もう一つの 昭和・私の記憶

『 昭和・私の記憶 』 の、続編
吾生涯を物語る

ホソの釣り人 淀川・城北ワンド

2017年07月29日 | ホソの釣り人 1996~2006

始めに
ホソの釣り人を物語るにあたり、その舞台である
大阪淀川・城北ワンドを掻い摘み紹介する


                       
城北ワンド (1996年頃)
ホソの釣り人にとっての釣り場、大阪市民の憩いの場、城北ワンド
明治初期の淀川改修工事で造られた 「水制」 に由りて出来たものと聞く
 水制 ←クリック
5番
(1995年頃)

  ←クリック
ワンドは
水の流れもなく、魚には絶好の環境となって
だから、魚の種類も豊富で、釣り人にとっても絶好の環境と謂えよう
へらぶな、鯉、ブラックバス、モロコ、どんこ、めだか・・・・と
それはもう
色んな人が それぞれ 色んな釣りをして、愉しんでいるのである
 私もその一人なのである

城北ワンド群

ホソの釣り人が謂うワンド

ワンドの名前は、ホソの釣り人からの 口コミ で覚えたものである

   
3番            4番            5番             6番
   
7番            8番            9番             10番
   
11番           サンカク         13番             ドカン

14番
  
ホソ            毛馬クリーク      淀川大堰
(画像をクリックすると大きくなります)

3番から始まり、ドカンまで

ホソは1970年頃造られたクリークでワンドではない

1番、2番は今の工大のラグビー場辺りにあったとのこと

12番は無い、ドカンの名前の由来、サンカクの名前の由来も 

その理由を聞いた事があるが、忘れてしまったことは、至極残念である

本当のところ、正確な名称・呼び名は分からない

従って、「ホソの釣り人」に登場するワンド名は、ホソの釣り人が勝手に呼ぶ、呼び名なのである

ホソの釣り人の呼称・3番~ドカン、ホソ  (1995年頃)
ホソの釣り人、にとっては幻の存在である 1番、2番
ギャラリー高浦さん だけは、その存在を知っていたと言う ↓

 淀川の水位

 浅瀬に杭が並んでいる
普段はどの位まで水に浸かっているのだろうか?
減水の淀川本流 大工大ラグビー場付近  (2006年)

ワンドの澱んだ水を入れ替える為、
淀川大堰の水門の開閉にて水位を調整、満減水を繰り返す
大阪の水を造る・柴島の浄水場 からの取水も、淀川の水位を調整する大きな要因の一つだそうな
 しかし、釣り人にとっては、水位が高い方が良いのに決まっている
水位が低い時、魚の喰いが悪いからである
今や、淀川の水位はインターネットで調べられる、
その情報を見て、釣り場に来る釣り人も存るくらいなのである

私はというと、その時任せ の 風任せ

水位が高ければ、それなりの釣りを、低ければ、それなりの釣りを する

「あるがままに」 釣りを愉しむ・・・それで良い、と

とは、言いつつ も

「俺が釣りを行う日曜日に限って、減水し淀川の水位が低い」

・・そうボヤいている 私である


減水で水制が現れたワンド
バスアングラーにとっては釣り場が増えるが・・・・
 
6番、5番 境の水制  (2006年)


ホソの釣り人 通称ホソ

2017年07月29日 | ホソの釣り人 1996~2006

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赤川鉄橋を挟んで 下(シモ)、上(カミ) 画面、鉄橋から向こう側が 上(カミ)

上(カミ)は、浅いので 釣り人は少ない

しかし、釣り人が少ない分、「一人でのんびり派」 には最適と謂える

因みに、私は上方である

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ホソの特徴は護岸の斜面

コンクリートの斜面に坐っての釣り ・・なかなか厄介なものなのである

台を固定する為に、括り付けたロープが切れると、釣り人は どろ亀に成って仕舞うから

滑り落ちたり、腰が痛くなったり、とにかく、釣り人の苦労は多い

それになんと謂ってもこれ、川面を覆い被る葦

 
冬場以外は、葦に向かって竿を振るのであるが、これが、なかなか、難しいのである

魚は葦の足元に居る・・誰もがみんな知っている                     

だから、葦の足元際にウキを立てたいと思うのだ

けれども

際を狙う程に、仕掛けを葦に 引っ掛けて仕舞うのである

更に、岸辺のウキ草  

主なものは、ツル状のウキ草ことチクゴスズメノヒエ と ホテイアオイ

魚はこれらのウキ草の下に身を隠し、じっとしている

冬場は葦原からコンクリート護岸に向かって竿を振る

ウキ草とウキ草の間が絶好のポイントなのである

是も亦

際を狙う程に、仕掛けを引っ掛けて仕舞うのである

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「アーッ、また引っ掛けて仕舞うた」

引っ掛けたら、遥遥 反対側に回って、葦やウキ草を刈るしかない

釣り場での七つ道具の一つ・鎌 を使って そっと 切るのである

「オーイ、ついでに俺のも切って呉れ」・・・と

「そんな苦労を楽しむように」

ホソの釣りは、こうして苦労しながら腕を磨く

その楽しみを感じることができるのが ホソ なのである

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長老・小林さん
ヘラブナ釣りのすべてについて、親分から手ほどきを授けた私
当然 竿も親分と同様に 回し振り しかもダイナミックに
だから、いつも対岸の葦に引っかかって仕舞う
風が強い時はもう最悪で、風に煽られて如何しようもない
「わしは、引っかかっても はずすん巧いんじゃ」 と、親分
しかし、はずすのが上手になっても 引っ掛けないで打つ の解決にはならないのである

オクリ は 小林さんから学ぶ
風の強い日
いつもの如く、悪戦苦闘の私の隣に 偶々、隣りに座った長老・小林さん
見ると、18尺の長竿を オクリ で以て 正確に葦の足元に打っているではないか
「ヘーッ」
名人技であると、感心した私
「自分もオクリで竿を振ってみたい」 と、勉強させてもらうことに
そして
シカケ の 手尻を 竿の長さに する
これが基本 であることを、学んだのであった
見れば、回し振りをする釣り人程、手尻が長い・・・親分、橋元さん、鈴木さん と

夏場や雨天は傘をさしての釣り
冬場は葦の間から釣りを行う
樹木の下に入る時もある
オクリ で竿を振れる様になった私
釣りの領域が俄然広くなったのである
 リンク→ホソの釣り人 他人の振り観て

釣上げた へらぶな は 針をはずしたらリリース  

・・なんや亦あんたかいな・・おおきに、おおきに・・亦、来てや・・

同じへらぶなを、何回も釣上げるから、ヘラとは、もう、すっかり 顔馴染み と成るのである
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ヘラブナのアタリは繊細で微妙 

それを、合わせて釣るのが この釣りの醍醐味なのである

向こう岸に周って、短竿(10尺)で釣る釣り人も多い 

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ホソは、釣り人の縄張りがない

いつでも、どこででも、誰でも どんな種類の釣りでも、楽しめる

そんな、釣り場 なのである

縄張り について
大差はないが、ヘラブナの釣り場には必ず台(ステージ)がある

そのステージに、直接座って釣りをするか
ヘラ台をセットしてそれに腰掛けて釣りをするかであるが、
何れにしても常連の存する釣り場には、必ず設けられている

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これらは、常連の釣り人が、自前の費用と労力で造られている

