微笑み

マルニホームにて整理収納アドバイザーをしています。

夢をみる

2013年04月30日 | 日記
先日

「自分の良いところと、子どもの良いところ(長所)を言って下さい」

との質問に、自分の良いところは○○ですという事が、なんとなく恥ずかしく

「自分と子どもの共通している事をお話します」といってお話をさせて頂いた

共通しているところは「夢」を持つことと

「感動する心がある」という所ですと私は答えた

私達の「夢を持つ事」とは、将来なりたいものを見つけることや

進路やなりたい職業や身につけたい技術や、どんな大人になるかなどを、語る事ではない

南アフリカの600キロも続く花道を歩いてみたいとか

どんな河にも源流があって、その源流は必ず1滴から始まっている

まだ見つかっていない中国、黄河の源流を見てみたいなどなどだ

この様な話はいくらでも、いくらでも語れる

最近娘と話す事の多くは春の草花の話だ

タンポポの話やサツキの話、今日はシャクナゲの話だった

先日学校からのアンケートに家族で何を話すかとの質問に、娘も

「春の草花の話」と書いていたようだ。

娘の誕生の記念に植えた木蓮の木が、植木屋さんが間違って切ってしまった。

この木はまだ、一度も花を咲かせた事がなかった。

でもまた、そこから枝が生え葉を沢山、咲かせたのだ。

木蓮の木で、白い花を咲かせる。「バレリーナ」という名前の花が咲く

この花を見る日を楽しみに夢みている

私は、自分が小さい頃は今よりもっともっと夢があったなぁと思い出す

例えば、水道からオレンジジュースが出てこないか何度も祈った

自分の家が自動ドアにならないかなと、願ったがどんなに玄関の前にたっても

自動なんかでは開かないのだ。何故そんな事を思ったのかというと、我が家は

昔の家なので、引き戸だったが、実はこの古い玄関が、月に一度だけ自動ドアに

変身する時があるのを私は知っていたからだ

うちには、寝たきりのひいおばあちゃんがいて

内科医の先生が、月に一度往診に来てくださる日がある

私は先生がうちにやってくるこの日がとても楽しみだった

先生はタクシーに乗ってやってくる

田舎でタクシーなんてめったに見ないため、庭に先生の乗ったタクシーが入ってくると

子どもながらにとても珍しかった

白い白衣を着た先生と、先生の大きな黒の革のカバンを下げた看護婦さんが

降りてくると、ぷーんと病院の匂いがする。これが、何故か好きだった

我が家に奇跡が起きるのはまさに、さぁ!次の瞬間だ!
 
あの古い古い引き戸の玄関が、自動ドアに変身するのは!

先生が玄関の前に立つと、玄関が自動で開くのだ!

開くだけではない!閉まるのだ!

先生が診察が終えるまでに、先生の大きな黒い革の靴を母が磨くのを私はいつも手伝った

先生が診察を終えて帰る時も、玄関は自動で開くが、これが終わってしまうと

あと一か月、来月の往診の日まで、この玄関は、いつもの玄関に戻ってしまうのだ

私はとっても悲しかった。私が何度たっても自動ドアにならない事が悲しかった

他のお客様でも自動では絶対にあかない

先生は「先生様」と呼ばれていた

我が家の玄関は、他のだれでもない、先生様しか絶対に自動にはならないのだ

先生が帰ると毎日の様に

「私が玄関に立ったら、自動で開けてね」とお願いした

玄関に入ったら、また、自動で閉まらなければならないのに、家族は気を許して

閉めてくれないのだ。「これじゃ、だめ!やり直し!」と私は言って

先生様と同じようにしてほしいと何度も頼んだ

これが、何日も何日の続くのだから、家族もさぞ大変だったろう

私が家に上がった後は「靴を磨いておくように!」といってもそれは叶えられなかった

では「そろえておくように!」と言うを叱られた

この夢は大人になった今でもまだ叶えられていない

私は、自分の夢にはとことん厳しかったが、

叶えられない夢を見るという事が、どんなに楽しかったかを大人になって知った

こんな夢を見ることを、私は大人になった今でも楽しんでいる