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【#中央日報】【コラム】朴元淳の死が暴いた秘密

2020-07-25 03:20:03 | 海外の反応
朴元淳(パク・ウォンスン)前ソウル市長がこれほど突然に死ななかったとしたら。ふと、そのような想像をしてみた。

世の中の人々、つまり「市長の秘書として働いている間、性犯罪を体験した」として彼を告訴した被害者周辺とごく少数の検察・警察を除き、誰も何が起こるのか知ることができないまさにそのときに朴氏が突然死を選んだ。誰がどのような空言を取り付けようとも、これほど明明白白に加害者自ら事件の因果関係を赤裸々に表わした死は今まで見た記憶がない。

ところで、もし彼が生きていて異なる道を模索したとしたら、あるいはもう少し長く悩んで決心をもう少し後で敢行したとすれば今どんな局面が繰り広げられていただろうか。たとえば、何事もなかったように相当期間予定された日程を消化し、彼の死亡前日夜にそうしたように、他人は知り得ないような極秘の対策会議をソウル市の核心参謀(6階の人々)と連日継続していたとしたら、被害者をそれとなく圧迫して懐柔の度合いを高めていたとしたらどうだっただろうか。

もしそうだったら、おそらく私たちはこの政権の権力者という人々がどれほど素早く不法的に情報を掠め取り、自分を防御するための時間を稼ぐことができたかを決して知ることはできなかっただろう。代わりに、あらゆる不正腐敗・不法疑惑が囁かれながら危機を迎えたこの政権の人々が普段やってきたとおり、疑惑が世の中に出てくれば御用放送一つ二つに出演して潔白を主張し、明白な証拠を突きつけても「違う」と言い張りながら「悔しい悔しい」と訴え、これを信号弾として彼の支持者が被害者に向かってあらゆる「味付け」をして事態の本質を曇らせる間、朴氏は税金で執り行われた彼の華やかな葬儀場で取材する記者にさえ「黙って哀悼」を強要して暴言を浴びせた、まさにその傲慢な権力者と額を突き合わせて政権次元でこの危機を逃れようとする抜け道を何が何でも探し出していたかもしれない。

だが、朴氏は告訴人が警察の事情聴取を終えるが早いか、彼がその時点に知っていてはいけない情報に基づいて遺書を残し、それによって私たちはいま、意外にもこの政権が味方の犯罪を扱うやり口を一部でも目撃しているところだ。前もって知らせて証拠を隠したり被害者を脅迫する時間を稼ぐ、そのようなやり口のことだ。

すべての捜査は機密維持が基本だ。権力者を対象にした性犯罪はさらに言うまでもない。ところが被害者側の金在蓮(キム・ジェリョン)弁護士が今月7日、証拠隠滅を防いで迅速な証拠と陳述確保のために性犯罪を担当するソウル中央地検女性児童犯罪調査部ユ・ヒョンジョン部長検事に一番最初に電話をし、翌日告訴に関連した面談の約束を取り付けたが、数時間後に釈然としない理由で取り消された。朴氏に対する性犯罪告訴意志を一番最初に知りながら、停滞していた間にどこかから情報は流出した。偶然にも、ユ部長検事の上司は大統領との大学同窓という縁のおかげなのか、この政権になって常勝疾走して秋美愛(チュ・ミエ)法務長官の側近に分類されているイ・ソンユン・ソウル地検長だ。誰かの言葉のように、何かが臭う。

もちろん、まだすべてのことは疑惑にすぎない。具体的に誰が誰と結託し、一番最後に知るべき人に真っ先に情報を流したかは明らかにならなかった。一番最初に疑惑の中心に立った警察かもしれないし、警察よりも先に知っていながら警察が疑いを受けている時にこのような事実を隠したままむしろ警察を捜査すると乗り出していた検察かもしれないし、でなければ慣行のとおり警察から報告だけを受けただけだと話していた青瓦台(チョンワデ、大統領府)が自分側陣営の次期有力大統領選挙走者に好意を施したのかもしれない。ただ一つ確実なことは、「本格的な捜査が始まる前に証拠隠滅の機会が与えられた」(イ・ミギョン韓国性暴行相談所長)という事実が天下に明らかになったという点だ。

国家システムの信頼を揺るがす重大な犯罪疑惑を全国民が知ることになったが、当事者は全員沈黙中だ。朴氏死亡前日、「ミスしたことでもあるのか」と聞いたイム・スンヨン・ソウル市ジェンダー特別補佐官はどこでその事実を聞いていたのか黙殺無返答で、真っ先に告訴意志を認知したユ・ヒョンジョン部長検事はイ・ソンユン・ソウル地検長に報告したかどうかに対する質問に口を閉じた。また他の流出疑惑当事者と目されている共に民主党ジェンダー暴力TF委員長である南仁順(ナム・インスン)議員も、普段は性犯罪被害者と女性人権に対して声を高めていたのとは打って変わって口をにこりともさせない。

沈黙しているからといっていつまでも真実を隠すことはできない。かえってこのように各人が口を閉ざしているおかげで世間の真相究明の声を高めさせ、逆説的により多くの事実が顕になるかもしれない。この政権と非常に近い犯罪者がどうしてそんなにあきれたタイミングで海外逃避を繰り返し、捜査網をくぐり抜けることができたのか、そのような隠密な秘密のことだ。

アン・ヘリ/論説委員


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