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「自分等が造った釣り場」と謂う、縄張り意識が発生する
休憩小屋のある釣り場は、縄張り意識が特に強い処と謂えよう
それは、監視小屋の如く、ビジターな釣り人にプレッシャーを与るのである 


ホソの釣り人 変なオッサン

2017年07月29日 | ホソの釣り人 1996~2006


























1995年 初めて、ホソ に釣りをしに来た秋のことである

「おとうさん、変なオッサン(が)、おる!」

息子が、指さした

大きな声で、 「独り言」 を言い以て、釣りをする人が居たのである

それは、誰か連れの人と会話しているかの様な喋り方なのだ

私も、息子(小学五年生10才)も、それを、奇妙に感じた

「変な、オッサン やな」

遠くからその姿を眺めていた

・ 

へらぶなの釣り人は、変わった人が多い

遊び事とは謂え独りの領域、謂わば「独りオタク」の領域でもある

派手さはなく、唯独り、魚と対峙する

謂わば「粋」の領域、かも知れない

漁師でもない・・・偏屈が多い・・変な人も居る

↓リンク
へらぶな釣との出遭い

あくる年(1996年)の2月

私は ホソ で釣りをしていた

餌はサナギ粉とサツマイモの団子

前の日の晩、コタツのテーブルで、子供と一緒に丸めた、カチン カチンの 餌である

それでも、(たまたま)一匹釣れたのである

体にひっかけ傷のある24~25cm程度のマブナであったが
(へらぶな釣では外道・・・私は、フナだったらどちらでも良い)

そのとき

「おはよう!、眼の覚めるような、エエあたりやったなァ」 と、後ろから声を掛けてきた

振り向くと、「へんなオッサン」 その人であった

出逢いである

「オオキニ、傷だらけで汚い魚てすワ」

最初の会話である

この冬、素人の私が釣った魚はこの一匹だけであった

3月10日(日曜日)

妻に 「今日、釣れなかったら 釣り 止める」

と、言って朝の9時頃、家を出て来た私

ホソ の マブナを釣上げた場所に 座った

ふるさと の 釣り場 ↓

 
ところがである

こともあらうに、釣れたのである

大型のへらぶな ・・もう、「つれる、ツレル」

タイミングが良かったのである

ノッコミが始まったのだ

この時季、魚の居るところなら、誰でも釣れるのである

とは雖も

「釣れた、つれた」 

8枚釣上げた

私の釣り人生にとって、歴史的瞬間である

12時頃、私は満足して帰宅した

そして得意になり、妻に自慢話を聞かせたのである

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「変なオッサン」とは、あれ以来、お互い挨拶を交わす程度の間柄には、なっていた

 「おはようさん、きょうは どない?」 ・・・・ 釣り人の挨拶である

私は、毎週、その釣り場に入った

そして3月、4月と、イイメ が続いた

私は得意絶頂であった

「へらぶな釣、これは おもしろい」 ・・ そう思った

そして、病み付きになって行く

しかし、へらぶなを釣ってはいるが、素人釣り

ちゃんとした釣りを知らないまま、ハシャイデいたのである

5月の連休

「本気で釣り、するんなら 道具一式やるけど、どない?するか?、斜面、直下に坐って、しんどいやろ」  

こう、声を掛けてくれたのである

使い古しではあるが、 台、万力、竿受け、・・諸々、ワンセットを提供して呉れたのである

それ以来、一年間

この「変なオッサン」の尻に付いて、城北ワンド群の釣り場の数々を周った

そして、へらぶな釣の手ほどきを受けたのである

変なオッサン
彼は、長距離トラックの運転手だったらしい

独り言はその所為かも知れない

ホソの有名人である

親分肌なのである

けれど、やっぱり変な人であった

お喋りであるし、大声である

せっかく近くに居る川の中のへらぶなを追い散らしている、・・と、皆が言うほどに

横に並んでいると、やかましくて釣りに集中できない

たまたま横に座った他の釣り人が 「ガムテープ、ないか」 と、叫ぶほどに・・

ホラを吹くは吹く、ひといちばい、ならず、人二倍のホラを吹いた 

かれは釣った枚数をホラ吹く、皆は、それを認識していると謂うのに

ホラが原因で喧嘩になったこともある  リンク→ホソの釣り人 12  「何をー!」

「本当のような作り話をする、あれも、一つの才能やで」 ・・と、皆は言う

でも、彼はこうして、釣りを楽しんでいるのである

周りにとっては、やかましいけれど

実に愉快ではないか

「変なオッサン」 私の師匠である

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釣り場は、皆が、遊びに来る場所である

そこでは社会的地位も、職業も、年齢も、一切抜きである

皆、等しく、釣り人として付き合っている

それが、気楽で善いではないか

そういうものでなくては、ならないと思う

遊ぶ時、他人に気を使わない、だから楽しいのだと思う

自然の中で、半日過ごし、心を癒す

実に心地好い時間であらう

私は妻に、釣りに行くとは言わない

「心の洗濯をしに行く」 と、言う


ホソの釣り人 クチコミで学ぶ

2017年07月29日 | ホソの釣り人 1996~2006

新参の頃
ホソの釣り人は縄張りを持たない
持たないが故に、城北ワンド群の釣り場を自由に、思うが侭に、選択できるのである
尤も、新参で日が浅かった私は、「ホソ・シモ」 しか 知らないので、釣り場はいつも「ホソのフルサト」
一番最初にへらぶなを釣った場所が定位置であった
その頃の私は素人で、「ホソの釣り人」 の 員数にも入れて貰えてなかったのである

他の池で釣りを終えた釣り人が帰りの途中に「ホソ」を覗く
「どない?」
「今日はどこへ行ってたんや?」
「今日はドカンに入った」
「で、どやった?」
「あかん あかん 喰いが悪かった、みんな上がってへん」
「で、あんたは何枚上げたんや?」
その言葉を待ってましたと・・「15枚や」
先に、今日は良かったでェ、何枚上げた、とは言わないのである
「何やあんた、自慢しに こっちへ寄ったんかいな」

誰よりも多く釣りたい  俺が一番と自慢したい
誰もが 「ドヤ!」 と 言ってみたいのである

「14番 一杯で入られへん、皆 朝の5時半から入っとるらしいな」
「あそこは、泊り込みで見張りが居るらしいで」
「台に荷物置いて、よそ者 を入れん様にしとる」
「ここの台、わし等がこしらえたもんや、挨拶もせんで、勝手に入るな・・云いよる」
「勝手に作っとるだけやないか、
ここはお前等の土地とちがうやろ・・云うた、初めての人と、殴り合いの喧嘩に成ったそうやで」
「ほんまかいや」
「俺は気を使ってまで、遊びとないから、14番には行かへん」
「気を使わんで良い、ここがエエワ」
「俺もそう思う」
「サンカク はどないや」
「サンカク は 最近 あかんみたいやで」
「6番が、よう上がっとるらしい、ええ型ばっかりやて」
「あそこは深い、3本 あるからなぁ」
皆は こうして、クチコミで 情報交換をするのである
そして、ここまでが、一日の釣り の ワンセット なのである
皆の声に耳を傾けながら、それらの場所すら知らない私は
「そんな、釣り場があるのか」
未知の世界に何かしらロマンを感じたのである


