ある日の気づき

アメリカへのミサイル輸出は国際法違反の戦争行為

どんな物事にも、従って国際法への無知にも、限度というものがあるはずなのだが、昨今の
日本では、そうでもないらしい ....
http://manhaslanded.blogspot.com/2023/12/blog-post_703.html
https://ameblo.jp/yamatokokoro500/entry-12834264070.html
「ロシア、パトリオット・ミサイルをめぐり日本に警告」
「ロシアは、パトリオットPAC-3対空ミサイルを米国に送るという日本の決定を非難し、
この動きは、特に軍需品がウクライナに届いた場合、モスクワと東京の関係に悪影響を
与えると警告している。」
「もし日本のミサイルがウクライナ軍の手に渡れば、そのような行動はロシアに対する
明白な敵対行為と見なされ、日本にとって最も深刻な結果をもたらすだろう」
「岸田文雄首相の政権は、戦後憲法の平和主義条項を一貫して解体する方向性を再び
確認した。日本の再軍備化の加速と相まって、これは世界と地域の安全保障に目に見える
悪影響をもたらす」
「東京の武器輸出政策の見直しは、岸田外相が昨年打ち出した軍備増強の継続の中で行われた。
5年間の増強計画によって、日本はアメリカと中国に次ぐ世界第3位の防衛費支出国になる。
PAC-3の輸出が決定された同じ日に、日本政府は過去最高となる16%の軍事費増額を承認した。」
# 「一方への兵器供与への加担」は、国際法上、*明文化された*「中立放棄」行為。
# つまり、「ロシアとの戦争への公然の参加表明」なので、ロシアの反応は当然なのだが、
# 日本国内のマスコミ報道には、事の重大性への認識のかけらも見当らない ....
https://kotobank.jp/word/中立法規-97488
「戦争法にいう中立法規は,1907年にハーグで締結された「陸戦ノ場合ニ於ケル中立国及
中立人ノ権利義務ニ関スル条約」および,「海戦ノ場合ニ於ケル中立国ノ権利義務ニ関スル
条約」の2つ」
https://www1.doshisha.ac.jp/~karai/intlaw/docs/hc5.htm
「陸戦ノ場合ニ於ケル中立国及中立人ノ権利義務ニ関スル条約
第二条 交戦者ハ軍隊又ハ弾薬若ハ軍需品ノ輜重ヲシテ中立国ノ領土ヲ通過セシムルコトヲ得ス
第四条 交戦者ノ為中立国ノ領土ニ於テ戦闘部隊ヲ編成シ又ハ徴募事務所ヲ開設スルコトヲ得ス
第五条 中立国ハ其ノ領土ニ於テ第二条乃至第四条ニ掲ケタル一切ノ行為ヲ寛容スヘカラサル
モノトス」
# 第二条+第五条から「交戦国に渡る兵器の自国領土通過を見過す」だけでも「中立放棄」。
# どんな「軍需品」の通過でも条文上は「アウト」だが、少なくとも兵器は明らかに軍需品。
さらに、ミサイルは武器貿易条約 (ATT) の規制対象でもある。アメリカは数々の戦争犯罪を
現に実行中なので、アメリカへのミサイル輸出はATT 第六条3項および第七条に違反する。
↑下記のイラクでの空爆も、そもそもイラクの意向に反した米軍の駐留自体が違法なので、
↓当然ながら違法。
https://mekong.hatenablog.com/entry/2023/12/27/053000
https://note.com/spiderman886/n/n8210e6a3331a
「米国、イラクで空爆を開始」
なお、別記事「違法かつ大愚策なロシア「制裁」とウクライナ「援助」」で述べたように、
下記「【国際法判例】ニカラグア事件(ICJ本案判決)」によれば、武器や兵站の援助は、
*「武力行使」または威嚇にあたる*。
https://hiro-autmn.hatenablog.com/entry/2015/06/16/211528
「反乱軍への武器や兵站その他の援助(訓練・軍事演習等)は、武力攻撃には含まれないが、
「武力行使」または威嚇にあたる。   
武力攻撃に至らない武力行使については、「均衡性ある対抗措置」のみが認められる(本件に
おいては、第三国たる米国の武力行使を含む対抗措置は正当化事由とならない。)。」
∴交戦国であるウクライナにミサイルが渡れば、現在の国際情勢に鑑み、*日本がロシアに
対して「武力行使」または威嚇を行った*事になる。

これまで、ロシアは日本を武力攻撃していないのはもちろん、国際法上「武力行使」または
威嚇にあたる事を、*日本には*行っていない。
∴日本には、ロシアに対し「個別的自衛権」を主張し得る論拠は全くない。
さらに、*米国は*ロシアから武力攻撃されていないので、日米関係は「集団的自衛権」の
発動根拠に成り得ない。∵前記「【国際法判例】ニカラグア事件(ICJ本案判決)」で言及
された「集団的自衛権」発動の条件を細かく見るまでもなく、国連憲章第51条は、自衛権の
発動条件を「武力攻撃が発生した場合」としている。

従って、日本の「ロシアへの「制裁」やウクライナへの「援助」」には「ウクライナとの関係」
での「集団的自衛権」の発動としか、国際法観点から説明を付け得る解釈の余地がない。その
日本がウクライナとの間で「集団的自衛権」を主張し得る論拠自体も怪しいわけだが、そもそも
日本が「集団的自衛権」を主張すること自体、これまでロシアを非難してきた事と矛盾する。
∵ロシアはドンバスの両共和国(現在はロシア連邦に加入)と「安全保障条約」を締結した上で
「武力攻撃への救援要請」に基く集団的自衛権」の行使を宣言したので、「手続的要件」での
問題は全くない。一方、日本は「集団的自衛権」主張の手続的要件を何1つ満していない。
このように、*日本とロシアの2国間関係に注意を絞って*国際法を見てくれば、日本は
ロシアに対し、戦争行為を*先制的に*行う「狂気の沙汰」に及んでいる事が明らか。

# 引用した記事には下記の記述もあるが、「直接」ではなくとも、最終的にウクライナに
# 送られてしまえば「アウト」。
「日本製のミサイルが直接ウクライナに送られることはないが、この出荷によって、
ワシントンはキエフにもっと多くのアメリカ製パトリオットを送ることができるように
なるかもしれない。」
そもそも、アメリカは中立法規を無視した行動で、既に国際法上は紛争当事国=交戦国だと
いう状況を踏まえれば、今回の決定は「狂気の沙汰」。
「日本にとって最も深刻な結果」は、下記の程度で収まるはずはないだろう。
https://webryhibikan.seesaa.net/article/501877280.html
「日本 オホーツク海での漁業再開についてロシアから反応がなし 上川外相」
# 日本の外相が対ロシアで*毎回*下記のような非論理的コメントを出すのは、頂けない。
「ウクライナ情勢の責任は全面的にロシアにあるにもかかわらず、ロシアがこのような措置を
とったという事実は容認できない。 」
# アメリカ=ジャイアンの威を借るスネ夫になった積りの発言にしか見えないが、ロシアは
# のび太ではない。^^;
下記のバカげた暗黙の前提なしには説明できそうもない発言は、慎しんで欲しいものだ。
(1)「気に入らないことをした相手国には、国際法を全く気にせず、何をしてもよい。」
(2)「自国が相手国に不法行為で損害を与えても、相手国は対抗措置をとるべきではない。」
ウクライナ情勢がどうあれ、安全保障理事会決議なしの「制裁」は国際法上の不法行為。
資産凍結や禁輸といった日本側の一方的不法行為は、ロシアが相応の「自助/復仇」を
行うことを合法化する。

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