「秋夕(中秋節、今年は10月1日)には帰省を自粛しろと国民の足を縛っておいて、中国・武漢との空の便を再開するとは、いったい何なんだ。これでは、なぜ零細事業者の生計手段を制限してまで社会的距離確保2.5段階を実施したのか、考えると力が抜けてしまう」
政府が新型コロナウイルス感染再拡大の防止を理由に今年の秋夕連休(9月30-10月4日)の帰省自粛を国民に要請しておきながら、中国・武漢への旅客機運航の再開を認めたことに対し、市民はこのように反応している。
韓国国内の新型コロナの新規感染者は先月末に1日400人台まで急増して以降、300人台、200人台と徐々に減少し、今月3日からは100人台を維持している。この期間にほとんどの国民は政府が施行した「社会的距離確保2.5段階」に積極的に従った。営業制限がかかった自営業者たちや企業、登校できない学生・生徒たち、結婚式を延期したカップルまで、誰もが「これ以上のコロナ感染拡大を阻止しなければ」と心を一つにしていた。
政府は最近、連休中に地域間の移動を自粛するよう要請し続けている。既に江原・済州など主な観光地で秋夕連休期間の宿泊予約が軒並み満室になっていることに対しても懸念を表明し、自粛を要請した。連休となる9月30日-10月4日は「特別防疫期間」に指定する方針だ。現段階では詳細な指針は出ていないが、社会的距離確保2.5段階に準じるか、より強力な措置が取られるとの観測が出ている。
こうした中、国土交通部は今月14日、中国の地方政府の防疫確認証と中国民航局の運航許可を得た韓国の格安航空会社(LCC)ティーウェイ航空に対し、仁川-武漢路線の運航再開を認めた。武漢行きの空の便が再開されるのは今年1月以来、8か月ぶりだ。実際に16日には同航空のTW615便が中国人や中国に住む韓国人など乗客60人を乗せて仁川航空から武漢に向かったのに続き、武漢から乗客約40人を乗せて仁川空港に戻ってきた。
これに対し、懸念と憤怒の世論が高まっている。国内で新型コロナの拡大防止措置が続く中で、武漢との空の便を再開したのはつじつまが合わないとの指摘が出ているのだ。
中国・武漢は新型コロナウイルスの震源地として知られている。もちろん、武漢をはじめ中国本土で感染者が急増していた今年初めと現在では状況が異なる。中国の習近平国家主席は今月8日、事実上の新型コロナの終息を宣言した。これに関連し、韓国の中央災難安全対策本部(中対本)も「中国の場合、最近の新型コロナの発生動向が極めて安定的である上、中国からの(患者)流入が多くない状況」だとして「この路線(仁川-武漢)を再開することについて、疾病管理庁も異論はなかった」との立場を示した。
ところが一部では、中国政府は信頼できないとの反応が出ている。中国政府は先月16日以降、本土での新規感染者が発生していないと発表したが、その後、中国から韓国に入国した乗客5人がコロナの陽性判定を受けた。そのため、今回の決定(航空路線の再開)によって海外からの新規感染者の流入が増えるとの懸念が高まっているのだ。
韓国政府のいいかげんな二重の態度によって、国民はすっかり力が抜けてしまっている。これに先立ち丁世均(チョン・セギュン)首相は15日、国会の外交・統一・安全保障分野の対政府質問で、新型コロナの感染拡大初期に中国からの入国を制限せず中国人の入国を全面禁止にしなかったことについて「いま考えれば、あのとき実によい判断をしたと自分を評価している」と述べ、再びひんしゅくを買った。
国民は疲れ切っている。依然として新規感染者は3桁で推移しており、これに伴い社会的距離確保2段階が施行されている。正常な日常が制限されたことで抑うつ感に苦しんでいる人もいれば、生計の危機を訴える自営業者も多い。
それにもかかわらず、ほとんどの国民は政府の措置に従っている。就職情報サイト「サラムイン」によると、このほど会社員1354人を対象に「今年の秋夕の帰省予定」について調査した結果、57.7%が帰省しない予定だと回答した。昨年の秋夕の調査結果(39.7%)に比べ18ポイントも増加している。これは新型コロナの感染再拡大を阻止することにとどまらず、その先の「完全終息」という共通の目標を見据えているからだ。政府は国民の声にしっかり耳を傾け、今回の決定による結果に対して責任を負わなければならないだろう。
