韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と米国のジョー・バイデン大統領当選者の12日の初めての公式接触で「インド太平洋のリンチピン」が登場した。この日、文大統領との電話会談でバイデン氏は韓米同盟を「インド太平洋地域の安保と繁栄におけるリンチピン(linchpin、核心軸)」と表現した。バイデン氏はあわせて「韓国に対する防衛公約を確固として維持し、北核問題解決のために緊密に協力していく」と明らかにしたと姜ミン碩(カン・ミンソク)青瓦台(チョンワデ、大統領府)報道官が伝えた。バイデン氏側も報道資料で「当選者は祝賀を伝える文大統領に感謝の気持ちを表明し、インド太平洋地域の安全保障と繁栄のリンチピンとしての米韓同盟を強化しようとする彼の願いを表現した」と明らかにした。
姜報道官はこの日午前9時から14分間にわたって行われた電話会談をついて「『インド太平洋』表現は『インド太平洋戦略』とは関係がない」とし「バイデン氏は中国に関連した発言を全くしなかった」と明らかにした。
だが、外交界では「インド太平洋」という言葉自体が中国をけん制する含意がある米国の外交用語や、最初の電話会談から「インド太平洋のリンチピン」が登場したのは韓国も中国圧迫に参加するように求める事前予告も同然だという解釈が相次いでいる。中国包囲戦略である「インド太平洋戦略」のオリジナル著作権はバイデン氏が副大統領だったバラク・オバマ政府にあるためだ。オバマ政府は米国の対外政策の資源と関心を欧州からアジアにもっと移して、アジアで米国の優越的地位を守るという「アジア再均衡戦略」または「ピボット・トゥー・アジア(Pivot to Asia)政策」をつくった。
◆バイデン氏、韓日豪の各首脳にインド太平洋協力を強調
この政策が暗黙的に狙っている相手が中国だ。トランプ政府はこれをより一層露骨化し、中国を同盟国・協力国と共に軍事的・外交的に包囲するというインド太平洋戦略を発展させた。
峨山(アサン)政策研究院の車斗鉉(チャ・ドゥヒョン)首席研究委員は「インド太平洋戦略の出発はオバマ氏のピボット・トゥー・アジア」とし「『インド太平洋』をそのまま持ってきたのはバイデン政府もインド太平洋戦略の方向をそのまま維持するという意味」と解説した。
特にバイデン氏は韓米同盟の性格を「インド太平洋地域のリンチピン」と表現した。リンチピンは輪が軸から外れないように固定するピンだ。抜いてしまえば全体が崩れる。
米国がリンチピンという用語を使ったのはオバマ行政府の時だ。バラク・オバマ前大統領は2010年6月、主要20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)で李明博(イ・ミョンバク)元大統領に会って「韓米同盟は韓国と米国だけでなく太平洋全体に対する安保の核心軸」としながらリンチピンを使った。
反面、トランプ政府では相対的にリンチピンという単語の登場は少なかった。今回、リンチピンが再び登場し、また、その範囲も『インド太平洋地域』に規定され、バイデン政府が中国けん制に出る場合、韓国も一定の役割を果たしてほしいという意味が込められることになった。
バイデン氏はこの日電話会談を行った韓国・日本・オーストラリア首脳3人それぞれに「インド太平洋協力」を強調した。文大統領より30分先に行われた菅義偉首相との電話会談で、バイデン氏は日米同盟を「インド太平洋地域の安保と繁栄の礎石(cornerstone)」と伝え、日米同盟を新たな領域でより一層強化していくことを提案した。菅首相は訪米日程に関連して「しかるべきタイミングで調整することになると思うが、できるかぎり早い時期に一緒に会おうということでも一致した」と述べた。バイデン氏はスコット・モリソン豪首相にも「インド太平洋地域での安保と繁栄の維持」を呼びかけた。米国がインド太平洋戦略の主軸にしようとしているのが日本・オーストラリア・韓国だ。
国立外交院のキム・ヒョンウク教授は「バイデン氏が初めての電話会談で『インド太平洋』に言及し、リンチピンの話をしたというのは、地域次元で韓国が役割を担ってほしいということ」としながら「中国問題で韓米が同じ立場で進むべきだという意味なので、韓国政府としては負担にならざるをえない状況」と話した。
バイデン氏は電話会談に先立ち、この日午前ペンシルベニア州フィラデルフィアにある韓国戦参戦記念公園を事前予告しないで訪れて記念碑に献花した。当選確定後、初めての公式外部活動だ。フィラデルフィア地域のCBSによると、バイデン氏側は前日関連行事を担当しているパトリック・ドゥーガン判事だけに訪問予定事実を通知した後、絶対的なセキュリティを要請したという。警護問題を念頭に置いたものと分析される。この日、バイデン氏が現場を訪れたときは少数の一般人追慕客がいるだけだった。
バイデン氏の韓国戦(朝鮮戦争)参戦追慕は1カ月前に中国の習近平国家主席が同戦争を「米国の帝国主義に対抗した偉大な勝利」と主張したことに続いて出てきた。表面を見れば、バイデン氏は習主席が「反米戦争」と規定した韓国戦争を自身の初めての公式外部行事とした。韓国戦争参戦勇士を賛え、自国民には国のための犠牲を忘れないという約束を、外に向けては同盟を守るという意志を伝えた。
◆リンチピンとコーナーストーン
米国政府が韓米同盟と日米同盟を強調して使う外交用語だ。車輪を固定するリンチピン(linchpin)が外れれば車が倒れ、礎石(コーナーストーン、cornerstone)が不安定になれば構造物全体が崩れるという意味で同盟関係を強調してきた。
