二十二歳の肖像 ~T.Sへ誕生日に~
私は流れている
枝を離れた一枚の木(こ)の葉
林のなかの小さな流れを
私は流れている
それを知った小さな木の葉
流れは 速くなるばかり
岩打つ早瀬(はやせ)
うずまくよどみ
私は流れている
時々 ふっとさびしくなる
この気持ちは いったい何なの
私は何を求めているの
ふるさとの家族
きのう会った友達の笑顔
遠い街の愛するあなた
私の見ているたくさんのもの
私を見ているたくさんのもの
だれか私をすくって欲しい
私は流れて行く
ひとりぼっちの小さな木の葉
速くなるばかりの、時の流れを
(1976.10.15)
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