考える葦のブログ

さわやかに さりげなく

警官の紋章

2010-11-13 22:50:00 | 

APEC - Asia Pacific Economic Cooperation -(アジア太平洋経済協力会議)の首脳会議ががいよいよ横浜で始まりましたね。
全国から警察官が集められているようで、直接は関係のなさそうな東京でも多くの警察官の姿が見えます。ご苦労様です。中国の胡錦濤国家主席、ロシアのメドベージェフ大統領、アメリカのオバマ大統領をはじめ、多くの国家のトップが終結しています。まずは無事に終わると良いですよね。

それにしても、菅直人首相、どんな外交を見せてくれるのでしょうか。国内は停滞?大混乱?の割には、国会では追求ばかりで何も議論されていない気もしています。
言わずもがなですが、経済をはじめ多くの問題が、すでに日本だけではどうにもならない複雑な関係で世界中の国家と結ばれています。何を語って、何を語らないか・・・どんな風に日本の考え、そして立場と要望をアピールしてくれるんでしょうか。

さて、読書の秋もいよいよ終盤?
今日は本の紹介でも。

世界の首脳が集まるために、その警備のために全国から警察官が集結する・・・

そんな状況を見ながら、思い出していたのが佐々木譲さんの「警官の紋章」。
舞台は北海道、洞爺湖サミット。

全国から警察官が集結し、テロを警戒する中で、それぞれが全く別の思いとともに、実は同じ過去に向かって動く警察官ふたり。
佐々木譲さんのいわゆる“道警シリーズ”の三作目。
限られた時間と公務と公務外の間というタイトなところを、スピード感ある展開で描き出す、
とても、読みやすくて、すっきりするシリーズだと思います。
ボクは、一作目の「笑う警官」、二作目の「警察庁から来た男」と本書・・・一気に読んでしまいました。
やっぱり、連続して読まないと、三作目だけでは意味が通じにくいと思います。
ぜひ、三冊いっしょに買って、読み進めることをお勧めします。

でも、内容的には、1,2,3と進むに連れ、だんだん設定や展開が少し無理が出てきてしまったような気がします。それでも、最近は「現実は小説よりも奇なり」的な話がますます増えているようにも思うので、これはこれでありではないかと。

そして、一番のポイント・・・
このシリーズが取り上げているのは、警察・検察の不祥事、隠蔽、組織の闇です。

全国から警察が集結しているという話題以上に、本当にタイムリーなのはこの部分でしょう。
どこまで現実味があるかは「?」マークもあるんでしょうが、出来上がってしまった組織とその中でサラリーマン化した警察官(検察官)の、良くも悪くも人間らしい弱さと、その反面の強さ。
小説の中だからこそ描けるリアリティが、またある気もするんですよ。

秋の夜長に、ぜひ、読んでみてください。
でも、佐々木譲さんだったら、「警官の血」のほうがお勧めの優先順位は高いです。
ボクのほうは、先日、Bookoffで買った直木賞受賞作「廃墟に乞う」が次の順番に並んでいますけど(笑)。

警察官を題材にした小説と言えば、横山秀夫、高村薫、東野圭吾・・・
いろいろとありますが、佐々木譲さんも良いですね!

テレビでは、同じように警察官を題材にしていても、全く別の色を出している誉田哲也さんの「ストロベリーナイト」がやっているはず。
子どもが起きていたので、録画しておいたんですが。(そのおかげで、ブログに向かっているわけです。)
そろそろ見始めよう、かと。

笑う警官 (ハルキ文庫)
佐々木 譲
角川春樹事務所
警察庁から来た男 (ハルキ文庫)
佐々木 譲
角川春樹事務所
警官の紋章 (ハルキ文庫)
佐々木 譲
角川春樹事務所

 


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