気まぐれ日記

気ままに、また、思い出に

ルーヴル美術館展 愛を描く 国立新美術館

2023-03-16 | 美術館(キルト展を含む)



国立新美術館で開催されている、ルーヴル美術館展に行って来ました。
美術館展はなかなか混んでいました。時間指定で当日のオンラインチケットは完売したとアナウンスがありましたが、当日券を買い求める人が多かったです。








中は撮影禁止ですが、第4章最後の部屋だけは撮影が許可されています。
私が好きな神話画やキリスト教絵画が多く展示され、わかりやすく、美しい絵画が74点揃っています。
気になった絵画を載せてみます。

1、フランソワーズ・ブーシェ
『アモルの標的』
目付きの鋭いアモル(キューピッド)が愛の矢の的の当確を判定しています。
今回は見事にハートに的中しました。勝利と栄光のシンボルのオリーブの冠を上げてのガッツポーズが出て、おめでとう、合格です。
恋は成就されるでしょう。残念な外れた的跡もたくさんあります。



8、ジャン=ブルーノ・ガッシー
『ディアナとエンデュミオン』
小さい絵ですが、額が見たことがない額なので絵より印象的です。
↑のリンクに額が見えます。

11、セバスティアーノ・コンカ
『オレイテュイアを掠奪するボレアス』
のどかな背景に対比する荒々しい動きです。



16、ドメニキーノ
『リナルドとアルミーダ』
オペラにもなっている、魔女アルミーダとリナルド(メロメロ状態)の愛溢れる絵画です。
リナルドを取り戻しに来た兵士が茂みからチャンスを狙っています。


18、フランソワ・ブーシェ
『プシュケとアモルの結婚』
幸せに満ちた美しい作品です。
左下の犬みたい?な狂暴さを感じさせる動物がなぜこの場面にいるのかな?

20、16世紀後半にヴェネツィアで活躍した画家
『アドニスの死』
人間の青年アドニスを愛してその死を悲しむあまり、気絶するヴィーナスと彼女を介抱さる女性たちが描かれています。
このテーマの絵画は多いです。
花のアネモネの誕生悲話となった
、アドニスに致命傷を与えた猪を3人のアモルたちがトライアングル攻撃をする様子が後方にも描かれいます。



27、ウスターシュ・ル・シュウール
『ユピテルの雷を盗むアモル』
ユピテルの雷だけでなく、ユピテルのアトリビュートの鷲にまたがっています。

35、サッソフェラート
『眠る幼子イエス』
一見、ラファエロかと思いました。穏やかで和む素敵な絵です。


38、シャルル・ル・ブラシ
『エジプトから帰還する前の聖家族』
フランス王ルイ14世の第一画家のル・ブランの作品で、脇役が多いヨゼフに勢いがあり、真ん中に目立つ構図になっています。

39、ドメニコ・マリア・ヴィアーニ
『放蕩息子の帰還』
レンブラントの同じテーマの作品が有名ですが、こちらは息子の悔恨表情が強く出ています。
レンブラントの方の息子は横向きで父の表情を強く出しています。


59、ジャン=オノレ・フラゴナール
『かんぬき』
一瞬の場面を鮮やかに描写されています。


62、フランソワ・ブーシェ
『褐色の髪のオダリスク』
ルイ15世の公妾、ポンパドール婦人とは対照的に肉感的に描かれるルイ15世の愛人の1人です。
(ポンパドール婦人は美貌とともに知性を強調する本やペンと描かれる)



64、トマス・ゲインズバラ
『庭園での語らい』
自然の中に鮮やかな色のコスチュームが映えます。


67、フランソワ・ジェローム
『アモルとプシュケ』
大人のアモルと人間のプシュケの試練を乗り越えたパッピーエンドを迎える二人。
とっても美しくなごむ絵です。




68、アンヌ=ルイ・ジロデ・ド・ルシー=トリオゾン
『エンデュミオンの眠り』
この時代、ミケランジェロの筋肉質でもなく、グレコの引き伸ばされた不自然さもなく、細マッショのスベスベ肌が綺麗!


