ホワイトのお部屋

日本画を描く日々の悩みや喜び

モディリアーニ「おさげ髪の少女」に会いに行った

2023-02-28 10:57:35 | 日記

   画室の壁

県立美術館にモディリアーニの「おさげ髪の少女」に会いに行きました。父がモディリアーニが好きだった影響もあるとは思うけれど、私も子どものころから好きでした。

父は絵描きになりたかったのです。けれど、当時絵描きなどと言うと極道になるというのと同じだと思っていた祖父は絶対に許さず、京都の欄間屋に丁稚奉公に出されました。絵描きにもなりたかったが、勉強も好きだった父は、厳しい丁稚奉公の中でも、夜布団の中に電気を入れて勉強をしていたため、とうとう当時でいうノイローゼになり家に帰されました。そんなに好きならばと言っても絵描きは絶対に許されず、勉強を続けるならと大阪外国語大学に行きました。ドイツ語を勉強して、ドイツ人の会社に就職したけれど第二次世界大戦が始まり退職せざるを得ませんでした。

自分の思うような人生を送れる人は、きっと少数でしょう。父も不本意な人生だったと思いますが、会社に勤めながら休みには、釣りをしたり絵を描いていました。父が写生に出かけるときは、私も画板とクレパスを持ってついていくこともありました。私が絵が好きになったのは、父の影響が大きいと思います。

ところで、この展覧会は、岡山県立美術館で3月12日まで開催しています。チケットが1枚余っています。ご希望の方がありましたら、差し上げます。手渡しか郵送が出来る方に限りますけど。


今回も楽しい自由な絵画教室

2023-02-21 09:50:20 | 日記

1月は私の日本画教室と重なったためお休みしたので、久しぶりの自由に描いて自由になる絵画教室。自由と言ってもむちゃくちゃ描いたのでは絵にならないし、それなりに形や色のバランスを考えながら既成の概念にとらわれず自由に心を遊ばせて描くというのは、私にはなかなか難しい。

日本画を描いてくる中でもよく師に言われたのが「あなたは頭で描いている」ということ。これはこういうものだという理屈で描いているということだ。いくらそう指摘されてもなかなか抜け出ることはできない。

「自由に描いて自由になる」という言葉に惹かれて、そして師のお人柄に魅かれて入れて頂いた教室。まずいつも心掛けているのが、「うまく描こうと思わない」ということ。何といっても楽しく描くということ。いろいろなしがらみにがんじがらめに縛られて生きている私。それが絵にも表れて、自由に描くことが出来ない。だから、まず楽しくと。

そして描いたのは、上の絵。大きな赤いヤカンの周囲には花が咲き乱れている。ヤカンの中に閉じ込められている様々なものたち。一歩踏み出そうとしている靴。でもなかなか出られない。まるで私のようだ。というふうに見える。でも、これは結果としてこんな絵になっただけで、こういう理屈を考えて描いたわけではない(笑)

   

この2点は、未完成。もう少し手を加える必要がありそうだけれど、未完成も案外いいな。


個展の準備

2023-02-16 10:48:16 | 日記

 配置を考え中

個展の目玉にするつもりで制作中の四曲屏風に貼る草花の絵の配置の案を考えて、表装の業者さんに出しました。最低20点と思って制作の絹本の草花の絵も裏打ちに出して、準備は順調に進んでいる筈なのに、何か落ち着きません。

草花だけの作品の個展も初めてですし、屏風以外はすべて絹本作品というのも初めて。また、県展や日展作品では、「油絵ですか?」と聞かれることもあるくらい日本画にしては厚塗りの作品を描いてきた私としては、これぞ日本画というような薄塗りで、表現も写実的な素直な作品ばかり。

アイルランドでの取材をもとに、ワイエスに影響を受けたような作品も嫌いではなかったけれど、身近なかわいい花や道端や野にさく雑草と呼ばれる植物たちを素直に写実に近い表現で描いてみたいという願望のもとに、今回の個展の作品をまとめました。

