考える葦のブログ

さわやかに さりげなく

相撲協会の課題

2011-01-22 23:24:21 | スポーツ全般

大相撲の初場所、横綱白鵬が今日も勝ち、その前に星一つの差で追う隠岐の海が敗れ、白鵬が千秋楽を待たずに6連覇達成。出身が同じ島根である隠岐の海には優勝はともかく、2敗を守って白鵬との優勝決定戦の可能性に期待していたんですが、残念。
そんな隠岐の海の活躍に久しぶりに相撲を見たくなって、ニュースではなく、NHKの生中継を観ていました。一番印象に残ったのは、幕内の上位だけではなく、ほとんど満遍なくと言ってよいくらい広がった外国人力士の数ですかね。

そんな大相撲、今朝の新聞では協会の「ガバナンスの整備に関する独立委員会」なる組織?機関?が“答申の草案”をまとめたという記事が各紙に載っているようですね。
ボクが読んでいる日経新聞のスポーツ欄にもサッカーのアジア杯の3分の2くらいの紙面上での扱いでしたが、掲載されていました。

年寄名跡、対策は相撲協会に委任…独立委改革案(読売新聞) - goo ニュース

読売新聞 2011年1月21日(金)22:03

日本相撲協会の組織改革を検討してきた「ガバナンスの整備に関する独立委員会」(座長=奥島孝康・日本高野連会長)は21日、両国国技館で会合を開き、相撲協会に答申する改革案をまとめた。

年寄名跡の扱いについて、売買が問題であることは指摘したが、協会が買い上げて一括管理するなどの具体案は盛り込まず、対策は協会側に委ねる方向となった。奥島座長は「理想論を述べて実現しないのではどうしようもない」と話し、答申は現実的なものとなることを強調した。

大相撲をスポーツとみるか、伝統文化とみるか・・・

最後はこの点での意見の違いで、いろいろな答えがあると思うんですが、今日の記事を読む限りでは、たしかに年寄名称(年寄株)の売買は、不透明で不健全だと思いました。相撲協会と、その傘下で一定の任務を負って、その対価として報酬的な金銭を受け取ることができる“年寄”は、企業と社員の関係と同様と考えることもできると思うので、それを金銭で売買することは違和感がありますよね。
さらにいえば、日経新聞でも「暗々裏に売買される年寄名称」と書き表している部分があるのですが、これは税務署などはキチンと把握しているんでしょうか。この点などは、いろいろな大相撲の問題の原因の一つであることは間違いないのでしょう。

一方で、この何とか委員会は何のための改革案を出すために、出来上がったのか???

すっかり大相撲の大騒動も今や昔?何があったのか?さっぱり忘れてしまっている人も多いんでしょうね。思わず以前の自分のブログを読み返していました。
※こんな記事や「大相撲は変われるのか」、こんな記事「真価が問われる」、その前にはこんな記事「朝青龍

当時、大きな問題として表面化したのは、野球賭博と反社会的勢力とのつながりだったと思います。
その前には、大麻とか、暴力事件とか、かわいがり(リンチ)などの問題もあって、相撲界全体、いったいどうなっているんだ?という不信を背景に、スポーツとしての透明化・健全化を問う流れだったと記憶しているんですが。

見事な問題の矮小化と限定的な課題認識は、これこそ日本の伝統文化、お家芸かも知れませんね~(笑)。大きく捉えると、改善も見えにくくなりますし、時間もかかりますから。

そして、足並みを揃えて、単に「年寄株の問題」だけを広めようとする新聞各紙もお見事。
大相撲という相撲協会がまさに独占している市場から締め出されるのは嫌でしょうし、角界から不祥事がなくなるのは、ニュースの減少(=マスコミの存在意義の低下)につながるのでしょうから、本当に大相撲が透明化・健全化することは、できれば避けたい事態なんでしょう。“八百長”とは、まさにこういうことなのかもしれません。

この「ガバナンスの整備に関する独立委員会」や、その答申の草案を右から左へ流すだけのマスコミ・・・こうした外部の目が曇ってしまう(曇らせてしまう?)ことが、本当の相撲協会(大相撲の世界)の一番の課題なのかもしれません。

 


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