69、ジャン=バティスト・ルニョー
『友情の杯を交わすヒュメナイオスとアモル』


70、クロード=マリー・デュビュッフ
『アポロンとキュパリッソス』
ゴッホで有名な糸杉、その糸杉になったキュパリッソス。







71、テオドール・シャセリオー
『ロミオとジュリエット』
ここから、死に至る愛が展示されています。


72、テオドール・シャセリオー
『ヘロとアンドロス』または、『詩人とセイレーン』


73、ウジェーヌ・ドラクロワ
『アピドスの花嫁』



アリ・シェフェール
『ダンテとウェルギリウスの前に現れたフランチェスカ・ダ・リミニとパオロ・マラテスタの亡霊』
2020年の『ロンドンナショナルギャラリー展』に続いて来日したアリ・シェフェールの絵です。
この時の『ロバート・ホロンド夫人』があまりに印象的だったので、私の中では気になる画家になりました。
大画面のこの絵は、シェフェール独特の雰囲気を感じます。


















ゴッホ展 ヘレーネとフィンセント 東京都美術館

2021-09-27 | 美術館(キルト展を含む)
久しぶりに上野の東京都美術館に出かけて、ゴッホ展を楽しみました。



期日時間指定ですが、なかなか混んでいました。
ゴッホ展だけあって、ゴッホの絵画がたくさん展示されています。

1 芸術に魅せられて: ヘレーネ・クレラー=ミュラー、収集家、クレラー=美術館の創立者

3点の絵画が展示されています。

2 ヘレーネの愛した芸術家たち:写実主義からキュビスムまで

ゴッホの他にもヘレーネが愛した芸術家たちのコーナーもあります。

特にバラの絵画で有名で去年の『ロンドン・ナショナル・ギャラリー展』にもバラの絵画が来日した、
アンリ・ファンタン・ラトゥール。

バラの品種のファンタン・ラトゥールは、この画家の名前をもらっています。
『静物 プリムローズ、洋梨、ザクロ』


磨き抜かれたナイフにレモンが写っています。

ピエール=オーギュスト・ルノワール
『カフェにて』


31歳で早世してしまったため、作品が少ない新印象派、点描画家のジュルジュ・スーラ。
ヘレーネはスーラの作品がとても好きだった(私もスーラ好き)らしく、4点も購入しています。
『ポール=アン=ベッサンの日曜日』


シニャックの作品も来日展示されていますが、絵画の縁取りまで、すべて点描で囲っている清々しい絵画です。

オディロン・ルドン
『キュクロプス』


ギリシャ神話に登場する単眼の巨人のキュクロプスが愛するガラテイアを寂しげに見つめる絵画になっています。
キュクロプスは狂暴でガラテイアの恋人を殺してしまいますが、ルドンのキュクロプスには狂暴性が感じらません。
幼少期に里子に出され、孤独を感じていた、ルドンは成長してモノトーンの単眼の絵を数々描き、それに触発された水木しげる画伯が『ゲゲゲの鬼太郎』の目玉おやじを生み出したのは、有名な話です。

モンドリアン
『グリッドのあるコンポジション 5:菱形、色彩のコンポジション』


パステルカラーの上品な色彩です。

他にはカミーユ・ビサロ、ポール・シニャック、ジュルジュ・ブラック等の作品も展示されています。

これから後は、すべて、ゴッホの絵画です。
3-1素描家ファン・ゴッホ、オランダ時代
細かい素描が、数多く展示されていて、細かく鑑賞するのに時間がかかり、この辺りとても混みます。
有名な絵画『じゃがいもを食べる人々』のリトグラフが展示されています。
余談ですが、この油彩画は、徳島県の大塚国際美術館に展示されています。

