もう一つの 昭和・私の記憶

『 昭和・私の記憶 』 の、続編
吾生涯を物語る

ホソの釣り人 ホソ腕会

2017年07月29日 | ホソの釣り人 1996~2006

ホソ腕会
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へらぶな釣を始めてから3年
ひとつ処で3ヶ月、釣りをしていると声が掛かる
「今日はドナイ、アタリ有る?」・・と
ホソの釣り人ともゆっくりではあるが、一人一人親しくなっていった
顔なじみも多くなったきたのである
無理はしていない、自然の成り行きに任せて・・・

皆で集まって釣りをしよう
その日の釣りを終えて、竿納後
「ホソでの顔なじみの皆が、たまには並んで釣りをしてみたいネ ワイワイ言いながら」
「やろうよ、ハナチャン」
「良いですね、やりましょう」
あくまで、親睦が目的である
独りで釣るのが好きな人も居る
釣ることよりも、連れと会話しながら釣りを楽しむ人も居る
大きな声で独り事を言いながら釣りを楽しむ人も居る
いろんな面々が、各々自分のペースで釣りを楽しんでいるのである
一度に多くの釣り人が会するは、なかなか難しからうに・・・
二人して、一考
「吾が一番」・・・誰もが、己が腕を自慢したとそう想っている
釣り人とは斯くの如きもの
そこで、競技形式 を採ることにしたのである
これなら、めんどうぐさがらず集るに違いない・・と
釣り経歴も、実年齢も私より先輩の釣り人・田辺さんが、発起人となり、皆に回覧した
案の定、皆は賛同したのである

 

ホソで行う、腕自慢の会 「ホソ腕会」

こうして、記念すべき第一回が、1998年(平成10年)1月3日
新年の正月三日に行われたのである
釣り人には正月は無い 仕事や用事の無い日は全て釣りの日である
この年の三日は風もなく暖かな日和であった
然し
へらぶな は、寝正月
年始の挨拶に訪れたのは、まぶな一枚だけであった
釣れたのは私一人だけ
皆、ボウズ で終了したのである
「又、やろう」
「2ヶ月に一回はやろう」
「今度は九番(城北ワンド)でやろう」
腕自慢の皆は、ボウズ が気に入らなかったのだ

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2回目は、2月28日
ホソで釣りを楽しむという目的から外れるが、城北ワンド九番で行った
「ホソは浅いから冬は魚が居ない」 「ワンドは深いので魚が居る」・・という理由から
・・・結果は同じであった
冬はいずれにしても魚は居ない

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今度こそはと

3回目を4月19日に、ホソで行った

参加人数も増えてきた

当初の目的と違って、競技会としての色合いが増してきた

とは雖も、和気あいあいではあった

3枚釣上げたところで、幹事役の私は皆の釣り風景を撮影すべく釣り場を離れた

釣り人・ハタさん、せっかく釣上げた魚をフラシに入れる際、入れ損なって河へ逃がしてしまった

「せっかくの魚、逃がしてどないすんネン」

「釣ったことにしといてエ、大きさは33cm」 

「逃がした魚は大きい・・」 と、皆で大笑い

「ハナチャン、余裕 やなあ」 

「3枚釣って、もう優勝は決まりヤナァ」 

「イエイエ、優勝できるとは思っていませんから」 

「どうです? アタリありますか?」 

「アタリマセン」 ・・と、田辺さん
  写真左が田辺さん、右は吉村さん
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撮影を終えて、自分の釣り場へ帰った
「アッー」
サア大変、私の顔から血の気が引いた
魚を入れていたフラシが、河へ浮かんで流れているではないか
しかも、フラシの口が開いている
魚はどうなった・・・
・・・一枚足らない
逃げられた
「他人の事笑っているから、バチが当たったんや」・・皆にそう、冷やかされた 

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うららかなる春の半日は、あっという間に過ぎる
終了時刻がきた
各々がフラシを持って、赤川鉄橋下まで集合する
ボウズの人で 「もう勝ち目が無い」 と、既に帰った人も居た・・マナーを知らない
計測がはじまった
全般的に釣果は良くなかった

計測の結果
最も多く釣上げて枚数は2枚、私と釣り人・山崎さんの2名だけであった
他は1枚が数名
ルールでは、同数であれば長寸の合計で決めることになっていた
私の釣上げた魚の合計が僅かであるが、勝さっていた
ヒヤヒヤの優勝であった
私が1枚、逃がしていなかったら楽々、優勝であったのに・・
やはり、逃した魚は大きい・・様である 



競技会となると、皆、真剣である
緊張もする、必至にもなる、だから 皆 5時間、釣り場から離れない、離れられないのである
オシッコ も 行けないのである (私も例外ではない)
そのワリには釣果が上がらない
普段の実力が出せないのである ・・そういうものである
だから、非常に疲れた
1日に2日分の釣りをしたほどに

皆には、好評だった
連れが連れを呼び、知らない参加者も増えた
「参加したい人を拒むわけにはいかない・・・」
和気あいあいにも行われているが、やっぱり当初の目的とは、少し違って来ている
・・・と、思いつつ・・会は続いて行った