通称6番 
私が一度も入ったことが無い釣り場である

私の師匠である親分
なんだかんだ 言っても、面倒見が良かった
釣り人達の会話に出て来る、城北ワンド群の主な釣り場を、彼が連れて行って呉れたのである
どこへ行っても新参者の私、気兼ねするところ であるが、ベテランの親分同伴だから気を使うことが無かったのである
「14番の常連とは顔馴染みや、あの小屋、わしも造るの手伝うたんや、心配いらん」
と ばかりに、私には頼もしい師匠だったのである
尤も、後で判ったことであるが、これは彼一流の ホラ
各々釣り場を周り、釣り人達の会話を聞くことによって、釣り場のルール、釣り方、等諸々を学んでいったのである
私の顔も、すこしずつではあるが、馴染んで貰える様に成ったのである
親分さまさま である 

 

6番と菅原城北大橋  
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ホソの釣り人 ギャラリーに教えてもらう

2017年07月29日 | ホソの釣り人 1996~2006

ホソ は流れが無い
しかし、流れは無くっても、ウキ は流れる
風が、水面を押す為である

午前10時までは東風、
夕暮れまでの日中は、こうして西風(浜風)が吹く
「写真撮って宜しいでしやうか?」
「どうぞ、トウゾ」・・と、上機嫌の親分

新参者 の私
5.4mの鮒鯉用の振り出し竿、道糸は3号、ハリスは1.5号 ハリは尼子(金ハリ)
ウキ は バルサの太いカンザシウキ シズ は ガン玉

   

これが、私の シカケ であった
それは、風が吹いても ウキが流れないように、自分なりに工夫をしたつもりであった
されど
シズを足しても足しても、ウキ は止まらなかったのである
「どうして・・?」
いっそ、ウキを取り除いて ドボン で釣ろうか・・

ホソ は釣り場の後が散歩路になっている
尤も、これは釣り人から言わせたら・・の事である
本当のところは、散歩路の路肩で釣りをしているのである
釣り人 と ギャラリー 2010.04.10(土) ホソ 下
 画像 クリック  ↓

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こうして、
散歩の途中、足を停め、見ていたのであろう
そして、私が、いかにも素人なるが故に
ついつい、お節介 したくなったのであろう
親切心が湧いたのであろう
見知らぬ、ギャラリーから声がかかった
「にいちゃん、糸を沈めなあかんわ」
「?」
「道糸が水面に浮いているから、風に引っ張られるんや」
「あんたの竿先、浮いているヤロ」
「水ん中に着けるんや」
「竿先、水ん中着けて、道糸引っ張ってみい」
無垢な私
言われるままにやってみた

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「成る程」
「そういう事か」

同じ釣りをしている ・・それだけで、親しみが湧いてくる
その心が親切心として現れ、声を掛けるのである

夕暮になると風が止み ベタ凪に成る
「つれましたか?」
「もうそろそろ陽が暮れますよ」
「これからじゃ!」
「ひのっくれ の、ジアイ(が来る)や」
「これからが勝負やで!」
いつもの如く
「釣れなかった」とは言わない
親分の名調子である
↓ 2006年

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ホソの釣り人 ホソの名人

2017年07月29日 | ホソの釣り人 1996~2006

1996年の6月
へらぶな釣りを初めて3ヶ月、病付きに成りかけてきた頃である
早朝なら釣れるのではないかと、
出勤前、眠い目を擦りながら、いつもの「ホソ・下のフルサト」に出かけた
午前5時半から7時半の2時間でも釣りをしたいと
3月、4月とあれほど(7、8枚も)釣れたのに、5月に入ってからあまり(2、3枚しか)釣れなくなった
「5月は喰いが悪くなるんや」・・皆が、そう言っていたのを耳にしていたので
こんなものか、と思っていたのであるが、もっと釣りたかった
早朝釣りの2時間、なんとか1枚はあがった

1ホテイアオイで盛り上がっている部分が私のフルサトの釣り場である  
写真は1995年11月 
この頃私は息子の為に水槽に飼っていたブラックバス(40cmUP)の餌として
もつご を釣っていた へらぶなとは未だ出遭っていない
・・・リンク→ 
「釣りは、オモシロイ」 と、想ったのは私であった

帰る時間に成ったので、片付けを始めた頃
「兄ちゃん、あと 入ってええか」 と、常連さん
私の後に荷物を置いて座っている
釣り場が空くのを待っていたのである
私はその気配に気がつかなかった
「どうぞ、どうぞ」
そう言って私は、とりあえず荷物を道に上げて、釣り場を開けてあげたのだ
帰り仕度と釣りの準備をお互いが並行して出来る様に
「おおきに、おおきに」
「いつもここで(釣り)やっているもんやさかいに」
「私も土日はここで釣ってますが、お顔見ることないですよ」
「わし等は、アイの日しか釣りはせえへんのや」
「仕事している人は休みの日にしか来れんやろ」
「せっかくの休み、誰しも、ようさん釣りたいやろに」
「わし等は毎日釣りが出来るさかいに、土日はその人等の為に、場所を開けとるんや」
それが、常連の心構え だと言う
なんと、泣かせる文句であろうか
私は、先達の心意気に感心したのである

私の釣りを観ていたらしい
「釣れんやろ」
「あんたのその餌では喰わんわ」
私はダンゴの底釣り(冬)とバラケGのセット ドボン で、釣りをしていた
三叉を覚えた程度の私、一目観れば、素人と判るであろう

 

「3月4月は誰でも釣れるんや」
「けどな、夏にそんなん しとったら、釣れへん」
「わしら、これや」
「しもた、亦、余計なこと言うてもうた・・」
「教えてもうたぁ、しもたなあ・・」と、満更でもなさそうに、にこにこしながら餌を作りだした
何と、トロロコンブ、を溶いているではないか
「なんや、鮒はトロロを食べるのか」・・私は驚いた
ウドンは昔からの鮒の餌の定番である
ウドンに トロロ、ならば、刻んだネギも喰うのんか・・「こんぶうどん」 私の大好物である
帰り仕度を済ませた私は、一寸の間、トロロでの釣りを見学することにした
竿は15尺、いかにも軽そうなウキでの宙釣り
ツル状浮草(チクゴスズメノヒエ)の傍に餌を落とす
バラケ餌がばらけるのが見える
浮草の下から、へらぶながスーと現れる
トロロを吸い込む
「ヘェー!!」
簡単に釣り上げる
ついさっきまで私が釣っていた場所なのである
へらぶなの気配などまるで無かったのに
・・こうも違うものなのか

常連の心構え といい、名人技 といい
感動であった
素晴らしいものを見せて貰った私、益々 ヘラブナ釣に魅了されて行ったのである

土曜日
早速、トロロを使ってみたが、釣りに成らなかった
簡単に見えるのも、名人だからこそ
素人の私が俄かに真似ても、ものに成るはずも無からうに

私は常連の心構えを肝に銘じ
アイの日の釣り止めることにしたのである

後日、小林さんにその釣りの様子を話すと
「その釣り は多分、フワッ だろう」 との事であった 


ホソの釣り人 前に投げんかい!

