気まぐれ日記

気ままに、また、思い出に

死ぬまでに観ておきたい世界の絵画1001 スティーヴン・ファージング編集

2019-05-27 | 美術書
「死ぬまでに~」というタイトルの本やDVD が色々ありますが、絵画となると1001作品となるのですね。
15ヵ国の言語に翻訳され、世界で25万部以上が売れました。

その中から、2020年に国立西洋美術館に来日が決まった「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」で、オリジナルが観賞できる、数点を紹介します。


パオロ・ウッチェロ
「聖ゲオルギウスと竜」



ラファエロの同じタイトルの作品は、数年前に来日して観賞しました。
ラファエロのは、とても小さい作品ですが、こちらはかなりの大きさなので、観やすいかな?
画面右上の渦巻く嵐の辺りもじっくり観たいですね。

カルロ・クリヴェッリ
「聖エミディウスを伴う受胎告知」

数ある「受胎告知」の中でも、とても印象的な作品です。



サイズが大きくきらびやで個性的な精密絵画です。
受胎告知にやって来た大天使ガブリエルの横に都市の模型を持っている様な聖エミディウスがいます。
この辺りもじっくり観たいです。

孔雀がいるマンション風の建物にマリアの部屋があるのですね。
また、この絵画は、徳島の大塚国際美術館に展示されています。

レンブラント「34歳の自画像」
大塚国際美術館にレンブラントの自画像がズラリ並んでいますが、これは、長方形でなく上が曲線なのですね。
こちらも大塚国際美術館に展示されています。




ゴッホ「ひまわり」
ゴッホは数多くひまわりを描いていますが、これが選ばれました。
同じく大塚国際美術館に展示されています。



また、今年9月に東京都美術館に来日するマネ最晩年の「フォリー・ベラジェールのバー」も選ばれています。
解説によれば、当時目新しかった電灯が際立つように描かれています。
大塚国際美術館にも展示されています。





名画を観るのに9月や来年まで待てない、今すぐ観たい方は、国立新美術館の「ウィーン・モダン」で展示されている、ウィーン分離派のマクシミリアン・クルツヴァイルの「黄色いドレスの女(画家の妻)」が観賞できます。
サイズが大きくて黄色が鮮やかなので遠くからでも、目に飛び込んできます。



去年来日した作品では、フェルメールの「赤い帽子の女」
小さい作品ですが、専門家が観ると労を惜しまない綿密な技術が駆使されている(私は、上野の森美術館で、小さい作品を離れて観賞したので、綿密な技術は良く観えなかった)との説明です。フェルメールは、他に「真珠の耳飾りの少女」「天秤を持つ女」「画家のアトリエ」が選ばれています。



本は、年代順に並んでいます。

















最多はピカソとターナーの6作品で、ターナーは予想外です。編集者のスティーヴン・ファージングがイギリス人だし、船や海が好きかも。
5作品選ばれたのは、ティツィアーノ、カラヴァッジョ、レンブラント、ゴヤ、アングル、モネ、ゴッホ、マチスです。
4作品は、ダヴィンチ等多数あります。

納得いかないのが、葛飾北斎と伊藤若冲が1作品も選ばれていない事です。
編集者は日本の絵画にやや疎いのかもしれませんね。



































美女たちの西洋美術史 肖像画は語る

2019-01-08 | 美術書


新書なので、持ち運びが楽ですし、また、綺麗な画像写真が載ってます。
一見、固そうな感じがしますが、読みやすい本です。

初めて、「13歳のエリザベス王女 後のエリザベス1世」を見ましたが、後の白塗りとケバい衣装と違って、とてもかわいいし、地味な衣装で、可憐な印象を受けます。

エリザベス1世とメアリー・スチュアートとの対比もおもしろいです。

描いた画家の説明もあり、読みごたえがありました。


山田五郎著、へんな西洋絵画

2018-12-28 | 美術書


「ぶらぶら美術・博物館」等で、お馴染みの山田五郎著です。
誰の絵画が紹介されているのか、読んでみると、表紙の通りアンリ・ルソー、セザンヌ、デューラー、ヤン・ファン・エイク等です。
  
観ていて、楽しくなるルソー好きとしては、納得。

セザンヌは、絵が下手なのに、巨匠と言われるけど、初期には、自分の絵に堂々とアングル署名を入れたりしてます。

デューラーは、正統派と思っていますが、小さい人たちがたくさんいます。

納得いかなかったのが、「神の手を持つ画家」と言われるヤン・ファン・エイクですが、山田五郎さんに言わせると「偉大な巨匠なのに知名度が低すぎるのが、へん」と言う事でした。納得です。
若冲が大人気なのに、エイクの知名度が低いのは、納得いかない限りです。
「アルノルフィーニ夫妻」や映画「ミケランジェロ・プロジェクト」に出てくる「ヘントの祭壇画」が詳しく解説されています。