療開始まで
*だいぶ空いてしまいましたが、
 12月26日に右胸にしこりを確認、
 翌27日に会社のパソで病院選びをした後のお話です。

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病院の受付が11時までと分かって、急いで会社を出ました。
S病院は、会社から車で約10分程度のところにあります。
距離で行くと3キロ弱…ってところでしょうかネ。
タクシーで乗り付けて到着すると、もう10時半です。
受付、受付…って、どこだーい??

大病院って、そこのシステムを把握するまでが大変。
一応、分かりやすく案内表示してあるはずなんだけど、
初めての場所って、どうも苦手でなんですね。

なんとか「初診受付」の窓口を見つけて、
新患受付用の申し込み用紙を書き込んで、提出。
「紹介状はお持ちですか?」
…当然、持ってないわな。
会社内にある診療所の先生に頼むことも出来たでしょうけど、
年末だったし、時間的な余裕がありませんでしたからネ。
ちょっと無謀だったのかなー、という不安を覚えつつも、
受付を済ませ、診察券を作ってもらいました。
係りのお姉さんに診察券と受付票を渡されて、
「2階の○番、ブレストセンター(乳腺外科)カウンターに出してください」
さすが大病院。科がたくさんあります。
おかげで少々迷子になりかけましたが、
どうにか目指すカウンターにたどり着きました。

カウンターに受付票を出すと、紙を渡されました。
問診票の記入です。
来院の理由、症状や病歴、アレルギーの有無、
飲んでいる薬の種類などを書き込んで渡します。
その後で看護士さんが詳しく問診するので、
呼ばれるまで待ってください、と言われました。
広い廊下にズラリと並んだ長椅子に座って待ちます。
科が科なので当然ですが、待っているのは女性ばかり。
年代は様々で、20代くらいのお姉さんから、
6、70代くらいのおばあちゃんまで様々です。

………だいぶ待ちました。かなり待ちました。
ようやく名前が呼ばれたのが12時半過ぎ。
しこりの位置や発見時期などを看護士さんが聞き、
それをパソコンに入力していきます。
つまりは私個人のカルテの元になるデータを作成しているのですね。
(この病院はあらゆることがコンピュータで管理されてました。スゴイ!)
数分間の面接(?)で問診終了。ふうε=( ̄。 ̄;A

「これからマンモグラフィー(乳房撮影)を撮って、その後で先生の診察になります」

…そう、これはほんの入り口。
診察を受けるまでの道は、まだまだ続くのでした。(続く)

病院、どこにする?

2006年01月15日 16時01分23秒 | 発覚~治療開始まで
さて、検査を受けに病院に行く決心はしたものの、
どんな病院に行けばいいのか、さっぱり知識がありません。
イメージ的には「婦人科」かな?とも思えたのですが、
自分が掛かっている婦人科の病院に行く気は起きませんでした。
診察くらいは出来るかもしれないけれど、
がん治療の出来る設備があるようには思えなかったのです。
ヘタな病院選びをして、取らなくてもいい乳房を取られてしまっては困ります。
そういう話って、ちょっと前までは結構多かったですからね。

そこで翌朝、とりあえず出社した私は、
会社のパソコンでネット検索しまくりました。(ゴメンナサ~イ
すると、乳がんを診てもらうには、基本的には「外科」であること、
それも出来れば「乳腺外科」であることが望ましいことが分かりました。
恥ずかしながら、「乳腺外科」という存在を知ったのは、
この時が初めてでした。
(「あるある」でも紹介してたけど、よく聞いてなかったみたいですネ

次に「乳腺外科」のある病院の検索です。
一応、自分の中での基準としては、もし結果が悪かった場合に備えて、
 1、通うのが難しくない場所(距離)であること
 2、きちんと診断&治療が出来る設備があること
 3、専門的な知識を持ったスタッフが揃っていること
を条件に考えてみることにしました。
中でも2、3の条件を満たすには、
ある程度の規模の病院になるだろうという予想はつきました。
そこで自宅、会社の周辺地区内で、
「乳腺外科」のある病院を検索してみました。
いくつかヒットがありましたが、どうもピンと来ません。
それは所在地の問題であったり、規模的な問題であったりしました。

決め手がない…
しかし今日中に病院に行くことを考えると、あんまりゆっくりは出来ません。
ふと、会社から比較的近場にある、築地のS病院を検索してみました。
S病院のHPはすぐ見つかり、診療科案内のページを見ましたが、
30ほどある診療科の中に、「乳腺外科」の文字はありません。
残念。こんなに科があるのに、ないなんて……。
利便性や規模からいっても、ここだと申し分ないのに。
再び他の病院をチェックしながら、
心残りで何度かS病院のHPに戻っては、うろうろとしていました。
そのうち、S病院の診療科目の中に、
聞きなれない科名があるのが目に付きました。

「ブレストセンター」

なんだろう、これ???
全く見当がつきません。

単純な好奇心からポチっとクリックしたところ、
なんとこれが「乳腺外科」に相当する科だったのです。
決めた!ここだ!!

