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【異文化交流クイズ】【3-3問題】スコットランド人女性と日本人留学生の恋の悲しい結末

2021-02-17 12:00:00 | 海外の反応
異文化交流クイズ。第3シーズン「異文化間に芽生えた愛情とすれ違い」第3回は結婚準備を進めていた川田龍吉とジニー、その二人の恋の悲しい顛末に至る過程からの出題です。
龍吉にとってジニーとの結婚の最大の障害が親の同意でした。
しかし土佐の貧乏郷士から三菱の大幹部まで登り詰めた川田小一郎はその頃、東京でどんな暮らしをしていたかと云えば……
『神保町の大名屋敷跡に広大な邸宅を構え、敷地内に別棟を建ててそこに妾を住ませ、京都で遊興した折りには白羽二重の着物を身につけ数人の芸者を伴い』等々、典型的な「成り上がり」のそれでした。
更にその妾に子供を作らせたことで、妻美津との仲も険悪なものとなっていったようです。
龍吉としてはこの母親の口添えを突破口としてジニーを日本に連れて帰って嫁にしようと考えていたようですが、事態は全く好転する素振りさえ見られません。
一方ジニーの方にも突如転機が訪れ、スコットランドからイングランドのサンダーランドの聖書専門の本屋へと勤務先を変えます。
これは彼女自身の意志と云うより、彼女が熱心な教徒であることから推薦されたようですが、これにより二人の距離は物理的にさえ遠くなってしまいます。
『いとしいリョウ。あなたの優しい手紙を受け取りました。とても嬉しく思います。手紙を書く度にあなたが恋しくなります。私の手紙が冷たいと不満を云っていましたね。言い方が悪くてごめんなさい。だけど決して、わざと冷たくしている訳ではなくて、どうしてもそうなってしまう時があるのです。手紙を書いているときに心身ともに疲れ切っていることがあります。でも怒らないで下さい。あなたが云われるように私の心は眠っているのかもしれません。あなたが私を愛して下さるほど、貴方を深く愛していると云えないまでも、私は深く人を愛することが出来ます。少なくとも、貴方は母の次に大切な人です』
それでも二人は手紙で互いの気持ちを確かめあい、時には激しく対立しながらも、ついにジニーは龍吉のプロボーズを受け入れます。
『愛しいリョウ。今日は貴方から前に頂いた四通の手紙を繰り返して読みました。ああ、愛しい人。貴方を本当に悲しい気分にさせてしまいましたのね。
 貴方の前のお手紙には「はい」とお答えします。貴方のご両親が承知され、母も一緒に行かせて頂けるのなら、もうぐずぐず云ったりしません。こんなに返事が遅れて本当にごめんなさい。だけど仕方がなかったのです。考えなければならないことがそれこそ山ほどあるのです。きっと貴方は私がいつも大変だとばかり云っていると思うでしょうね。でも乗り越えられるものなら、もう云うのは止めにしましよう。私は貴方に妻として愛情の全てを捧げられると思いますし、貴方に仕えるために最善を尽くします。私にとって一番嬉しいことは、貴方を幸せにすることになるでしよう』
ですが龍吉の元に日本からのジニーとの結婚の承諾に関する手紙は一向にやってきません。
そうこうするうちに龍吉の造船実習は終わりに近付き、三菱が発注していた新鋭外洋船「横浜丸」が明治17年3月完成します。
この横浜丸を日本へと回航することが龍吉の機関士としての初仕事となることになっていました。
丁度この頃、龍吉は彼女に誕生日プレゼントとして、彼のポートレートを収めるべきロケットと鎖を送ります。そしてその代わりに、龍吉が彼女にねだったのがこのシリーズ第1回で御紹介した、龍吉の息子がその四十年後、金庫の中の小箱で見つけることになるジニーの金髪でした。。。
さてここで話を少し遡って、今回のクエスチョン。
龍吉はジニーと会えない日に新しい、ちょっとした「器具」を購入して一時期熱中していました。それを聞いてジニーは、少々辟易して『ねえリョウ、良心が重荷を背負っているのにどうして安らかに眠ることが出来まして?』とまで書き記しているのですが、後にその「器具」を龍吉が彼女の下に持ってくると、多少は興味を持ったようです(恋人としてのポーズの気もしますがw)。
さてジニーが龍吉に「良心の咎めは感じないのか?」と遠回しにまで聞いた「器具」とは一体なんだったでしょう? 
ヒントとしては、造船とは全く関係なく、それどころか我々が理科の授業で誰もが一度は使ったことがある器具であり、あくまで「器具そのもの」は何ら良心の痛むものでもない、ということで。


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