2017年07月29日 | ホソの釣り人 1996~2006

「今日はドカンへ行こう」
・・親分に付いて、ドカンへ

ホソ しか知らない私
「ドカンに入る」
それだけで、一人前の釣り人に成った様な気がして
なにかしらん嬉しかった
「ここはなあ、主が居ってなあ、16尺以上の竿振ったら怒られる場所や」
私の手持ちは、5.4mと4.5mの鯉鮒用の振り出し竿
4.5mの竿を使うことにした
ホソ の水深はせいぜい1m  ドカン は2.5mと深い
ホソ で見様見真似で覚えたタナを取る
しかし、ホソ とは勝手が違うのである
何度しても 巧くいかない

私は、ドボン と 底に直ぐ沈む程の大きなタナ取りゴムを 使用していた
しかも、餌を付けて投げる時と同じ要領で、投げていた
見ると、両袖の親分や倉原さんの シカケのウキ の位置 と 私のそれとが大きく違っていたのである
「此処、こんなに深かったっけ?」
と、私の問いに
「前に投げんかい!」
「?」
「あんたのタナ取りゴム、大き過ぎるんや、重いんや、底のヘドロにもぐり込んでしまうぞ」
「わし等、消しゴム削ったもん、使こうとる」
「あんたのシカケ、水の中で道糸が斜めに成ってるんや」
「水の中の道糸を ウキ まで真直ぐに立てるんや」
「送りで投げた後、道糸を うき の前に投げるんや」
「先生が見本、見せたろ」
と、実演して見せる「ドヤ!」と ばかりに
成る程、理屈である
確かに、私の投げた しかけ、たな取りゴムが重すぎてウキまで道糸が斜めに張っている
これでは タナ は とれない
考えたら分る事なれど、実技では なかなか思う様にいかないのである

タナ を正確にとる・・難しいことである
私は、浴槽を使って、ウキ と シズ の関係を確かめることにした
そして、ハリス が 水の中で どの様な状態に成っているかを確かめた
浴槽の中で、ハリスが、道糸が、ちゃんと伸びているか否かを確認したのである
そうして確認した シカケ でもって、タナ を とることにしたのである
「前に投げんかい!」
・・を、肝に銘じて 


ホソの釣り人 親分

2017年07月29日 | ホソの釣り人 1996~2006

2006年11月3日
ホソで釣りをする親分
もうこの頃になると、満足に釣れやしない のである

「イノイテル魚(動いてる、へらぶな)釣るんは、誰でも釣れる」
「イノカン魚、釣るんがプロ(へらぶな釣り師)ヤ」
「一枚や、二枚は誰でも釣れる 三枚釣って一人前ヤ」
・・ホソの釣り人・変なオッサン こと、親分の、名言である

「ホソ」は対岸が葦原になっていて、
その背の高い葦によってできる陰に魚(へらぶな)が居付く
魚にとっては、背の高い葦が背後にあれば、危険が少ない、
夏場は葦の陰は水温も低い、好環境なのである
「葦と葦のくぼみ」に、好いポイントがある
釣り人にとっては、正確にポイントに投げるのは難しい
垂れ下がった葦が、邪魔なのである
河縁の葦を刈ってしまう釣り人がいる(たいていはワンドを主にする釣り人である
投げ易くはなるが、魚が居なくなる
葦が元に戻るまで刈られたその場所では、魚は釣れない
勝手とはいえ、大の大人、釣り人としても、マナーが悪からうに

親分、上手に決めたポイントに打ち込む
彼は廻し振りが得意らしい
「への字 に描いて 投げるんャ」 ・・廻し振り、派手でカッコが良い
10メートル先のポイントに、上手に餌を打っている
そして、30センチずれても、気に入らぬと 打ち替えるのである
それは、彼一流の、コダワリ  らしい・・・
「自称・ヘラ師」のプライド は、大したものである

↓ 1995年11月のホソ・上  手前から 倉さん 畑さん 顔見知り(左利き)

   

 「ホソ」 で 良く釣れた1996年頃のこと
「今日はドナイ?」
「あかん、魚、日曜ヤ」
「横、入らせて貰ってヨロシイカ?」
「どうぞ、ドウゾ」
親分、相棒・倉原さん、二人並んで釣っている
私は、倉原さんの横に入った
今日は魚の食いが悪いらしい
悪いなりに、親分 と 倉原さん 和気あいあい と釣りを楽しんでいる
この二人、「連れ」で仲が良い

親分の真骨頂
「ドナイ?」

後ろから、顔見知りのギャラリー・米屋の高浦さん(昔は釣りをした仲間だとか)が、声を掛ける
「 アカン、魚 イノカン 」
 イノカン魚、釣るのがプロや 」
いつもの、名文句で答える
「そうか、イノカン魚、釣るんが プロか」 ・・ギャラリーが返す
そんな遣り取りのなか
私が釣上げた

 

「 オッ、えらい早いなァ 」  「 焦るヤンケ 」
「たまたまのマグレですワ」
つづけて、ダブル(へらぶな釣の仕掛けは長短のハリスが2本ついている)で釣った
「ハナチャン、えらい調子がエエナぁ、ドナイ なってんの」・・ギャラリーからの声
たまたま私が入った処に、たまたま、へらぶなが居たのである
腕ではない
この頃は未だ(?)、未熟であった
運が良かっただけのことである
「後から来て、何 スンネン」
「後からきたもんに、イカレとるやないか」
「タマタマや(私が釣れたのは)」
「あんたも、頑張らんかいな」
腕は エエんやけど、(今日は)魚が ワルい
「 チェッ ! 」
皆で大笑い・・・

魚の所為 と ウソブク
ホソの釣り人・親分  の 真骨頂である


ホソの釣り人 ホソ腕会

2017年07月29日 | ホソの釣り人 1996~2006

ホソ腕会
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へらぶな釣を始めてから3年
ひとつ処で3ヶ月、釣りをしていると声が掛かる
「今日はドナイ、アタリ有る?」・・と
ホソの釣り人ともゆっくりではあるが、一人一人親しくなっていった
顔なじみも多くなったきたのである
無理はしていない、自然の成り行きに任せて・・・

皆で集まって釣りをしよう
その日の釣りを終えて、竿納後
「ホソでの顔なじみの皆が、たまには並んで釣りをしてみたいネ ワイワイ言いながら」
「やろうよ、ハナチャン」
「良いですね、やりましょう」
あくまで、親睦が目的である
独りで釣るのが好きな人も居る
釣ることよりも、連れと会話しながら釣りを楽しむ人も居る
大きな声で独り事を言いながら釣りを楽しむ人も居る
いろんな面々が、各々自分のペースで釣りを楽しんでいるのである
一度に多くの釣り人が会するは、なかなか難しからうに・・・
二人して、一考
「吾が一番」・・・誰もが、己が腕を自慢したとそう想っている
釣り人とは斯くの如きもの
そこで、競技形式 を採ることにしたのである
これなら、めんどうぐさがらず集るに違いない・・と
釣り経歴も、実年齢も私より先輩の釣り人・田辺さんが、発起人となり、皆に回覧した
案の定、皆は賛同したのである

