雲のたまてばこ~ゆうすげびとに捧げる詩とひとりごと

窓の雨つぶのような、高原のヒグラシの声のような、青春の日々の大切な箱の中の詩を、ゆうすげびとに捧げます

ダンス

2011年04月22日 | ポエム



 ダンス (または乳房)

あなたのおとなの髪が
僕の頬に触れている
あなたの固い二つの乳房が
僕の胸で揺れている

僕の左手は
子どものプォークダンスの様に
不器用にあなたの掌をつつみ
僕の右手は みにくく
あなたの背中を撫でている
(あなたの背中に乳房はないかしら、と)

あなたの故郷は 何処?
それとも あなたの故郷は
名も知らぬ男達の手で
すっかり風化してしまったのかなあ
そして 僕もその男達のひとり

あなたは 笑う
あなたの笑い声は
僕の頭をかすめて
うしろに飛んで行ってしまう
僕にとって確かなものは
あなたがつけてくれた煙草の火と
僕に触れた
あなたの固い乳房だった
(1970.12.31)


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