社会課題解決2020

実に10年ぶりにブログリニューアルです。ここでは主に社会の課題解決、SDGs関連を取り上げて行きます。

郵政民営化は構造改革と言えるのか?

2009-02-11 16:03:11 | Weblog
今週は仕事で沖縄に来ている。沖縄は2月は年間で最も気温の低い時期であるが、それでも昼間の気温は20度近く、まるで5月連休の関東地方の様な陽気である。思わずブログのテンプレートを春バージョンに切り替えてしまった。

さて時の総理の発言のブレで郵政民営化問題が再燃している。ブレと言うよりも
ダッチロールと言った方が適切であろう。「ではあの郵政解散総選挙は何だったんだ?」と首を傾げざるを得ないし、結果として政治や選挙に対する国民の信頼が
低下したことは残念である。

また日本郵政の簡保施設の売却に対する入札の公平性、公正性についても調査が進むにつれて、首を傾げるような事実が次々と明らかになっている。

このようなことから「郵政民営化を目玉とした小泉構造改革」は本当の構造改革とは言えない。構造改革とは本来、これまでの既得権益を思い切って打破して、真に公平、公正な社会の構造へと変え、人々が安心して暮らしていける社会にしていくことである。(構造改革の定義はhttp://ja.wikipedia.org/wiki/)

しかし郵政の経営形態は官から民に変わったものの、むしろその移行過程で新たな既得権益を生んでしまったことはとても残念なことである。

民営化の際に気をつけなければならないことは、「官から民へ」という美辞麗句が
「ガラス張りの公開から企業利益確保の守秘」、「公益から私益」へと
意図的に翻訳されてしまうことである。

改革という言葉は「革が改まる」と解釈されるが、透明な革から汚れた革に改まるのは改革とは言えない。

そもそも膨大な国民所有財産を官から民に払い下げをする際に膨大な利権が生ずるのは誰が見ても明らかであり、その過程自体は民の発想で行ってはいけなく、あくまで官の発想でやらなければいけない。民の発想は迅速である反面、公平性や公正性が失われる。官の発想は迅速性よりも公平性や公正性が求められる。多くの人の監視がなされる。民の発想は個人のコネやバーター取引が許されるが、官の発想ではそれらは許されないことは言うまでもない。

さて今後の郵政民営化の見直しはどうあるべきか? それはまず徹底した政策評価、事業評価を行って再度、そもそもの目的の妥当性評価、国民が期待した既得権益打破と言う目的からの再設定、官から民への移行過程における様々なリスクの解明と予防策確立など地道に進めていくべきである。4分社の是非はその延長で議論すればよい。

その意味では麻生総理の迷言である「国民が感じていたのは民営化かそうではないかだけだったと思う。内容を詳しく知ってる方はほとんどいなかったと思う」は、本来は、「郵政民営化の内容を詳しく知っている人は少なかったかもしれないが、郵政民営化を突破口にして日本の社会のあらゆる既得権益を壊して公正で公平な社会構造を築き上げることを期待していた国民は多かったはず。」と言うべきであった。