皆様に楽しんでいただけるかどうかわかりませんが、ともかく後にはひけず(笑)、でも、これも私が描きたかった作品たちです。

絵以外での身辺は、何かと忙しく、そういうことで時間をとられることも多いので、早め早めと思って進めてきましたが、どういうことになりますか・・・


102歳、一人暮らし

2023-02-13 11:21:13 | 日記

先日夫が好きな番組「ポツンと一軒家」に92歳でバイクを乗りこなし、午前と午後2キロ離れた畑に通っている一人暮らしの元気な女性が出ていました。元気で長生きの人が増えてきて、とても真似はできないなあと思うものの、少しでも見習えたらいいなあという願望はあります。

この本も102歳で元気に一人暮らしをしている石井哲代さんという女性の本です。最近では、図書館で借りて読むことにしていますが、この本は図書館には無かったので思い切ってネットで購入しました。

時々近くに住む姪御さんの助けを借りますが、一人暮らしだから身の回りのことは、自分でします。シニアカーでお出かけもします。新聞も読むし日記もつけています。大正琴やピアノもひきます。本当に素晴らしい。

同じような生き方は、多分私には無理だと思いますが、人間こんな生き方も可能なのだと希望が湧いてきます。もちろん、誰もが出来るわけではないけれど、元気が出ます。


天神町界隈を歩いてみたら

2023-02-12 11:00:37 | 日記

  

今我家には車は1台しかありません。夫の車は廃車になって、私の車を下取りにだして軽四を買ったからです。その車は、もっぱら私が使い、たまに夫が使います。昨日は、夫が車で田舎へ行ったので、久しぶりにバスを利用しました。県庁前で下車して県立図書館に借りていた本2冊を返却、徒歩で天神山文化プラザへ向かいました。

ふだん車で通り過ぎるところも歩くといろいろなものが目にとまり、発見があるということはよく聞きます。いろいろな発見があり、歩くのもいいものだなと思ったなかで二つ紹介します。

右の写真は前から一度見たいと思っていたオリエント美術館の近くの甚九郎稲荷の境内に移設されている元岡山警察署の遺構(基礎の一部)です。ただの瓦礫に過ぎないように見えますが、天神町界隈の昔をしのぶものです。ほんの一部だけで価値はないかもしれませんが、私には多くを語り掛けてくれているように思えます。右に立っている石柱には「亜公園集成閣」とありますが、1890年代のころ今で言うテーマパークのような歓楽街があった場所だということを示しています。(詳しく知りたい方にはRSKから県立美術館へわたる横断歩道の手前に案内板があります)

ここに移設される前は、RSKに新社屋が建っている敷地の西側の端にあったのです。これは一体何だろうと不思議に思って描いた絵が左側の写真です。タイトルは「刻のかけら」です。放置された壊れた自転車とともに何かを感じていただければ、この絵を描いたかいがあります。この絵は、母校である朝日高校に寄贈しました。

そして、もう一つの発見は、その甚九郎稲荷の境内にあるレトロなかんじのレストランです。

枯れたツタがからまる古い建物の入口を入ると階段があり、おそるおそる上がって行くと右側にドアがあり(写真)中に入ると美しい女性が一人で切り盛りしている小さなレストランがありました。お料理は一種類だけ、しかも数量限定で、12時半には売り切れ。売り切れた後からも次々と若いお客さんが来られて、申し訳なさそうにお断りをしておられました。その日のメニューは、鱈のから揚げのあんかけ、ショウガ入りの厚焼き玉子、いろいろお芋のソテー、にんじんと金柑のサラダ風(名前は忘れた)、崩し豆腐のお味噌汁、デザートはココアのシフォンケーキ、菜の花ご飯(?)で1400円。主菜はお肉とお魚を交互に出すそうです。お味は、とても美味しかったのですが、若い男性には少し量的に少ないと思われるかも。

注意:その美しい女性の営業日は金曜と土曜だけ、後は別の人の営業になるそうです。確かテレビでも紹介されていたことを後になって思い出しました。あ、いい忘れました。レストランの名前は、「おべんとう、にちにち」です。数量限定なので、あんまり宣伝したくないレストランでした。

 