もともと米行政府は主にコーナーストーンを韓米同盟に、リンチピンを日米同盟に使ってきたが、バラク・オバマ政府の時に韓国をリンチピンに変えて呼んだ。ドナルド・トランプ政府ではリンチピンという表現がほぼ消えて伝統的同盟関係の弱化を象徴的に示した。今回リンチピンの再登場は同盟復元の約束であり、韓国に対する役割要求という2つの側面がどちらも含まれていると分析される。
姜報道官はこの日午前9時から14分間にわたって行われた電話会談をついて「『インド太平洋』表現は『インド太平洋戦略』とは関係がない」とし「バイデン氏は中国に関連した発言を全くしなかった」と明らかにした。
だが、外交界では「インド太平洋」という言葉自体が中国をけん制する含意がある米国の外交用語や、最初の電話会談から「インド太平洋のリンチピン」が登場したのは韓国も中国圧迫に参加するように求める事前予告も同然だという解釈が相次いでいる。中国包囲戦略である「インド太平洋戦略」のオリジナル著作権はバイデン氏が副大統領だったバラク・オバマ政府にあるためだ。オバマ政府は米国の対外政策の資源と関心を欧州からアジアにもっと移して、アジアで米国の優越的地位を守るという「アジア再均衡戦略」または「ピボット・トゥー・アジア(Pivot to Asia)政策」をつくった。
◆バイデン氏、韓日豪の各首脳にインド太平洋協力を強調
この政策が暗黙的に狙っている相手が中国だ。トランプ政府はこれをより一層露骨化し、中国を同盟国・協力国と共に軍事的・外交的に包囲するというインド太平洋戦略を発展させた。
峨山(アサン)政策研究院の車斗鉉(チャ・ドゥヒョン)首席研究委員は「インド太平洋戦略の出発はオバマ氏のピボット・トゥー・アジア」とし「『インド太平洋』をそのまま持ってきたのはバイデン政府もインド太平洋戦略の方向をそのまま維持するという意味」と解説した。
特にバイデン氏は韓米同盟の性格を「インド太平洋地域のリンチピン」と表現した。リンチピンは輪が軸から外れないように固定するピンだ。抜いてしまえば全体が崩れる。
米国がリンチピンという用語を使ったのはオバマ行政府の時だ。バラク・オバマ前大統領は2010年6月、主要20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)で李明博(イ・ミョンバク)元大統領に会って「韓米同盟は韓国と米国だけでなく太平洋全体に対する安保の核心軸」としながらリンチピンを使った。
反面、トランプ政府では相対的にリンチピンという単語の登場は少なかった。今回、リンチピンが再び登場し、また、その範囲も『インド太平洋地域』に規定され、バイデン政府が中国けん制に出る場合、韓国も一定の役割を果たしてほしいという意味が込められることになった。
バイデン氏はこの日電話会談を行った韓国・日本・オーストラリア首脳3人それぞれに「インド太平洋協力」を強調した。文大統領より30分先に行われた菅義偉首相との電話会談で、バイデン氏は日米同盟を「インド太平洋地域の安保と繁栄の礎石(cornerstone)」と伝え、日米同盟を新たな領域でより一層強化していくことを提案した。菅首相は訪米日程に関連して「しかるべきタイミングで調整することになると思うが、できるかぎり早い時期に一緒に会おうということでも一致した」と述べた。バイデン氏はスコット・モリソン豪首相にも「インド太平洋地域での安保と繁栄の維持」を呼びかけた。米国がインド太平洋戦略の主軸にしようとしているのが日本・オーストラリア・韓国だ。
国立外交院のキム・ヒョンウク教授は「バイデン氏が初めての電話会談で『インド太平洋』に言及し、リンチピンの話をしたというのは、地域次元で韓国が役割を担ってほしいということ」としながら「中国問題で韓米が同じ立場で進むべきだという意味なので、韓国政府としては負担にならざるをえない状況」と話した。
バイデン氏は電話会談に先立ち、この日午前ペンシルベニア州フィラデルフィアにある韓国戦参戦記念公園を事前予告しないで訪れて記念碑に献花した。当選確定後、初めての公式外部活動だ。フィラデルフィア地域のCBSによると、バイデン氏側は前日関連行事を担当しているパトリック・ドゥーガン判事だけに訪問予定事実を通知した後、絶対的なセキュリティを要請したという。警護問題を念頭に置いたものと分析される。この日、バイデン氏が現場を訪れたときは少数の一般人追慕客がいるだけだった。
バイデン氏の韓国戦(朝鮮戦争)参戦追慕は1カ月前に中国の習近平国家主席が同戦争を「米国の帝国主義に対抗した偉大な勝利」と主張したことに続いて出てきた。表面を見れば、バイデン氏は習主席が「反米戦争」と規定した韓国戦争を自身の初めての公式外部行事とした。韓国戦争参戦勇士を賛え、自国民には国のための犠牲を忘れないという約束を、外に向けては同盟を守るという意志を伝えた。
◆リンチピンとコーナーストーン
米国政府が韓米同盟と日米同盟を強調して使う外交用語だ。車輪を固定するリンチピン(linchpin)が外れれば車が倒れ、礎石(コーナーストーン、cornerstone)が不安定になれば構造物全体が崩れるという意味で同盟関係を強調してきた。
もともと米行政府は主にコーナーストーンを韓米同盟に、リンチピンを日米同盟に使ってきたが、バラク・オバマ政府の時に韓国をリンチピンに変えて呼んだ。ドナルド・トランプ政府ではリンチピンという表現がほぼ消えて伝統的同盟関係の弱化を象徴的に示した。今回リンチピンの再登場は同盟復元の約束であり、韓国に対する役割要求という2つの側面がどちらも含まれていると分析される。
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