第7回 1999年7月4日 参加者が最大の会

ホソの釣り人・風呂迫の長い一日
第13回、2001年7月15日ホソ腕会での事
私の隣に坐った釣り人・風呂迫さん、開始早々オオスケを釣上げた
「一発長寸」 ・ 最長寸法が優勝・・・今回のルール
メジャーテープ(非公式)で計測すると38センチのオオスケである
いきなり優勝候補である

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皆は、「これで、優勝は決まりやなァ」 と、冷やかしたが、本音でもあった
当人もそう思った
未だ、誰も釣上げていない
「ハヨ、終わらんカナ・・」
・・・終了まであと5時間
時間の経過と共に、あっちで、こっちで、一人、又一人と釣上げていく
「40上(ガミ)、上がったでー」
「ホンマカイナ」
「上がったデー」
「(上がったけど)これは小さい」・・・皆の声が聞える
だんだん、賑やかになってきた
風呂迫さん、その一声一声に反応している
側にいてよく判る
彼はもう、気が気で無いのである
心配で心配で仕方がないのである
「皆の様子、見に行く」・・とうとう釣り場を離れて行ってしまった
心配は分るが、そう簡単には38センチオーバーは釣れる筈もなからうに
皆の釣りの技量の差は無い、しかも竿の長さも決めて同じように釣っている
釣ったヘラの大小は 偶々の 運、不運
だから、いきなり釣上げた彼は、今日は 「ツイテイル」 のである

私はこの日、ツキが無かった
風呂迫さん、皆の様子を見て周って、帰って来た
未だ自分の魚が一番大きい・・と安堵して
「ウロウロしていないで、もう一匹釣ったらどうですか」
「もっと大きいのが釣れるかもしれませんよ」
「そしたら、安心でしょう」
釣り人・風呂迫さん、ようやく釣り始めた
そして彼は、終了間際に、一匹オオスケを釣上げた

終了の時刻が来た
皆がフラシを持って集まってくる
さあ、計測だ
誰も38㎝は上がっていないと言う
風呂迫さんが真っ先に、フラシからヘラを取り出した
一番最初に釣上げた38㎝のオオスケ
5時間もフラシの中に入っていたものだから、尻尾(尾びれ)の端が千切れていたのだ
「エーッ」
「尻尾が千切れていなければ優勝だったのに」 と、運の無さを嘆いた
しかし、やっぱり、この日の彼はツイていた
最初に釣った38㎝にはとどかなかったものの
こともあらうに、終了間際に釣り上げたオオスケが僅か数ミリの差で、この日の最長であったのだ
釣り人・風呂迫 優勝したのである
(因みに、尻尾の千切れたヘラは千切れてはいても、第3位長寸であった)

 

ホソの釣り人・サコさん
しみじみと 「アー、疲れた」
本当に長い一日 お疲れ様でした

この頃が一番盛り上がった時である
疑問を感じながらも楽しいものであった
「緊張の中で、へらぶなを釣る」 という醍醐味も知った
釣ろうとして、中々、釣れるものではない
プレッシャーと焦り、優勝したいと謂う 「欲」
それ等が、アタリを合せる時、タイミングをずらす、餌をうち替えるタイミングをずらす
普段なら、釣れるものも、釣れなく成るのである

↑ 流石は 「しんがり」 の 田辺さん
最終回の記念大会での優勝である


今日のホソ
淀川の河川敷には多くの畑が耕されていた、勿論の事、不法である。葦原を焼畑で耕すのである
(最初の高空写真でホソ(中央クリーク)の左側のほとんど 及び 上記写真の工事中の部分)
建設省の「耕作禁止」の立て札も効き目がない、耕しては農薬を撒く
地面に浸透した農薬の所為か、魚が少なくなっていく
春先、焼畑が、火災となって巻き込まれた事もある
 リンク→ホソの釣り人 24 「大根 かえせ!」

少年野球チームの大人達、葦を刈って、自分等でグランドを作る
グランドの周囲をネットで囲む
これもルール違反であろう
監督の厳しい声が響く、聴かばさぞや立派な事を言っている
監督やコーチが、少年達に、野球を通して、何を教えているのか・・と 
 リンク→ホソの釣り人 番外 「監督や、コーチはおらんのかァ!」
2003年
これ等を一掃する為に、ホソを淀川本流まで延長して、グランドや畑に渡れなくしてしまった
釣堀状態であったホソは淀川本流とつながり、其処に居た魚は皆、本流に逃げてしまったのである
5万匹のヘラブナ、あっという間に、いなくなってしまった

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替わって入ってきたのは、ブルーギルとブラックバス
ウキ草の外来種である、ウォーターレタス、ホテイアオイ、オオカナダモ
そして土砂
そして、浅いクリークは、更に浅くなった
新参者のテリトリーとなってしまったホソ
一度逃げた、へらぶな や ワタカ などはもう、帰ってこないだらう
へらぶな が 居なくなっては ホソ腕会は もうできない ・・・ 


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