ユーラシアの風~2010年・自転車による単独ユーラシア大陸横断記

2010年・自転車による単独ユーラシア大陸横断記

野宿で過ごす、沙漠の夜

2010年08月26日 | 中国(4)烏市→喀什
新疆に入ってから、安宿では宿泊拒否に合う確率が上がっている。(※)
一旦OKが出ても、後で「やっぱダメだわ」と撤回に来ることもしばしば。このため、否応なく高い渉外賓館に行かされる。仮に泊まれても安宿はたいていエアコンがなく、窓も小さく風が通らない。はっきり言って、寝苦しくて仕方ない。

というわけで、最近はテント泊にすることが増えてきた。この辺りは標高も1000mを超えているので、夜は涼しくて快適。地元の人もみんなベットを玄関先に出し、外で寝ている。幸い、コルラから先も都市間は相変わらず無人の沙漠地帯。


○ある朝。

さて、キャンプ地探しには独特の「嗅覚」がいる。うまい場所を見つけないと、一晩中「不安」そして「劣悪な環境」に悩まされる。

例えば、地面の傾斜。変なところに陣取ると、寝ている間に頭に血が上る。頭の向きを変えればいいのだが、お腹のところが一番高いとどうしようもない。地面の様子も大事。突起物がないか注意。蟻の巣の上は厳禁。テントを食い破られる。そして、雨が降ったとき、水がどう流れるかにも気を配る。(実際、沙漠でも突然降るので…)
野宿を予定している日は、一日中雲の動きを注視。

「獣」そして「害虫」も怖いが、一番出会いたくないのは「人間」だ。基本的には死角を探すが、その死角にたどり着くまでに見られたらアウトだ。沙漠は、人は少ないが死角も少ない。例えテントを張り終えていても、明るいうちに人に見つかれば場所を変える。

これらをの条件を満たす場所を見つけるため、暗くなりかけの30分くらいが勝負となる。地図でアタリをつけ、ひとつ手前の集落で晩飯を食べたり、買い物をしたりして時間調整をする。そして、ここと決めたら一気に設営。もたもたしている暇はない。

最後の敵は蚊だ。
沙漠の蚊はいつも何食って(吸って)るのか分からないが、とにかく大量にいる。油断すると集団で文字通り「ボコボコ」にされる。テントに逃げ込めればそこは「蚊帳」と同じ。群れを成す蚊の羽音がうるさいが、それも日没まで。あとは満天の星空を待つだけだ。

朝は気持ちよくていつまでも寝ていられそう…。
だが、日が差すとテント内は一転蒸し風呂に。こうなる前に撤収!出発!
今日もそうやって一日が始まり、一日が終わる。

(※外国人が泊まれるホテルは一応指定されているが、その規則の運用は徹底されていない)


○このあたり、土壌の塩分濃度が高いのか、地面は塩を吹いている。


○そして今日も日が暮れる。


そして今日も風呂に入れなかった。
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3 コメント

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キルギス情報 (lasa)
2010-08-26 00:23:06
カシュガルの宿でお会いしたlasaです。
今はカシュガルの宿で沈没ですか?(笑)

こちらは昨夜、ビシュケクに入りました。
オシュはオシュゲストハウスもアライも開いているので、宿は心配しなくて大丈夫かと。
それとビシュケクのさくらゲストハウスからオシュ経由でウズベクに抜ける人は何人かいるらしいですが、今のところ入れなくて戻ってきた人はいないらしいです。

ちなみにさくらゲストハウスにはWifiあります。

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アリ (kousyujin)
2010-08-26 11:26:28
中国で見るアリは日本では見たことがない種類が結構いますね。
大型のアリから小さなアリまで。
小さなアリは地上6階でも上がってきますし、わずかな臭いもかぎつけて群がります。足も速くつぶすのが大変。大型は噛まれると大変ですね。

野宿は危険を伴いますので十分注意してくださいね。(自然的にも、人的にも)
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レス (hiro)
2010-09-01 12:28:40
lasaさん>
沈没ならまだよかったんですが、撃沈です。撃墜です。病気療養中です。今思えばどうも何もする気にならないほど身体がだるい…って熱あったに決まってますよね。
情報ありがとうございます。もう追いつけないとおもいますが、再見!

Kousyujinさん>
やっぱり足速いですよね?私も思ってました。ちょっと普通じゃない。数も多いし、砂漠にもいる(本当、何食べてるんでしょう?)
ヤツらが蟻の巣じゃなく蟻塚を作ってるのを、私は初めてみました。
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