 

ホソで行う、腕自慢の会 「ホソ腕会」

こうして、記念すべき第一回が、1998年(平成10年)1月3日
新年の正月三日に行われたのである
釣り人には正月は無い 仕事や用事の無い日は全て釣りの日である
この年の三日は風もなく暖かな日和であった
然し
へらぶな は、寝正月
年始の挨拶に訪れたのは、まぶな一枚だけであった
釣れたのは私一人だけ
皆、ボウズ で終了したのである
「又、やろう」
「2ヶ月に一回はやろう」
「今度は九番(城北ワンド)でやろう」
腕自慢の皆は、ボウズ が気に入らなかったのだ

199822

 

 

2回目は、2月28日
ホソで釣りを楽しむという目的から外れるが、城北ワンド九番で行った
「ホソは浅いから冬は魚が居ない」 「ワンドは深いので魚が居る」・・という理由から
・・・結果は同じであった
冬はいずれにしても魚は居ない

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今度こそはと

3回目を4月19日に、ホソで行った

参加人数も増えてきた

当初の目的と違って、競技会としての色合いが増してきた

とは雖も、和気あいあいではあった

3枚釣上げたところで、幹事役の私は皆の釣り風景を撮影すべく釣り場を離れた

釣り人・ハタさん、せっかく釣上げた魚をフラシに入れる際、入れ損なって河へ逃がしてしまった

「せっかくの魚、逃がしてどないすんネン」

「釣ったことにしといてエ、大きさは33cm」 

「逃がした魚は大きい・・」 と、皆で大笑い

「ハナチャン、余裕 やなあ」 

「3枚釣って、もう優勝は決まりヤナァ」 

「イエイエ、優勝できるとは思っていませんから」 

「どうです? アタリありますか?」 

「アタリマセン」 ・・と、田辺さん
  写真左が田辺さん、右は吉村さん
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撮影を終えて、自分の釣り場へ帰った
「アッー」
サア大変、私の顔から血の気が引いた
魚を入れていたフラシが、河へ浮かんで流れているではないか
しかも、フラシの口が開いている
魚はどうなった・・・
・・・一枚足らない
逃げられた
「他人の事笑っているから、バチが当たったんや」・・皆にそう、冷やかされた 

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うららかなる春の半日は、あっという間に過ぎる
終了時刻がきた
各々がフラシを持って、赤川鉄橋下まで集合する
ボウズの人で 「もう勝ち目が無い」 と、既に帰った人も居た・・マナーを知らない
計測がはじまった
全般的に釣果は良くなかった

計測の結果
最も多く釣上げて枚数は2枚、私と釣り人・山崎さんの2名だけであった
他は1枚が数名
ルールでは、同数であれば長寸の合計で決めることになっていた
私の釣上げた魚の合計が僅かであるが、勝さっていた
ヒヤヒヤの優勝であった
私が1枚、逃がしていなかったら楽々、優勝であったのに・・
やはり、逃した魚は大きい・・様である 



競技会となると、皆、真剣である
緊張もする、必至にもなる、だから 皆 5時間、釣り場から離れない、離れられないのである
オシッコ も 行けないのである (私も例外ではない)
そのワリには釣果が上がらない
普段の実力が出せないのである ・・そういうものである
だから、非常に疲れた
1日に2日分の釣りをしたほどに

皆には、好評だった
連れが連れを呼び、知らない参加者も増えた
「参加したい人を拒むわけにはいかない・・・」
和気あいあいにも行われているが、やっぱり当初の目的とは、少し違って来ている
・・・と、思いつつ・・会は続いて行った


第7回 1999年7月4日 参加者が最大の会

ホソの釣り人・風呂迫の長い一日
第13回、2001年7月15日ホソ腕会での事
私の隣に坐った釣り人・風呂迫さん、開始早々オオスケを釣上げた
「一発長寸」 ・ 最長寸法が優勝・・・今回のルール
メジャーテープ(非公式)で計測すると38センチのオオスケである
いきなり優勝候補である

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皆は、「これで、優勝は決まりやなァ」 と、冷やかしたが、本音でもあった
当人もそう思った
未だ、誰も釣上げていない
「ハヨ、終わらんカナ・・」
・・・終了まであと5時間
時間の経過と共に、あっちで、こっちで、一人、又一人と釣上げていく
「40上(ガミ)、上がったでー」
「ホンマカイナ」
「上がったデー」
「(上がったけど)これは小さい」・・・皆の声が聞える
だんだん、賑やかになってきた
風呂迫さん、その一声一声に反応している
側にいてよく判る
彼はもう、気が気で無いのである
心配で心配で仕方がないのである
「皆の様子、見に行く」・・とうとう釣り場を離れて行ってしまった
心配は分るが、そう簡単には38センチオーバーは釣れる筈もなからうに
皆の釣りの技量の差は無い、しかも竿の長さも決めて同じように釣っている
釣ったヘラの大小は 偶々の 運、不運
だから、いきなり釣上げた彼は、今日は 「ツイテイル」 のである

私はこの日、ツキが無かった
風呂迫さん、皆の様子を見て周って、帰って来た
未だ自分の魚が一番大きい・・と安堵して
「ウロウロしていないで、もう一匹釣ったらどうですか」
「もっと大きいのが釣れるかもしれませんよ」
「そしたら、安心でしょう」
釣り人・風呂迫さん、ようやく釣り始めた
そして彼は、終了間際に、一匹オオスケを釣上げた

終了の時刻が来た
皆がフラシを持って集まってくる
さあ、計測だ
誰も38㎝は上がっていないと言う
風呂迫さんが真っ先に、フラシからヘラを取り出した
一番最初に釣上げた38㎝のオオスケ
5時間もフラシの中に入っていたものだから、尻尾(尾びれ)の端が千切れていたのだ
「エーッ」
「尻尾が千切れていなければ優勝だったのに」 と、運の無さを嘆いた
しかし、やっぱり、この日の彼はツイていた
最初に釣った38㎝にはとどかなかったものの
こともあらうに、終了間際に釣り上げたオオスケが僅か数ミリの差で、この日の最長であったのだ
釣り人・風呂迫 優勝したのである
(因みに、尻尾の千切れたヘラは千切れてはいても、第3位長寸であった)

 

ホソの釣り人・サコさん
しみじみと 「アー、疲れた」
本当に長い一日 お疲れ様でした

この頃が一番盛り上がった時である
疑問を感じながらも楽しいものであった
「緊張の中で、へらぶなを釣る」 という醍醐味も知った
釣ろうとして、中々、釣れるものではない
プレッシャーと焦り、優勝したいと謂う 「欲」
それ等が、アタリを合せる時、タイミングをずらす、餌をうち替えるタイミングをずらす
普段なら、釣れるものも、釣れなく成るのである

↑ 流石は 「しんがり」 の 田辺さん
最終回の記念大会での優勝である


今日のホソ
淀川の河川敷には多くの畑が耕されていた、勿論の事、不法である。葦原を焼畑で耕すのである
(最初の高空写真でホソ(中央クリーク)の左側のほとんど 及び 上記写真の工事中の部分)
建設省の「耕作禁止」の立て札も効き目がない、耕しては農薬を撒く
地面に浸透した農薬の所為か、魚が少なくなっていく
春先、焼畑が、火災となって巻き込まれた事もある
 リンク→ホソの釣り人 24 「大根 かえせ!」