イ・ソンモク記者
政府が新型コロナウイルス感染再拡大の防止を理由に今年の秋夕連休(9月30-10月4日)の帰省自粛を国民に要請しておきながら、中国・武漢への旅客機運航の再開を認めたことに対し、市民はこのように反応している。
韓国国内の新型コロナの新規感染者は先月末に1日400人台まで急増して以降、300人台、200人台と徐々に減少し、今月3日からは100人台を維持している。この期間にほとんどの国民は政府が施行した「社会的距離確保2.5段階」に積極的に従った。営業制限がかかった自営業者たちや企業、登校できない学生・生徒たち、結婚式を延期したカップルまで、誰もが「これ以上のコロナ感染拡大を阻止しなければ」と心を一つにしていた。
政府は最近、連休中に地域間の移動を自粛するよう要請し続けている。既に江原・済州など主な観光地で秋夕連休期間の宿泊予約が軒並み満室になっていることに対しても懸念を表明し、自粛を要請した。連休となる9月30日-10月4日は「特別防疫期間」に指定する方針だ。現段階では詳細な指針は出ていないが、社会的距離確保2.5段階に準じるか、より強力な措置が取られるとの観測が出ている。
こうした中、国土交通部は今月14日、中国の地方政府の防疫確認証と中国民航局の運航許可を得た韓国の格安航空会社(LCC)ティーウェイ航空に対し、仁川-武漢路線の運航再開を認めた。武漢行きの空の便が再開されるのは今年1月以来、8か月ぶりだ。実際に16日には同航空のTW615便が中国人や中国に住む韓国人など乗客60人を乗せて仁川航空から武漢に向かったのに続き、武漢から乗客約40人を乗せて仁川空港に戻ってきた。
これに対し、懸念と憤怒の世論が高まっている。国内で新型コロナの拡大防止措置が続く中で、武漢との空の便を再開したのはつじつまが合わないとの指摘が出ているのだ。
中国・武漢は新型コロナウイルスの震源地として知られている。もちろん、武漢をはじめ中国本土で感染者が急増していた今年初めと現在では状況が異なる。中国の習近平国家主席は今月8日、事実上の新型コロナの終息を宣言した。これに関連し、韓国の中央災難安全対策本部(中対本)も「中国の場合、最近の新型コロナの発生動向が極めて安定的である上、中国からの(患者)流入が多くない状況」だとして「この路線(仁川-武漢)を再開することについて、疾病管理庁も異論はなかった」との立場を示した。
ところが一部では、中国政府は信頼できないとの反応が出ている。中国政府は先月16日以降、本土での新規感染者が発生していないと発表したが、その後、中国から韓国に入国した乗客5人がコロナの陽性判定を受けた。そのため、今回の決定(航空路線の再開)によって海外からの新規感染者の流入が増えるとの懸念が高まっているのだ。
韓国政府のいいかげんな二重の態度によって、国民はすっかり力が抜けてしまっている。これに先立ち丁世均(チョン・セギュン)首相は15日、国会の外交・統一・安全保障分野の対政府質問で、新型コロナの感染拡大初期に中国からの入国を制限せず中国人の入国を全面禁止にしなかったことについて「いま考えれば、あのとき実によい判断をしたと自分を評価している」と述べ、再びひんしゅくを買った。
国民は疲れ切っている。依然として新規感染者は3桁で推移しており、これに伴い社会的距離確保2段階が施行されている。正常な日常が制限されたことで抑うつ感に苦しんでいる人もいれば、生計の危機を訴える自営業者も多い。
それにもかかわらず、ほとんどの国民は政府の措置に従っている。就職情報サイト「サラムイン」によると、このほど会社員1354人を対象に「今年の秋夕の帰省予定」について調査した結果、57.7%が帰省しない予定だと回答した。昨年の秋夕の調査結果(39.7%)に比べ18ポイントも増加している。これは新型コロナの感染再拡大を阻止することにとどまらず、その先の「完全終息」という共通の目標を見据えているからだ。政府は国民の声にしっかり耳を傾け、今回の決定による結果に対して責任を負わなければならないだろう。
イ・ソンモク記者
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