外来受診の情報を見ると、受付は11時までとなっていました。
時計を見ると10時10分。急げば間に合う!
すぐに上司に簡単な説明をして、強引に許可をもらい、
タクシーをつかまえて、私は病院に向かいました。

そもそもの始まり

2006年01月09日 11時44分07秒 | 発覚~治療開始まで
人生って何が起こるかわからない。
もちろん、誰しもが自分の未来に降りかかる出来事なんて、
何ひとつ知らずに生きているわけだけど…。
自分とは無縁の世界だと思っていたことが、
ある日自分に降りかかる………。
そんな日が、私にもやってきたのかも知れない。


ことの始まりは昨年12月。
健康情報番組好きの私は、「発掘!あるある大辞典」を見ていました。
その日の特集は「女性の身体総点検スペシャル」。
会社ではバリバリに働いてきた41歳。
事務系の仕事ではありますが、あれもこれもと任されて、
安いお給料とは対照的に、悲鳴を上げるほどの忙しい毎日です。
そんな自分にとって、これはちょっと気になるテーマでもありました。

生理痛が激しかったり、子宮内膜症も持っていたので、
子宮方面の検査は何度か受けていましたが、
乳がんに関してはまったく意識したことがありませんでした。
会社で行われる健康診断では、そこまで診ませんし、
婦人科検診の案内が来ても、忙しさにかまけて受診したことがありません。
そういう人、私以外にも結構多いのでは??
だからTVでセルフチェックを「さあ、やってみましょう」と言われた時に、
初めて「あれ?なんか左右の感触が違う?」と気づいたのです。

ただその時は、まだ生理後の胸の張りが残っている時期で、
「気のせいかもしれない」と思いました。
張りが引くまで数日待って、もう一度確認しよう、と。
そして1週間後、そういえば…と思い出して再度チェックしてみると、
右の乳房にはっきりとした「しこり」が確認できたのです。
それも決して小さくはないように思えました。
なんで今まで気づかなかったのでしょう。
それが12月26日の夜のことでした。

仕事は半端じゃなく忙しい時期でした。
年内に済ませなければいけない物もたくさんあったし、
年明けでも1~3月までは、どう段取れば完遂できるかと、
ずっと頭を悩ませている過密スケジュールが控えていました。
病院に行っている時間があるのか?
治療に時間がかかったら、仕事は一体どうなるのか?
…けれどもし今、行かなければ、自分はこの忙しさに流されて、
あっという間に半年くらい経ってしまうだろう。
そのときに手遅れだと言われたら、取り返しがつかない。
ほっとけばたぶん、片胸を失うかもしれない。
もっと悪ければ、死んでしまうかもしれない。

私は病院に行くことを決心しました。
それも明日、行こう、と。
どこの病院に行けばいいのか、まったくあてはありませんでしたが、
ためらっている時間はないと思いました。

そしてこの日の決断が、全ての始まりとなったのです。

ごあいさつ

2006年01月08日 21時46分34秒 | 発覚~治療開始まで
はじめまして。風来のkazrinと申します。
他所ではいくつかのブログに手を出していますが、
ここgooで書くのは初めてです。どうぞよろしくお願いします。

実は先日、「乳がん」の宣告を受けました。
自分で異変に気づき、検査を受けに行って判明しました。

今までそういった病気の世界とは、
自分は無縁のところにいるんだと(勝手に)思っていたのですが、
どうやらそんなに甘くなかったようです。

まさか自分が…という驚き、戸惑いはありますが、
ここで病に負けてしまうわけにはいきません。
まだまだやりたいことがたくさんありますから!
それに、病に悲観的になって途方に暮れていては、
精神的にもよろしくないし、なにより時間がもったいないですよね?
病気のあるなしにかかわらず、
人が生きられる時間というのは、限りあるものなのだから。

そんなわけで、ここでは闘病日記(のようなもの?)を
書いていこうと思っています。

なにしろまだなりたての病人なので、
同じような体験をした方々からお話を聞ければ、
ずいぶんと心強いと思います。
また、わずかながらでも自分の体験してきたことが、
どこかで誰かの役に立つかも知れません。

それに、自分は連絡不精なところがあるので、
離れたところにいる知人や友人たちに、
ここを通して近況が伝わるようにしたい、という気持ちもあります。
そんな思いをこめてのスタートです。

闘病日記、と言ってしまうと悲壮感が漂いますが、
元来、自分は楽天的でおちゃらけな性格なので、
そんなに辛気くさいものにはならないと思います^^;
それでもこの手のものが苦手な方はご遠慮くださいね。
それではみなさま、これからよろしくお願いします~