考える葦のブログ

さわやかに さりげなく

いじめ

2007-06-11 00:19:57 | 徒然なるままに

朝の「サンデープロジェクト」を録画していたので、観ていました。
酷いですね~

酷いのは、グッドウィルグループの会長・折口雅博さんはもちろんですけど・・・
もっと酷いのは番組出演者・・・
折口さんをみんなで囲んで大追求大会。
そうして追求されれば、折口さんも言いたいことも言えないでしょうに。。。唯一、理解しようとしていた高野孟さんだけは、さすがでしたけど。
しかも介護についての専門家として呼ばれていた人も含めて、誰一人として介護ビジネスの現状を知らないんでしょう。

今日、田原総一朗さんに一番追及されていたポイントは、“インチキ”という「不正申請」がどれだけの数の事業所で行われていたか?ということ。
確かに経営者としてつかんでおくべき数字かも知れませんけど、
グループの会長の折口さんは知らない、調べ切れていない、多分これは事実でしょう。
それはもちろん良くないことですけど、今さらそんなことを責めても「介護ビジネス」の未来は明るくなりません。
ボクらが「失敗者」から学べることはたくさんあるはずです。

前から書いていますけど、ボクが思う今回の問題の最大のポイントは「介護の人材難」。
折口さんが繰り返すように「事務処理能力」が足りなかった、満足できるレベルに至らなかったのは間違いなく事実だと思います。本当に悪人・詐欺師であれば、申請書類くらい上手くごまかしますよ。
六本木ヒルズで想定していた事業拡大のスピードに管理者も従業員も追いつかなかった。実は、これはコムスンだけの問題ではなく、介護業界全体の問題なんですよね。事業所や施設を立ち上げても人が集まらない、これは要介護者が増え続けていくであろう日本の数年後に大問題になることは、おそらく間違いないとボクは思っています。
みなさんは、こうして急激に高齢化(少子化)が進む中、増え続ける高齢者を支えられるだけの多くの日本の若者が「福祉の心」「志」「理念」を持って介護業界を目指してくれるとか、アジアの各国から老人に優しい素晴らしい人たちが大挙して押し寄せてくるとか、
そんなことを信じていますか???

そして、忘れてはいけないのは、東京都の指摘を受けたのはコムスンだけではないという事実。ここここでも同じように「不正請求」があったことを、多くの人はすっかりディスコや悪人面(失礼!)の映像に注意を引かれて、忘れてしまっています。
こうなると「コムスンの他は全く悪いところはない」と言い切れる人はいないでしょう。
これが現実です。

にも関わらず、寄って集って一人をいじめて・・・
こういう番組が一番教育上、良くないと思います。「個人の正義」が寄って集って他の人を責めることを奨励しているようで。
「いじめられる人にも原因がある」という思考は、こういう番組で育てられているのではないか、なんて思いますね。

みなさん、ハローです。ホディです。

今日は日曜日。例によって、季節感のない、外の嵐も無関係の教室に引きこもっていました。

年金と介護・・・
相変わらず世間の追求は厳しいですね。
内田樹先生のブログに『Who is to blame?』という記事があります。
社会保険庁の問題について、「いったん事件化したあとになって「誰のミス」であるかを徹底究明することには熱心だが、事件化するより先に「私の責任」でミスを無害化する仕事にはほとんど熱意を示さない」という日本的システム、「何もないところにゴミを捨てる根性はない。でも、一つでもゴミが落ちていれば、ほっとして捨てる。」というボクら日本人のメンタリティが、ここまで問題を大きくしてしまった、と・・・
そのように書かれています。

おっしゃる通りですよね。
社会保険庁の問題も数々指摘・糾弾されながら、
過去の問題の追求が社会保険庁の根本的なシステム改善には全く役に立っていなかったことは、残念ながらこれも現実なんでしょう。

そして、ボクらは年金だけでなく、介護でもまた同じことを繰り返す・・・

「誰の責任だ」という言葉を慎み、「私がやっておきます」という言葉を肩肘張らずに口にできるような大人たちをひとりずつ増やす以外に日本を救う方途はない」(@内田先生)とボクも思うんですけど。。。
「私がやっておきます」とは、「何を」「いつまでに」「どうやって」としっかりと言うのは難しい。こうして言おうとすること自体が「肩肘張っている」ことだから、すでに“日本的システム”“日本人のメンタリティ”に悪の循環に入っているような気もします。
これはボクの現状です。

あと77日。

アジサイ


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4 コメント

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水に落ちた犬を叩くマスコミ (オカダ)
2007-06-11 18:56:56
hoddyさん、こんばんは。
サンプロは見てないんですが、月曜昼のTBS「ピンポン」に折口会長が出てました。出演者から「会長を辞任すべき」とか「介護事業から撤退すべき」といった、まさにいじめに近いような発言が続いていて、見るに堪えませんでした。この番組にニチイ学館のCMが流れていて、その関係もあるのでは、と疑いたくなるような内容でした。

内田先生の記事を読んで、僕も「日本の劣化」を感じずにはいられません。

PS:あと77日、がんばってください。
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袋叩き (のん)
2007-06-11 21:33:15
こんにちは。
私もサンプロを途中から見たのですが、コムスン云々はさておき、映像的に見てhoddyさんのご指摘同様、よってたかって叩いている状況に気分が悪くなり、TVを消しました。
それにしても、内田先生は相変わらず痛快ですね。
返信する
続き (のん)
2007-06-11 22:36:21
すみません、書き忘れがありました。(どうもブログのコメント欄に慣れてないもので、そっちに気をとられがち..と言い訳。)

介護の問題に人材難を指摘している点、私も激しくそう思います。
介護の現場で働く人が今後増えていく構造的な仕組みを作らないといけないと思います。そして、それは役所の役割だと。
返信する
(^v^) (hoddy)
2007-06-12 08:11:18
オカダさん、コメントありがとうございます。

水に落ちた犬を叩くマスコミ・・・
スポンサーの問題もあるんでしょうね。ニチイ学館なんて、介護保険法上はほぼ同罪にもかかわらず、受け皿として名乗り出た、という記事が今朝の日経には掲載されていました。わが国の倫理観はどうなっているのか。
そして数多くの番組を目にしても、責めるのに一生懸命で、「私がやっておきます」という“評論家”は誰一人でてこないんですよね。残念。

数字に込められたヒミツ、分かりました?
ありがとうございます。がんばります。



のんさん、コメントありがとうございます。

金太郎飴のようにどの番組でも、みんな同じことを言って、悪事によってすべての人格を否定しても許されるかのような一方的な攻撃。今時、ドラマの取調べシーンでもこんな映像は見られない気がします。

介護の人材難・・・
おっしゃるとおり役所が整備していかなければ、難しいと思います。
今の論調のように「福祉の心」だけに頼っていたら、結局、困るのは高齢者なんですよね。本当は「福祉の心」だらけの世の中であるべきなんでしょうけど・・・
そのような国にしたのもボクらですから・・・

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