微笑み

マルニホームにて整理収納アドバイザーをしています。

杏花 春雨の深し

2018年01月15日 | 日記
厳冬の中の男体山

小さい頃から毎日見ている山だ

私が一番好きな男体山を見る場所

それは西方の思川の橋の上

ここは空が広く
空の景色がよく見える



男体山を背景に
東武電車が遠くに走っていく

鉄橋を渡る電車の音がいい


川の流れ
飛ぶ鳥の声

春には川沿いに続く長い桜並木

ここは春夏秋冬本当に美しい

私はこの橋を
今まで何度通ったのだろう
千回をとっくに超えているこの橋は

ただ繰り返し繰り返し通っただけの日々なのに
この場所が私にとって
かけがえのない所になっている

なぜだろう

色んな事を考えながら通った
あの日、あの時がなつかしい

運転しながら曲をきいていると
こんな曲がながれた
「暗闇に落ちた
 先の見えない様な道もたどりついたら
 闇などなかった」

そうなのかもしれない

闇なんでなかったのかもしれない

でも闇の中では

山を見て、山を自分に例えている自分がいる
山に問いかける自分がいる


私が山を見る様になったのは

「中学校の校長先生がいつも男体山の話をするんだ」

そう言った息子の言葉からだった

息子は校長先生の山の話が大好きだった

先生は毎日、誰にも平等に見える男体山を通して
色んなお話をして下さったそうだ

先生とは本当にありがたい存在だ

先生の山の話に励まされていた

言葉とは不思議な力を持つ

先日友人の娘さんの書道展に誘われ書初めを見てきた

「杏花春雨深」

この言葉が大きく書かれていた

杏花(あんず)春雨 深し

あんずの花の咲く時期は3月末から4月
この時期に降る長雨の事を「杏花雨」と呼ぶそうだ

長く続いた杏花春雨がやんだ時の
深い喜びの胸の内

雨が降り続いていた時の想いが
この5文字に込められているかの様に思えた

春をめざし頑張っている友だちの事を思った
「杏花春雨深」
どうかこの言葉を花開く春に
一緒にかみしめられます様に

この書道展でみた「雨」の文字が
とても優しい文字だった

「春はかならず訪れるよ」そう言っている様だった

書道の美術展と同じく

景色も私にとって
毎日見ることの出来る無料の美術館

今日も空を見上げよう

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