少年野球チームの大人達、葦を刈って、自分等でグランドを作る
グランドの周囲をネットで囲む
これもルール違反であろう
監督の厳しい声が響く、聴かばさぞや立派な事を言っている
監督やコーチが、少年達に、野球を通して、何を教えているのか・・と 
 リンク→ホソの釣り人 番外 「監督や、コーチはおらんのかァ!」
2003年
これ等を一掃する為に、ホソを淀川本流まで延長して、グランドや畑に渡れなくしてしまった
釣堀状態であったホソは淀川本流とつながり、其処に居た魚は皆、本流に逃げてしまったのである
5万匹のヘラブナ、あっという間に、いなくなってしまった

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替わって入ってきたのは、ブルーギルとブラックバス
ウキ草の外来種である、ウォーターレタス、ホテイアオイ、オオカナダモ
そして土砂
そして、浅いクリークは、更に浅くなった
新参者のテリトリーとなってしまったホソ
一度逃げた、へらぶな や ワタカ などはもう、帰ってこないだらう
へらぶな が 居なくなっては ホソ腕会は もうできない ・・・ 


ホソの釣り人 巨鯉が釣れた

2017年07月29日 | ホソの釣り人 1996~2006

冬場は葦を風除けに、向こう岸から、釣りをする
日差しがあると暖かいのである


 この時期になると、へらぶなの動きもにぶくなり、
釣れても、2、3枚といったところ・・釣り人はそれで一応満足する

こちら側は、コンクリートの斜面の土手(夏場はこちら側から釣る)、
ガードレールを挟んで、道路である
散歩する人、ジョギングをする人、犬の運動に散歩する人、
自転車やバイク(違反)・・いろんな人達が、通る
散歩の人が、足下にある ウキ に、目をやり、立ち留まる
しばらくの暇つぶしに、釣りのギャラリー と化すのである
「すまんけど、もうちょっと(左右)どっちかに、寄って呉れんかナ」
「(姿)あんたが、影になって、 ウキが、見難いんャ」
大概のギャラリーが、釣り人と ウキ と一直線の正面に立つのである
釣り人しか気がつかない事で・・・仕方が無い
ギャラリー と、そんなやり取りをしながらも、のんびり釣りを楽しむのである
・・是をのどかな光景と謂う

冬の釣り
しかけ、竿 が並継の16尺・中硬の先調子、道糸 が1号、ハリス が0.6号・30cmと25cm
ハリ が4号と5号のヘラ鮒スレバリ、カヤのパイプウキ
は、ワタグル、マッシュ1:1、
段差バラケ、軽サナギ、へらスイミー、をミックス・ブレンドして、両ダンゴにしたものを、
ウワバリとこの5cmズラシ
・・これが、私の釣り型

厳寒の1月~2月は、酢、ワンイ、ミリン、料理酒、等を混ぜたりして 
「何とか・・」、工夫してみるが、どれもこれといった効果が無い
釣れないから効果の程も判らないのだ
水の代わりに、牛乳を使ったこともあるが、結果は変わらない
私に限らず、他の釣り人も色々試しているはずである
・・それもかれも 遊びの中

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冬場の ホソの釣り
浮草の下に居付く、へらぶな を、釣るのである
浮草スレスレに、ウキを立てる
へらぶなの鼻先に餌を置いて、食い気がでるのを待つのである
これが、「ホソ」での、冬の釣りの定番である

巨鯉が釣れた
12月中頃のこと
いつもの様に、コンクリートの土手側に向かって、定番の釣り
私の両横にも仲間の釣り人が、各々の定番の釣りを行っている
北を背に南向きなので、逆光で見難い、前を歩く人影も気に掛かる
・・しかたが無い
冬場は水温の上がる昼前から、釣り始める
今日は、へらぶなの機嫌が悪い・・アタリが無い
釣り始めてから、3時間・・集中力が切れる頃である
「ソロソロ、(釣り)終わろうか・・」
「 ! 」
一瞬にして、ウキが消える
「鯉」である
夏場なら、そのまま高切れ(道糸が切れる事)して、しかけごと、持って行かれるところであるが、
この時期の鯉、半分冬眠状態で、動きは鈍い
・・とはいっても丸太ん棒の鯉、パワーはある
しかも、しかけへらぶな用、なかなか釣上げることは難しいのである
最初に「竿を立てる」ことができるか が、勝負の分れ目である
しかも、刈られた葦の小さなスペースでの釣りである。移動できない
下手をすると、葦に道糸を掛けてしまうからである
竿はおおきくしなり、手もとへ、寄せることが出来ない
鯉も必至に、右へ左へ
ホサキを抜き取られないように、竿を立てたまま、ジット耐える
鯉の疲れるのを待つのである
ここまできたら、無理にハリスを切ることはしない

・・釣上げてしまおう
・・悪戦苦闘

隣の釣り人(吉村さん弟)が、見かねて、「タマ」を持って側で待機して呉れている
なかなか、「タマ」の中に入らない・・「ヘラ用の尺タマ」では小さいのである
・・その間、10分程か?(・・長く感じるものである)
やっとの事で、鯉も「カンネン」して呉れ、釣上げる事が出来た
計って見ると、60㎝

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「アー、疲れた!」
・・右腕がだるくて力が入らない
右腕に力が戻るまで、しばらく休憩することにした

30分程休憩して、竿の「ホサキ」を締めて、釣りを再開した
もちろん、「へらぶな釣り」である
しばらくすると

「 ! 」
一瞬にして、ウキ が、消える
・・「鯉」である
「エッー、マタカイナぁ」
しかも、さっきのより、大きい

・・悪戦苦闘

「尺タマ」一つでは、上がらない
更にもうひとり、隣の釣り人(吉村さん・兄)も応援に・・

二人の釣り人が「尺タマ」を持って、側で待機して呉れている。

・・悪戦苦闘の末

頭と尻尾を「タマ」に入れ、何とか引き上げる事が出来た。

計って見ると、70cm

45分間に2本の鯉が釣れたのである
もう今日は、(へらぶな)釣りに、ならない・・
私は、竿を納めることにした

・・「疲れた」

帰宅して娘に、70㎝の大きな鯉を釣ったと、自慢すると
「70㎝、の大きさって、どのくらいナン?」
「(お父さんの、股下)足の長さ、と おなじくらいャ」
「フーン、・・じゃぁ、たいしたことないヤン」
「・・・」


ホソの釣り人 「監督や、コーチはおらんのかァ!」

2017年07月29日 | ホソの釣り人 1996~2006

 
 1996年頃の城北ワンド群
ホソを挟んで北側(対岸側)には野球のグランドがあった
「ホソ」、北側に少年野球のグランドが7ヶ所、在るのが分る
残りが畑である
これ等のグランド、少年野球の親達が、河川敷の葦原を開墾して、作ったものである

