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これから確定拠出年金を始める方への先人のドハハな教え!-3

2014年08月03日 | 資産運用

素材抜粋                                                                             2002/11/04

 

僕はこうやって11回転職に成功した

 

山崎 元『僕はこうやって11回転職に成功した』

文芸春秋 2002年

 

 

 

 野村投信に限らず、日本の運用会社の多くが金融機関の子会社としてスタートしており、会社の経営と人事を親会社が握る構造になっている。この点は、運用会社の経営のあり方として大きな問題であり、日本の運用会社の決定的な欠点だ。運用経験のない経営者に経営される運用会社は、その顧客と共に不幸だ。そして、永続的に被支配者側に立つ社員にはどことなく投げやりな無力感が漂うのである。「俺は仕事は分からないけれども、人間は使える」というサラリーマン経営者の無根拠な自信を矯正することは実に難しい。

 

 当時、転職を決めて気負い気味の筆者は、親会社で一度人生の全盛期を終えてきた転籍者の気分にも同化できなかったし、どことなく覇気のない、いわば電圧が低いような感じのプロパー社員にも同化できなかった。

 

 また、こんな会社ならば辞めても惜しくないという印象的な仕事が一つあった。筆者の担当地域であるカナダの製鉄メーカーへの製鉄設備の入札案件であった。当時ドルの金利は高く、円金利が相対的に低かったのだが、それは、三菱商事が円を調達して相手に円とドルの金利の間くらいで、ドルで貸して、為替リスクを負担するという仕組みの案件だった。後で分かったことだが、日本企業の為替への無知につけ込んで、米国の投資銀行がこうした仕組みを北米の製鉄メーカーに勧めていたのだった。

 

 筆者は、為替レートがそれほど円高にならずに推移するのであれば、米国の国債でも買う方が、利回りが高くかつ信用リスクもなしに、十数億円余計に儲けることができる、という計算を示して「この十数億円は、寄付ですか、広告費ですか」と反対した。しかし、ライバル商社との争いに負けたくない営業部門、営業部門に嫌われたくない上司といった構図の下に、この案件は「已む無し」で通さざるを得なかった。上司にも縷々説明されたが、理屈になっていないことが分かってしまったので、心が離れるばかりだった。

 

 まずは<抜粋者注/野村投信に転職して1986年にバランス型投資信託の担当に着任したころ>、株式投資に関する入門書を手当たり次第に買ってきて、雑な読み方だが二、三十冊読んだ。「・・・・・・・入門」とか「・・・・・・・必勝法」といったタイトルが付いた類のものを含めて、たくさん読んだ。これは、かって競馬を始める時に使った方法だ。まず、ある程度の量の基本的な概念を具体的なイメージとともに獲得してしまうと、後の理解がはかどることが多い。またこれと並行して、なるべく専門の論文を読んだ。アメリカのアナリスト協会が出している「フィナンシャル・アナリスト・ジャーナル」という英文の雑誌が会社にあったので、ポツリ、ポツリと興味の持てそうな論文を読んだ。レベルでいうと、上下から挟み撃ちにする感覚である。

 

 他の仕事でも、二年間くらい必死に努力すれば「何とか他人の役に立つ」、つまりプロとしての最低限くらいのレベルに達することができるのではないかと思う。

 

 また、余計なことかも知れないが、こうした扱いが理不尽なレベルに及んだ時には当事者である上司に「あなたは、たかだか会社の上司だというだけで、そんな振る舞いをしていて恥ずかしくないか」と、はっきり軽蔑の意を表すべきだと思う。転職する立場で威張ってはいけないが、基本的に「対等」であることはきちんと伝えるべきだ。転職者はこんなところで妥協する必要はない。気分よく朗らかに会社を去ることは、残りの一生の気分の上でも大切だ。

 

(以下略)


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