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厚生年金基金事務長奮闘記-17

2010年08月25日 | 厚生年金基金
 
8.厚生年金基金の格付け

基金業務の特徴は、少ない職員で多岐・長期・半官半民業務をこなし、新たに最近発生した資産運用業務の専門性もクリアーしなければならないということでしょう。

一方、制度発足以来最大の大改革が進行中であり、今、基金役職員は猛烈に学習・研究を求められているといえます。新任常務理事の研修が19日22万円のコースで始まっています。護送船団方式から切磋琢磨方式へフレームワークのアングロサクソン化が動きだし、インフラ整備が加速度的に進行し、数年後には各基金同志の資産運用利回りが大きな差を示すことになりましょう。

現状、平成8年度で運用拡大を実施していない基金と実施している基金との差が1%程度の小さな差ですが、しばらくしたら10%程度に拡大し、運用収益の格差がその基金を評価する指標となり(100億円の資産の基金で何もしないのと何かした場合で年間利息が10億円も違いが出れば目の色が変わることでしょう)、理事長・常務理事等の能力評価になることでしょう。積立水準の検証による評価やデミング賞どころか、基金の格付けも始まるのではないでしょうか。



現状のままで化石のように固まってしまっていいのなら、怠け心に調子を合わせ
ていれば事足りる。だが、成長することが成功だとしたら、毎朝、心新たに目覚め、
終日しっかりと目を見開いていなければならない。・・・・・・・人生とは、定住にあらず
して旅路である。われこそは<安住>せり、と思う者がいても、それは安住ではな
く、おそらくは人生に取り残されているのだ。

ヘンリー・フォード『わが人生と仕事』




 現行の1,880基金の中で、次ページのような自己格付け方式で「A-a」を取れる基金はまず皆無でしょう。もっとも先端的な基金と言えど「B-a」程度で数基金あるかどうかでしょう。一般的には「D- 」の状態から抜け出しましょうとしている基金が多いのではないでしょうか。中には、金融機関並に「E- 」に留まって解散待機組となっている基金も数10基金ではきかないことでしょう。

このような指標には連合会が実施している「積立水準」があり、会社四季報に掲載され出しました「成熟度」があるだけで、たった一つの指標で基金の財政や経営状態を判断するのはこれまた一点豪華方式の行政的な貧弱な考え方であり、基金業務全体についての指標はいまだ考案・採用されていません。

上記のような定量的・計数的項目の他に、基金の定性評価項目として事務所全体の熱気、
職員に対するなんらかのインセンティブ付与、基金のC.I.設定、運営感覚と経営感覚の度合い、マーケティングの戦略、年金受給者へのサービス提供度合、受給権保護の対策、資産保全対策、プラス・アルファ引き上げ対策、資産運用調査・研究の組織的対応等々を任意に設定して、自基金の内部評価として使うのも面白いかも知れません。

単に、運用利回りが他の基金より何%上回ったという横並びの政治的配慮より、基金事務所全体にインセンティブ付与を行ってターゲットを設定することの方が真の政策的行動でありましょうし、経営的発想でしょう。







受託者責任の実効を上げるためにも、ただ抽象論で観念表示だけでは空念仏に終わるだ
けですから、基金事務所の倫理感覚としてこのような<基金の格付け>を内外に公表するこ
とで、加入員ならびに事業主に対してインパクトを与えられるでありましょうし、基金事務所のインセンティブを高めるためにも必要ですし、何よりも当の基金事務所の受託者責任達成の指標となりえるのではないでしょうか。

一つのアイデァとして材料提供をしてみましたが、似たような考え方で先導する基金が現われることを期待したいものです。



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