初・体・験！ ②

割と最近になって初体験した事がいくつかあります。

前回は 回転寿司のお話 でしたが、今日は・・・・。

 

　　

 

私は、「 あがる 」 という事がありません。　

人前に出ると緊張する、アノ 「 あがる 」 です。

インストラクターの仕事も初めての時から全然平気でした。

バイトで薬剤師さんか何かの試験監督をやったこともありましたが、１００人以上を前に段取りの説明をするのも全然大丈夫。

セミナーの司会進行、家電量販店でのデモンストレーター、なんでもＯＫです。

一応ドキドキはするのですが、緊張して頭が真っ白とか、この場から逃げてしまいたい！とか、そういうのが全くないのです。

 

 その私が、一度だけ、あがりまくって前後不覚に陥った事がありました。

 

１０年以上前、姉がお産を間近に控えていた時の事です。　

当時、姉には既に２人、女の子がいました。

３回目のお産が双子で、１ヶ月くらい前から入院することになりました。

その間、まだ保育園に通う姪っ子たちの面倒を見るため、２週間ほど姉の家に泊り込むことになったのです。

たまたまその期間中に、姪っ子たちの保育園の遠足がありました。

姉の代わりに、叔母の私が義兄と一緒に遠足に参加したのでした。

 

行きの遠足バスの中で  、バスガイドさんが子供達に言いました。

「じゃあ、歌の時間にしましょう。歌ってくれる人、手をあげて！」

「ハーイッ！ 」　数人の子が元気に手をあげました。

 

ふと見ると、私の隣に座っていた姉の長女が、手をあげていました。

 

バスガイドさんが歌う順番を決め、最初の子の歌が始まりました。

姪っ子は、５、６番目だったと思います。

次々に子供達が歌いますが、なぜか全員 「セーラームーン」 の歌。

 

だんだん姪っ子の番が近づいてきました。

「 大丈夫？　ちゃんと歌えるの？ 何歌うか決まってるの？  」

（ い、いや、保育園では 「セーラームーン」 を歌う事に決まってるのかな？  ） 

　　↑ すでに思考回路が若干おかしくなっている叔母。

 

 

自分が歌うわけでもないのに、ドキドキ、ドキドキ、ドキドキ

耳の中にこだまするＢＧＭは、ジョーズのテーマ。

 

前の席の子が歌い始めました。やっぱり 「セーラームーン」 です。

 

「 次だっ！ 大丈夫かな。ちゃんと歌えるかな。   」

 

ドキドキは沸点に近づいています。

・・・ と、

いつの間にか無口になっていた義兄がボソッとつぶやきました。

 

「 ・・・  緊張する ・・・。 」

 

その一言で、ドキドキは頂点に達しました。

ドキドキし過ぎて吐き気がしてきました。

じっと座っていられません。

こんな緊張感は人生で初体験の私は、どうしていいかわかりません。

「 『心臓が口から出そう』 って・・・・ これだ。」 と実感しました。

 

とうとう姪っ子の番になり、前の席の子からマイクが回ってきました。

 

 

「ぎゃ～ぁっ！ 来たっ！！ 」　← 頭を抱え、前屈みの体勢。

 

 

姪っ子が歌いだしました。やっぱり 「セーラームーン」 でした・・・。

 

「 ゴメンネ～素直じゃなく～てっ  」　飽きるほど聞いたフレーズです。

                     ↓

「信じ・て・いるの～♬　ミラクルロマンスっ！！ 」

 

「 えっ？ 」　← ガバッと起き上がる叔母。　

 

出だしのフレーズにいきなり最後のフレーズが繋がって、

あっという間に姪っ子の歌は終了。

 

 

「 早っ ！！　途中は？ サビは？？  」

 

 

姪っ子は、満足気に次の子へとマイクを回していました。　

 

「 ・・・。 本人が満足したなら、いいか。 」

こうして、私の 「初あがり」 は終了しました。

 

再び始まった 「セーラームーン」 を聞きながら、グッタリする叔母でした。