正規の物ではない。正規の河川敷公園はホソを挟んで南側にある
ちゃんと管理事務所もあり、駐車場もある
画面には映っていないが、左下には2ヵ所の野球グランドも完備されている
そこでは、毎週の土・日、に専有出来ない、足らないというのが、彼らの言い分であろう
だから、自分達専用のグランドを作ったのである

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ホソの釣り人、いつもの場所で釣りを行っていた
私はギャラリーとして後ろから見物している
私は、釣りは午前中に終える、所謂、早朝組なのである
夕方、仲間の釣りを見物して、一日を終了させるのだ
相変わらず対岸では少年野球が練習をしている
監督、コーチの活気が、伝わってくる
ギャラリーの若い母親たちの黄色い声援も聞えてくる
少年達も元気にしごかれている
なんと、健康的な光景であらうか

 

 練習に漏れた小学生4、5名の少年達
退屈に我慢出来なくなって、河の方をウロウロ、始めたではないか
完全に 「だらけ」 きった様子である
案の定
釣りに関心を向けて、釣り人の投げ入れた ウキ の前に立って、見物を始めたのである
前に立たれた釣り人
「魚が逃げるから、あっちへ行って呉れ」
子供達、云うことを聞かない
「コラッ あっちへ行け !」
「オッサンの川か」 と
子供達、ウキに目がけて、石を投げ始めた
退屈のエネルギーをここで発散させているのだ
観るに見かねた私は、
「監督やコーチはおらんのかァ」
「子供らが石をなげて、釣りの邪魔をしとるゾー」
と、怒鳴った
こちら側からは、監督やコーチの姿は見えない
子供達は監督に呼び寄せられ叱られている
「・・・」 ・・その言葉は聞き取れない

子供達、帽子を取って全員が釣り人に謝りに来た
「すいませんでした」
やれやれ・・・真っ先に挨拶に来るべき者が来ない
彼等は、それを認識していないのだ
河川敷公園は皆の憩いの場所 
誰がいつでも来て楽しめる場所なのである 
皆は、そう認識している
お互いが最低限のマナーは守って楽しむものと

釣り人は
11月から3月までの葦が枯れている期間、河縁の枯れた葦を刈って釣りの足場を作る
冬場のこの期間は、寒さと強い北風の所為で、コンクリートの土手からの釣りは出来ない
葦原をバックにすればそれが、防風林の役目をする
だから、真冬でも、日差しがあれば、暖かいのである
(バツクに葦原の無くなったグランド前は北風を受けて寒い)
夏場は、反転する
4月になると葦は芽をふき急激に成長する
蚊も出る、蟻にも咬まれる、それ以上に風が通らないので、暑くって釣りにならない
コンクリートの土手は50度の気温になるが、風通しが良いので、傘を差せば涼しいのである
毎年、それを繰り返しているのである
真冬でも、釣りを楽しめるように・・

尤も、野球や釣りに無縁な一般の人達にとっては
「 どっち も ドッチ 」 だと


ホソの釣り人 ドカンのヌシ

2017年07月29日 | ホソの釣り人 1996~2006

よそもんは来るな
「よそもんが偶に来て勝手な事するな・・云やーがんねん」
「何ぬかしとんねん」
「俺は此処(毛馬)で生まれた、地の者(モン)じゃ」
「どっちがよそもんじゃ」
「そっちがよそもんやろ」
「よそもんのくせして大きな顔すんな・・言い返したってん」
・・とまあ
ヘラブナ釣りの台のある池では、こんなトラブルが絶えないのである


                            ↑ 一人釣りをする吉村さん

「ドカン には主(ヌシ)が居ってなぁ」
「16尺以上の竿を振ると どやされるど」
と、親分から伝授されていた

叱られて
いつもの如く、本流側に向って釣りをしていた
私は右端しの釣り場
竿は17尺
そして、定番の 床釣り
方や
吉村さん
左端しの釣り場にて18尺を振っていた
いつもの如く、和気あいあい、機嫌よう釣りを愉しんでいたのである
と・・
背後に人の気配がする
「誰か、覗きにきたな」
私はいつものこととて、殊更気にも掛けなかったが
振り向くと、左端の釣り場の方へ向かっている
その人也、此処 ドカンの主(ヌシ) であった
吉村さんの後ろにたちどまった
何やら呟いている

「すんません」
吉村さん、慌てて15尺の竿に交換したのである

ドカンの主(ヌシ)
浮(ウキ) の位置を計っていたのである


ドカンの常連さん
彼等は、12尺から15尺の竿を振っている
12尺での カッツケ から 15尺の 床釣り のバリエーション
殊に、ドカンの主(ヌシ)
彼は15尺で 深宙 での釣りが定番とか

ローカルルール
愉しく釣りをする為に・・と

城北ワンド群、何処の池にもある、独自のルール
そして、6番、サンカク、14番と、小屋のある池程、殊更うるさいのである
然し、是は常連が自分等の為に勝手に決めた事
「皆で愉しゅう釣りしたいやろ」
・・は、尤もらしいが
己が為の身勝手な屁理屈である
何故なら
ルールを知らないビジターを殊更嫌う
「よそもんは来るな」・・と

ドカンの主(ヌシ)
「誰しも釣り したいやろ」
「他の釣り場みたいに、此処で釣りしたらあかんとは 云うとらへんのんや」
「(釣り場・台が)空いとるんや、使こうたらええ」

(但し)
「此処は此処のルールがあるんや」
「愉しゅう釣りしたいやろ」
「そやったら ルール守らんかい」
「それだけの事や」

・・・と、流石
任侠肌の親分である


ホソの釣り人 14番で

2017年07月29日 | ホソの釣り人 1996~2006

 

14番 でのこと
親分 と、二人並んで、釣をしていた
いつものように、和気合い合いと
この日の私は 運がよく、調子が良かった
だから 会話も弾む
片や 親分 ( 自称「へらぶな釣り師」 )  この日は調子が悪い
焦っている
新参者の私に負けては、彼のプライドが許さないのであらう
次第に会話も少なくなった

暫くして
「ノッタ で」 ・・隣から声が上った
「ヤレヤレゃ」 ・・いかにも、嬉しそうである
彼は釣上げた時はいつも、素直に悦ぶ、満面笑み・・至福の顔で笑う
今でも変らない
私はその光景がたまらなく、心地好い

「・・」  

竿が立たない

「鯉ヤ!」
「ナンヤ、鯉かぁ」

「・・」

ん (これは) 大きいデ」
鯉の引きではない
鯉なら、いっきに横走りする
「のっそり」、という感じの引きである

「 はくれん ヤ  はくれん ヤ 」 

Photo_25

 

 

 

私も、体長が1mもある大魚・はくれんが掛かった経験がある
アタリを合せた瞬間に横走りをする鯉とは違って、最初は「のっそり」 とした動きをする
しばらくして「気付いたかの様に」横走りするのが特徴である
ズッシリとした重さは、当に、大物を実感させる

「 はくれん ヤ 」 

彼の大きな声が、14番中に轟く

竿は大きく しなっている・・確かに、大物には間違いない
皆が注目して観ている
ゆっくり近づいてくるが、姿が見えない

大物が掛かった時は、高切れ(道糸が切れる事)をふせぐ為、いっきに引き寄せない、
ハリスが切れるのを待ちながら、
竿先を抜き取られない様、竿を立てて、ゆっくり引き寄せるのである

「・・・?」

どうやら 「はくれん」 では無さそうだ
側で観ている私は、その正体が何であるか、判った
観ている私より、竿を持って苦闘(?)している、本人が一番感じているはずである
水面に正体を現した。
果たして・・

「!」

「何ヤッ 亀 カァ !」
尺タマが破れそうな、超ド級のミドリ亀 であった。
親分・・、もう、笑うしかない
二人で大笑い


ホソの釣り人 昨日は何枚?