明誠学院高等学校卒業制作展ー今年も良かった

2023-02-12 08:49:56 | 日記

明誠学院高等学校特別芸術コースの第20回卒業演奏会☆卒業制作展を見に行きました。(正確には卒業制作展だけで、演奏会には行けていませんが)

3年前初めてこの学校の卒制展を見た時から、ちょっと注目しています。高校生なので、まだまだ荒削りの感はあるものの、一生懸命さというかひたむきさのある作品が多く、可能性を感じてうれしくなるからです。また、「説明させていただいてもいいですか」と了解を得てからの1~2年生(?)の生徒さんの説明もよく作品について勉強していて、感心させられました。

私が説明してもらったのは、一昨年は女子生徒さん、昨年と今年は男子生徒さんでしたが、どの生徒さんも礼儀正しく説明もとても良かったことを思い出します。今年の生徒さんは、最後にはお送りしますと言って、エレベーター前まで見送ってくださり、恐縮するほどでした。あれっ?もしかしたら高齢で頼りなさそうに見えたからかしら?(笑)

アートを志す生徒さんの未来が明るいことを心から祈らずにはおれませんでした。


あと少し!

2023-02-10 09:37:14 | 日記

ふとしたことで買うはめになった四曲屏風。しかたなく最初は全面をつかってヤマトレンギョウにまつまる伝説を描くつもりで資料を集めたり、スケッチも重ねたりして準備を進めていたのだけれど、他のことに追われてなかなか手つかず、結局挫折して十年あまり放置してしまいました。

咋春、このままにしてしまうにはあまりにもったいない気がして仕舞ったままにしてあった屏風を出してみたら、ガーン!!シミが点々とできているではありませんか。業者さんに見てもらったら「何とかわからないように消せるかもしれない」ということなので、俄然なんとかしようという気持ちになりました。

すでに大きな四曲屏風に仕立てられているものに描くというのは考えてみただけでひるんでしまう。そこで、扇面に好きな草花を描いて、貼ることを思いつき、業者さんに相談すると出来るということなので、この一年、少しづつ描きためてきました。あと少しで16枚になります。さて、どんな配置にしましょうか?

全部つかって一面に4枚づつ貼るか、4枚のものと3枚のものを交互に貼るか、それとも余白を多く一面に3枚づつ貼るか、業者さんの意見も伺いながら決めていこうと思います。

それが出来るまで新日春展出品の絵はお預けでしたが、あと数日になりました。業者さんにお渡しできたら、さあ、日春展の絵を頑張りましょう!(絵は頑張るものじゃない、楽しんで描くものだという故池田道夫先生の声が聞こえます・・・笑)

色々な用事があるし、体力も衰えつつあるからどうしても頑張らなくてはと思ってしまいますけれど、本当は絵さえ描けていたら、私は幸せなのですけど。

 

 


卯の花が咲く

2023-02-07 09:27:33 | 日記

先日岡アートギャラリーさんで開催されていた森下勲作品展ー空木に魅せられてーの会場で見た詩集「卯の花が咲く」(吉久隆弘著)がどうしても読みたくて、図書館で探したけれど見つからなくて、やっとネットの古本市で見つけて購入しました。

空木とは卯の花のことです。会場でパラパラとめくって見ただけですが、あとがきの「・・・詩もひっそりと書き続けた。とくに、一人は私の母、一人は妻の母、卯の花のトンネルをくぐって、二人の情愛は濃く流れてきた。」という一節に強く心惹かれたからです。

卯の花は、まだ名前も知らなかった幼い頃和歌山県の山奥の鉱山の村に住んでいた頃から好きな花でした。作者の母が一人で住んでいる山奥の一軒家に向かう詩もその情景が目に浮かび感動しましたが、とくに義母(妻の母)の命の灯が消える時をうたった数編に胸を打たれました。


ハッサクのマーマレードを作った

2023-02-02 18:05:05 | 日記

頂き物のハッサクがあまりにも酸っぱくて、どうしようかとしばらく思案していました。このところ根をつめて絵を描いていたので、今日ふと思いついてハッサクのマーマレードを作りました。私はどちらかというとジャムよりマーマレードが好きなので、ヨーグルトに入れたり、ケーキに入れたりと重宝しそうです。とても美味しく出来ました。