安曇野ひつじ屋 裏のブログ

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家の近所で夜中ヤンキーが騒いでいたら

2020年09月18日 | 安曇野の風景

 例えばですけど、家の近所で夜中、
ヤンキーが騒いでいたら小川さんはどうします?
小川 とりあえず一升瓶を持って行って
「本当に眠いんだよね。お土産にこれあげるからさ」と言いますね(笑)。
 授業で同じ質問をすると、99%は警察を呼ぶと言うんです。
小川 ええっ!
 ぼくも実際に家の近所でそういうことが何回かあって、
でもぼくも直接言いにいくんです。
「ちょっと静かにしてくれへんかな」と言うと、ほとんどの場合は悪気がないから
「ごめんごめん」と帰っていきます。
でもその時に、そこへ行って話して、どいて貰える人ってけっこう少ないんですよね。
「話せばわかる」という生き方が出来る人って、特に日本だとかなり少数派だと思うんです。















岸政彦・小川さやか「調査する人生」より(『図書』2020年9月号所収)

会社を辞めたくなったら

2020年09月14日 | ネコの写真

まず、辞表を出す日を決めましょう。
3ヵ月後とか、半年後とか。決めた次の日から毎日、
職場のみんなに元気にあいさつするようこころがけます。
特に苦手な人にこそ、自分から話しかけます。
もう辞めると決めたのですから、とにかくかまわず元気よく。
辞表を出す日まで、まず、続けてみます。














服部みれい『なにかいいこと』より

ハウラー橋を渡ったのはまだ薄暗い刻限だった

2020年09月14日 | 旅の写真
ハウラー橋(コルカタ=インド)

ハウラー橋を渡ったのは、まだ薄暗い刻限だった。
渡ってしまえば、ちょうど市場が店開きした頃で、
朝の野菜を満載した籠が歩道にずらずらとならんでいた。
大きな都心を突っ切って、ダルハウジーの方角へ、チョウリンギーを進んだ。
プリンス・アンワル・シャー・ロードを越えて、いよいよトリーガンジに着こうとすると、
すっかり明るい一日が始まっていた。

市街は記憶にあるのと同じだった。
自転車式のリクショーが道路にひしめいて、
その警笛の音がスバシュの耳には雁の群が騒いでいるようにも聞こえた。
このあたりの混み具合からすると、大都会というよりは小さな町に来たような気がする。
ビルは低層で、それほど建て込んでいない。
市電の発着所が見えてきた。














ジュンパ・ラヒリ『低地』より

別腹

2020年09月07日 | 安曇野の風景

セブン-イレブンのレジの前で大学生らしい男の子が二人で喋っている。
「別腹ってほんとにあるらしいっすよ」
「ええっ、まじかよっ」
「ほんとっす。人間の胃袋ってひとつじゃなくて、何個かあるらしいっす」
「まじかよ••••••」














穂村弘『にょっ記』より

あのさ〜

2020年09月06日 | ネコの写真

横断歩道のむこうとこっちで、小学生の女の子たちが話していた。
むこうは一人。
こっちは二人。

こっち「ぜったいぜったい秘密だよ〜」
むこう「わかった〜」
こっち「家族にも云っちゃだめだよ〜」
むこう「わかった〜」
こっち「おとうさんにもおかあさんにもだめだよ〜」
むこう「わかった〜」
こっち「おねえちゃんにもおじいちゃんにもおばあちゃんにもだめだよ〜」
むこう「わかった〜」
こっち「ぜったいだよ〜」
むこう「あのさ〜」
こっち「なーに〜?」
むこう「猫にはいい〜?」
こっち(二人で相談して)「いい〜」














穂村弘『にょにょにょっ記』より