2017年07月29日 | ホソの釣り人 1996~2006

日曜日の午前10時頃、ホソ

 

「今日は、ドナイ?」・・通りかかった、ギャラリーが、親しげに声をかける
「今着たばっかりャ、(一日は長い、)これからャ」
「昨日(土曜日)は、良かったデェ」
「何枚、釣った?」
「8枚ャ」
「ホウ、8枚か」
「・・ヘラが6枚、マブが2枚、あと、コイが3本、ニゴイ一匹にワタコ(わたか)が・・」

  

「フーン、そりゃ良かったなァ」
「38.5(cm)のオオスケが、2枚上がったでェ」
「あと、36が、3枚・・、テノヒラが・・枚・・」

・・むこうの方から、そんな会話が聞えてくる。
隣に座ると喧しくてノンビリと釣りが出来ないが、
離れている分には、こぼれて来る会話が退屈しのぎになるのである。

 ギャラリー・守口の人

「オハヨウサン、どない?」・・通りかかった、次のギャラリー
「2枚ャ、さっき始めたばっかりャ」
「(来るのが)おそいなァ」
「(ワシは)、夕方のジアイ狙っているんャ・・日のッ暮れまで、するからな」
これからや
「昨日は良かったでェ・・」
「何枚、釣った?」
「9枚ャ」
「ホウ、・・」
「ヘラが6、・・・7枚、マブが2枚、コイが ・・」

ウッカリ・・釣上げた枚数の勘定が合わない
(いつもの様に)、ヤッテル、ヤッテル・・
「あっちの方で、又、ホラ吹いとるでェ」と、皆の声
ご当人、承知の上で、「ホラを吹いて」、楽しんでいるのである

聞くとは無しに、耳をかたむける
これも、楽しみの一つなのである


ホソの釣り人 暑さで引っくり返った親分

2017年07月29日 | ホソの釣り人 1996~2006

「先週は、良かったでぇ」
相変らずの口調で始まった
先週、「ホソ」 に姿を見せなかった親分 偶には、いつもと違う釣り場に行くのである
常連さんに、「此処、入らせてもろて、よろしいやろか、・・言うたら」
「どうぞ、どうぞ・・言うて呉れてなぁ」
「エエ、おっさんやで」
いつもの口調で、自慢話が続くのである
「25枚、上げたでェ」
「サイズはテノヒラばっかりやったけどなあ」
「兄さん、後から来て、何してくれまんの」・・おっさん、言いよる」

満面笑みした丸い顔で、愉しそうに話している
本当の様に、上手に話を創るのである

「釣れるもん、仕方おまへん」
「ここが、違うんや」(腕に手を当てて)・・・そう、言うたってん」
「ガハハッ」

一人で喋り、一人で笑っている
いつもの、とおりである

「明日、一緒に行こう、釣り場教えてやるから」
「ホソ で 待っといてヤ」
「朝、早よう行くからな」

私ともう一人の釣り人・サコさん が一緒に行くことになったのである。
親分のいつものホラ話とは思いつつも、ついつい信用したのである

約束どおり、翌朝、9時頃、「ホソ」へ
暫らく待ったが、親分なかなか、来ない

「遅いナァ、まだ、こんのか?」  もう一人の釣り人・風呂迫さん、8時頃から待っているそうな
真夏の八月、午前8時はもう日が高い、炎天下、猛暑の時間帯なのである
風呂迫さん は、いつもは早朝に釣りをする
9時頃は、そろそろ納竿を意識し始める時刻なのである
「良く釣れる場所を教えてやる」 と、言う親分の言葉を信用したのである
これも、釣りたいという思いから
親分を信じ、暑い中、待っていたのである

「何が、朝、早う行くから・・・や」

・・・

「おはよう」
「なに、してんねん」
なにしてんねん とは、なにゆうてんねん
あんたを待っていたのであろうが
時刻はもう、10時を過ぎている
人の気も知らず、親分 遅かったことを謝りもせずに
何食わぬ顔で 「行こで!]
自転車を乗ったまま、そのまま、釣り場へと向かったのである
吾々は、その後を追いかけた

 着いた場所が、6番池
私には初めての場所である
日が高いので、常連は帰った後で、釣り場は空いていた

「ここや! よう釣れるでぇ!」

仕度を終えて、「さあこれから」 であるという時
「どない!」
この場所へ来たことを聞き付けてやって来た親分の相棒・橋元さん
親分に声をかけたが、親分の様子がおかしい
「どないしたん?」
親分、気分が悪い・・と、言い出したのである
「吐き気がする」
「昨日食べたお好み焼きが悪かった」
「来る時、日に当たったんや・・日射病や」
一人で、なんやかんやと言いながらも、相当気分が悪い様である
「橋の下で熱をさませ」

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橋の下は影があり、風が通り抜けて涼しいので、いつも多くの人が涼んでいる
私は親分の荷物を片付けて橋の下まで運ぶハメになったのである
もう一人の釣り人・風呂迫さん、自分の荷物だけ片付けて、サッサと帰ってしまった
無理もない
散々、暑い中を待たされた挙句ここへ来たのである
そしたら
親分、暑さでひっくり返ったのである

釣り場は、私一人になってしまった
なにせ、初めての釣り場なのである
広さ、深さ、風向き、さざ波・・・ホソとは随分勝手が違う・・釣れるはずもなからうに
もう、のんびりと釣り どころではない
偶々、チャンベラ 一枚釣り上げたところで、仕方なく、納竿することにしたのである

風通しの良い橋の下で、横に成っていた親分、2時間程で元気を取戻した
「この場所、アカン」
「ゲンクソ、悪い、今日は帰る!」
親分の相棒橋元さんと 3人で6番池を後にしたのである

「ホソ」 まで着くと、親分、相棒・橋元さんに声をかけた
「オイ、ちょっとだけ やろや・・・」
「今日は、もう止めといた方がエエデ」 と、言う、私の忠告も聞かず
相棒と二人、亦、竿を出したのである

私は、そのまま振り向きもせずに、家に帰った
「ええかげんに、せいよ」・・と

この日は暑かった
私は水分補給にと、CCレモンと氷を魔法瓶に入れ、特に冷たくしたものを持って来ていた
もう一人の釣り人・風呂迫さんに差し出した
よっぽど喉が渇いていたのであろう、暑かったのであろう
彼はいっきに飲みほした・・・その様子だと、足らないた゛ろうと感じた私は
「もう一杯、どうぞ」
冷たいCCレモン・・おいしかったようである
この魔法瓶のカップ2杯のCCレモンで、もう一人の釣り人・風呂迫さんが、私に対して心を開いたのである
これ以来 釣り仲間として親しくなったのだから
人の縁・・・不思議なものである と 思う