3-2 画家ファン・ゴッホ、オランダ時代
『森のはずれ』
ヘレーネが最初に購入したゴッホの絵画です。


3-3 画家ファン・ゴッホ、フランス時代
3-3-1パリ
『レストランの内部』


所々、点描になっています。

『石膏像のある静物』


パッと観て、セザンヌみたいと思ってしまいました。(本とバラがずり落ちそうな感じがします。)
ゴッホの安らぎの文学と自然です。

3-2-2アルル
目指したのは、人の心を高揚させ、慰めてくれる自然

『糸杉に囲まれた果樹園』


『レモンの籠と瓶』


赤でレモンの縁どりをしています。

『種まく人』
ジャン=フランソワ・ミレーを尊敬していたゴッホ。

特別出品 『黄色い家 (通り)』


ゴーキャンが来るのを心待ちしていて、部屋に飾るため、ひまわりを描きました。
黄色に映える空の色です。

『サント=マリー=ド=メールの海景』


3-3-3 サン=レミとオーヴェール=シュル=オワーズ

『サン=レミの療養院の庭』


『悲しむ老人 (永遠の門にて)』


『夜のプロヴァンスの田舎道』


『花咲くマロニエの木』


生前にはたった1枚しか絵が売れなかったゴッホですが、ファーストネームのヴィンセントだけを入れた署名の作品があります。

ロンドン・ナショナル・ギャラリー展のレンブラントの所でも書きましたが

「ラファエロ・サンチェ、ミケランジェロ・ブオナローティ、ティツィアーノ・ヴェチェッリオと偉大な画家は、ファーストネームで後世に残る。」

偉大な画家を目指しファーストネームで呼ばれるあこがれや気概を感じました。

それから、浜辺美波さんの解説は良かったです。
押さえ気味の声のトーンで速さも良かったですね。
個人的には多部未華子さんの美しい日本語が特に好きです。
























ロンドン・ナショナル・ギャラリー展 上野国立西洋美術館

2020-07-10 | 美術館(キルト展を含む)
グランド・ツアー

旅行に行くなら、世界遺産が世界一多いイタリア。
旅行に行ったら、写真をたくさん撮りたい、景色の良いポストカードがあれば買いたいとみんなが思います。この時代はどちらもありませんから、せめて素敵な絵を買って帰ろうとなり、カナレット等の画家が大人気になります。

カナレット
『ヴェネツィア大運河のレガッタ』
カナレットは、正確な風景にレガッタのお祭りイベントを組み入れ、さらにこの位置からは見えない橋もサービスして、躍動感ある景色を描きました。


クロード=ジョゼフ・ヴェルネ
『ローマのテヴェレ川での競技』
競技を競う、こちらにも人が押し寄せ、密閉ではないけど、密着、密接の二密状態です。


フランチェスコ・グアルディ
『ヴェネツィア サン・マルコ広場』



ポンペオ・ジローラモ・バトーニ
『リチャードと・ミルズの肖像』

「景色もいいけど、私をアップで、得意ポーズで描いて。私は、今、ここにいます。」と注文したのでしょう。
五賢帝の一人、マルクス・アウレリウス像も一緒に描いてもらいたかったのしょう。



風景画とピクチャレスク

クロード・ロラン
『海港』
沈み行く夕日、船、荘厳な建築、木々、散策したり、働く人々と美しい風景は実在ではありません。
ロランが描いた理想の風景です。



ヤーコブ・ファン・ロイダース
『城と廃墟と教会のある風景』
オランダを代表する風景画家、ロイダースは、イギリスでも人気があります。
『死ぬまでに観ておきたい世界の絵画1001』にも選らばれたこの絵は、
実際に観ると細部まで細かい細密描写がすばらしい。
『細』が3つ揃っています。



ニコラ・プッサン
『泉で足を洗う男のいる風景』
プッサンの作品が風景画のジャンルで来日、しかもまた、よりによって難解なこの絵とは。
足を洗う男や手前の人物は、なんとなくわかりますが、真ん中の大きな木の目立つ✕じるしとその下に吊るされている2つ(不気味にも見える)は何かは、わかりません。


せっかくなら、同じロンドン・ナショナル・ギャラリーの『チコちゃんに叱られる アイドルってなあに!』
で紹介された、プッサンの
『黄金の仔牛の礼拝』も来てもらいたかったです。
わかりやすいのに、残念❗️


アルベルト・カイプ
『羊飼いに話しかける馬上の男のいる丘陵風景』



カイプの代表作で、ロンドン・ナショナル・ギャラリー蔵で、『死ぬまでに観ておきたい世界の絵画1001』に選ばれ、オランダ風景画の最高傑作と言われる『騎馬人物と農民のいる川辺の風景』は残念な事に来日は、かないませんでした。




トマス・ゲインズバラ
『水飲み場』



リチャード・ウィルソン
『ディー川に架かるホルト橋』


イギリス人が大好きな
ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー
『ポリュフェモスを嘲るオデュッセウス』
神話を基にした風景画ですが、風景の中に、上手く神話を組み入れて描いています。

ターナーは、ぼわ~ンとした絵を描く画家の印象が強かったのですが、
細かく描いています。
船を導く魚の群れ、海のニンフのエレネス、赤い旗の下の赤い服が目立つオデュッセウス、1つ目の巨人は雲に重なり、アポロンの4頭建ての馬車の馬は、よくよく観ないとわかりません。


