考える葦のブログ

さわやかに さりげなく

北方水滸伝

2011-06-15 23:45:37 | 

また熱い「漢」(おとこ)たちが帰ってくる。

北方水滸伝の続編『楊令伝』の文庫本の発刊が決まったようですね。

北方謙三 水滸伝 / 楊令伝 公式サイト
http://www.shueisha.co.jp/suiko-yourei/top.html

本屋さんに置いてあった「北方水滸伝検定」の無料の小冊子には、こんな紹介が記載されていました。

夢を持つこと。ロマンを追い求めること。人が人として生きることの大切さを、壮大なスケールの中に描き、比類なき感動と興奮を巻き起こした「北方水滸伝」。国家改革に挑んだ漢たちの替天行道という熱き志は、次の世代へ脈々と受け継がれた。梁山泊の命ともいえる旗を渡されたのは楊志の遺児・楊令。北方謙三の手によって生み出されていく、志を曲げない猛者たちのオリジナルストーリーである。続・北方水滸伝『楊令伝』文庫本発刊は目前。義を掲げる熱いドラマに、手にした者はふたたび胸を焦がすに違いない。

ご承知のとおり、水滸伝は12世紀の中国、北宋の時代の物語です。実際に原典があって、それを日本でも多くの人が新訳として小説化していますが、北方謙三さんほどにオリジナル化した人は、古今東西、いないのではないでしょうか。

奇書と呼ばれるほど水滸伝の原典は難解らしいのですが、北方謙三さんは実に見事に108人の「漢」たちに彼らの背景と“替天行道”の志を吹き込んで、物語にリアリティを生み出しています。

その点では、あまり原典には忠実ではないようですが、それが北方水滸伝の魅力であり、本来は存在しないはずの水滸伝の続編、『楊令伝』への期待になります。

北方水滸伝の面白さは何よりも、108人のいわば反乱者の漢たちだけではなく、通常は悪役として描かれる国家側の人たちにも、立場を替えた「義」を描こうとされていることからの、お互いが譲れぬ熱い闘い。その闘いは、文字通りの戦闘ではなく、表からは見えない影の争い、あるいは闘うための土台となる経済・社会の発展を競うことでもあるんです。

善悪二分論ではなく、守るべき「義」、志の方向の違い・・・こういう時代だからこそ読みたい本だと思います。お勧めです。

 

北方謙三さんの「水滸伝」の文庫本が2006年10月から毎月1冊発売されて、全19巻+別冊が終わったのが2008年4月。この期間は、本当に毎月の楽しみとしていました。(文庫本を楽しみにするのは小説好きからすれば邪道かもしれませんが。苦笑)

次は6/28から『楊令伝』が、また毎月1冊。今度は15ヶ月・・・

子どもの頃に、毎週1回、少年ジャンプの発売を楽しみにしていたように、また今月から北方水滸伝の発売を楽しみにしたいと思います。

 

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水滸伝 1 曙光の章 (集英社文庫 き 3-44)
北方 謙三
集英社
替天行道-北方水滸伝読本 (集英社文庫)
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