ターナー並ぶ風景絵画の
ジョン・コンスタンブル
『コルオートン・ホールの
レノルズ記念碑』


広大な風景が多い中、目立つ絵です。ルネサンスの巨匠、ファーストネームで讃えられる、左のミケランジェロと右のラファエロの胸像を配し、レノルズを讃えています。

イギリスにおけるフランス近代美術受容

ジャン=オーギュスト=トミニク・アングル
『アンジェリカを救うルッジェーロ』

『グランド・オダリスク』で、なが~い背中を描いて、「背骨が一本多い」と言われてしまったアングルですが、今回は、「人の首がこんなにも曲がらない」と言われたそうです。確かに!
アングル好きとしては、それは気にせずに鑑賞します。



ジャン=バティスト=カミーユ・コロー
『西方より望むアヴィニョン』


アン・シェフェール
『ロバート・ホロンド夫人』
モダンな感じなので、最近描いたようにも見えます。



ピェール=オーギュスト・ルノワール
『劇場にて (初めてのお出かけ)』
ルノワールの絵は、常設展にいつも展示されています。



クロード・モヌ
『睡蓮の池』
常設展にモネの睡蓮の大きな絵もあります。


エドガー・ドガ
『バレエの踊り子』


ポール・セザンヌ
『プロヴァンスの丘』


同じセザンヌ
『ロザリオを持つ老女』


花の絵
アンリ・ファンタン=ラトゥール
『ばらの籠
花の絵画は、いつの時代も人気があります。




ポール・ゴーガン
『花瓶の花』
バックの色彩も明るいですね。



フィンセント・ファン・ゴッホの『ひまわり』
7点ある『ひまわり』の中で一番有名で、これが『死ぬまでに観ておきたい世界の絵画1001』に選らばれています。

アルルの「黄色い家でのゴーガンとの共同生活を期待して、そこに飾るために描かれました。
厚く練り重ねられていますが、穏やかなタッチです。
青色の署名がしっかりと載せられてます。



ゴッホのひまわりは、全部で 6点あります。
最初は、3本のひまわり。



次は2本増えて5本になります。
日本の芦屋にありましたが、神戸の空襲で消失してしまいました。
でも、徳島県鳴門市の大塚国際美術館だけでまだ、観る事ができます。
大塚国際美術館には、ゴッホの『ひまわり』のコーナーがあり、全部の作品が展示されています。


3作目は、更に増えて12本になり、署名が入ります。



4作目がロンドン・ナショナル・ギャラリーの上の作品です。

5作目が、日本のSOMPO美術館にあります。
これは、ゴッホ自身が4作目をコピーしました。
これ以後は、コピーだし、署名もありません。



6作目は3作目の、7作目は4作目のコピーとなっています。
コピーといっても、少しずつ違っています。

ミュージアムショップでは、マスクカバーにもなる、フェルメールのチケットホルダーを買いました。
新型コロナウィルスが怖いので、この日もマスクを3枚持参して、外す度にマスクを換えての外出でした。









久しぶりの美術館で日時指定なので、ゆっくりとたくさんの名画を鑑賞できて、有意義な時間を過ごす事ができました。
































ロンドン・ナショナル・ギャラリー展 上野国立西洋美術館

2020-07-05 | 美術館(キルト展を含む)
スペイン絵画の発見

バルトロメ・エステバン・ムリーリョ
『幼い洗礼者聖ヨハネと子羊』
子供、とりわけかわいい少年(聖人も市井の子供も)を愛情いっぱいに描いている、ムリーリョの絵が2点展示されています。



『窓枠に身を乗り出した農民の少年』有名な絵です。



フランシスコ・スルバラン
『アンティオキアの聖マルガリータ』
すばらしく美しい絵です。
麦わら帽子を被り、左手に祈祷書、右手に羊飼いの杖を持つ穏やかな表情のかわいい女性は、一見、普通の女性に見えますが、後ろに大きな竜を従えているので、聖女マルガリータとわかります。
画中の全ての質感がそのまま伝わってきます。
彼女が持つ刺繍入りの袋は、そのステッチ糸までも一針一針見事なとしか称賛の言葉がうまくでないくらい思わず凝視してしまう、感動の作品です。



ルカ・ジョルダーノ
『ベラスケス礼賛』
レオナルド・ダ・ヴィンチ『モナ・リザ』レンブラント・ファン・レイン『夜警』と並んで、世界三大名画『ラス・メニーナス』を描いたディエゴ・ベラスケスを讃えたのでしょうが、ベラスケスはもっとハンサムだと思いますけど。
怪しい魔法使いみたいです。
ベラスケスの絵画は、魔法でも使ったようなすばらしさだと表現したかったのでしょうか。



その、ディエゴ・ベラスケス

『マルタとマリアの家のキリスト』
タイトルの後ろの3人より手前の2人の女性たちに眼が向いてしまいます。
どうも、タッチがベラスケスらしくない(近くで観ると、どうみても荒いタッチなのに、離れて観ると細かく精密に観えるのが不思議!)
と思って観ていたら、20歳くらいの若い時の作品だそうです。

こちらも魚、卵、にんにくや調理道具の質感がはっきりと伝わってきます。


ファン・バウティスタ・マルティネス・デル・マーソ
『喪服姿のスペイン王妃マリアナ』

『ラス・メニーナス』


で国王フィリペ4世と一緒に鏡の中に描かれている、マルガリータ王女のお母さんです。伯父、姪の近親結婚で生まれた3人の子供が早世してしまい、喪服を着る事が多かったのでしょう。
悲しそうです。



エル・グレコ
『神殿から商人を追い払うキリスト』
鮮やかな色彩と厳しい表情のイエスが描かれています。

フランシスコ・デ・ゴヤ
『ウェリントン公爵』
ワーテルローの戦いで、連合軍を指揮して、フランスのナポレオンを撃破したイギリスのウェリントン公爵の肖像画です。
当時、宮廷画家だったゴヤが描きました。
ウェリントン公爵がこの絵をどう感じたかは不明ですが、威厳ある軍人というより、戦い疲れたようにも見えてしまいます。
やたらと勲章が目立っています。
下には、別の画家が描いた絵も載せておきます。





ウェリントン公爵は、勲章が目立ってなくても、おそらく、下の絵を喜んだと思います。
ゴヤのこの絵は、盗難に遇いましたが、なんとか無事に戻って来ました。




















ロンドン・ナショナル・ギャラリー展 上野国立西洋美術館

2020-07-04 | 美術館(キルト展を含む)
ヴァン・ダイクとイギリス肖像画

アンソニー・ヴァン・ダイク
『レディ・エリザベス・シンベビーとアンドーヴァー子爵夫人ドロシー』
こちらも『死ぬまでに観ておきたい世界の絵画1001』に選らばれいます。
ヴァン・ダイクは、『王の画家にして画家の王』と讃えられる巨匠、ピーテル・パウル・ルーベンスの最良の助手でしたが、師匠が偉大過ぎて、活躍の場がないと活路を求めて、当時、絵画後進国だったイギリスに渡って成功した画家です。

依頼された、肖像画を本人より優美に上品(古川雄大さんもこの事を漏らさずに解説します。)に、雰囲気までもほどよく理想的に描くため、大人気を獲得しました。

今だと、皺やほうれい線をなかった事にすれば、それはみんな喜びますよ!

この絵は、結婚が決まった妹に花を差し出すキューピッドを描き、また、姉妹のコスチュームもイギリス人好みの華美過ぎない上品さでまとめています。



また、常設展には、ヴァン・ダイクの『レガネース侯爵ディエゴ・フェリーぺ・デ・グスマン』も展示されています。
威厳を感じさせる肖像画です。



ヘリット・ファン・ホルトホルスト
『ボヘミア王妃エリザベス・ステュアート』
自然を背景にたたずむ王妃の肖像画ですが、なぜか、絵の中央左端にある文字『Queen of Bohemia 』が目立って、気になりました。



ジョージ・スタッブス
『ミルバンク家とメルバーン家の人々』



ジョゼフ・ライト・オブ・ダービー
『トマス・コルトマン夫妻』
上2作のような意識したカメラ目線(画家目線かな)でなく夫妻を自然なワンシーンにして描いてます。



ジョシュア・レノルズ
『レディ・コーバーンと3人の息子』
こちらは、室内なので、犬でなく、オウムと一緒に描かれています。
古代のコスチュームでとリクエストしたのでしょうね。
神話や伝説の人物に憧れて、自分たちもそのように描いてもらいたかったのでしょう。


トマス・ゲインズバラ
『シドンズ夫人』

こちらは、イギリスが誇るウィリアム・シェークスピアの『マクベス』で『マクベス夫人』を演じる女優、シドンズ夫人で、マクベス夫人のコスチュームでの肖像画です。
小さい絵ですが、凛とした気品のある美しい表情が印象的でした。


トマス・ローレンス
『シャーロット王妃』
大きな作品なので、背景まで丁寧に描いています。
こちらのコスチュームも素敵です。